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ある鬱闘病者の1日、1週間

さて、おはようございます。今日は、ずっと書こうと思っていたことを書いてみます。それは、鬱病によって私の生活がどのように変わってしまったかということです。

あくまで私の例です。鬱病と闘いながら生活している人がみんなこうだという話ではありません。逆に眠れない人や、過活動になる人もいます。一般的な社会人と同じペースで活動できない人がいる、という一例だと思ってください。

鬱発症以前の1日

私は、どちらかといえばショートスリーパーでした。極端ではありませんが、まあ4~5時間も寝れば十分に1日活動できていました。朝は8時頃に起きて、日中はライターとしての仕事。取材をしたり原稿を書いたり。昼にはひと休みする時間もあるし、午後もしっかり動ける。

共働き世帯なので、子どもの対応をしたり家事をしたりもしていましたが、それでも時間が足りなくて困るという生活ではありませんでした。フリーランスなので就業時間に区切りはありませんし、なんなら夕食後も深夜まで仕事をすればよかったし。

特に忙しくない日は、録りためたアニメなどを観てから、深夜2~3時頃に布団に入っていました。

8時に起きて9時くらいから活動、お昼に1時間休憩して18時から家事をするとして、1日の可処分時間は8時間。足りなければ夕食後にもう4時間程度は使えました。

鬱発症以前の1週間

フリーランスなので曜日に縛られて働く必要はないのですが、土日休みの妻子とともに生活するので、自然と土日に休みを取りがち。といっても週末にごろごろ寝ているタイプではなく、ドライブに出かけたりショッピングに出かけたり、とにかくちょっと動きたいという人間でした。

さて、ここからが劇的ビフォーアフターです。

鬱発症後の1日

まず、全然起きられなくなりました。一度休むと12時間程度の睡眠が必要です。途中で目が覚めても、なんとかしてもう一度寝ます。睡眠時間が足りないまま活動を開始すると、ぼうっとしてしまい何も手に着かないまま1日が終わってしまうからです。

最近は24時頃に眠って、朝8時頃に一度目を覚まします。家族が出勤、登校する音で目が覚めるのです。そして、ここからが1日の最初の勝負タイムです。8時間睡眠では、頭を使う作業はほぼ無理です。なんとかして、あと4時間ほど睡眠時間を確保しなければなりません。環境音がある方が寝付きやすいタイプなので、適当にテレビでニュースなどを流しながら、犬と一緒に布団で過ごします。大抵は再び眠りに落ちて、12時のアラームで目を覚まします。

ここからが、次の勝負タイムです。12時のアラームで目を覚ましても、そのまま起きあがって活動できる保証はありません。ほとんどの場合は1時間程度で布団を出て活動を始められますが、疲労度合いによっては起きあがるまでに3時間から4時間を要することもあります。

順調に13時に起きあがれたら、やっと食事です。3回も食事をする時間はないので、基本的に昼食と夕食しかありません。昼食も時間のかかるものは避けたいので、インスタント食品や冷凍食品で手早く済ませます。シャワーを浴びて着替えて、身支度をすませると大体14時になっています。

原稿書きの日は14時から18時くらいまで仕事をします。18時頃には妻子が帰宅し始めて騒がしくなるので、集中するのはここまでです。あとは買物に行ったり食事の用意をしたり、都合によっては子どもを迎えに行ったり。

夕食を終えて落ち着くのは、大体21時。私の大好きなNHK ニュースウォッチ9の時間です。1時間、社会情勢について情報収集します。週ごとに2種類のメガネを付け替える田中キャスターが推しです。

このあたりにも、ひと勝負あります。服薬です。精神科の薬と血圧の薬を毎日服用しているのですが、これを飲み忘れると気持ちが落ち着かず眠れなくなり、眠る時間が遅くなります。眠る時間が1時間遅くなれば翌日の活動開始が1時間遅くなるので、服薬忘れのダメージは大きいです。

ニュースが終わったら22時。もうあとは就寝に向けた準備です。ちょっとアニメを観たり本を読んだりと気持ちを落ち着かせる方向に持っていって、24時には眠れるように持っていきます。はい、おやすみなさい。

活動にしっかり使える1日の可処分時間は約4時間。夕食後は就眠に向けての助走タイムなのであまり意識を活性化させる活動には使えません。

鬱発症後の1週間

土日に休みがちなのは、以前と変わりありません。ただし、「休み」の定義が大きく変わってしまいました。

以前は、月曜日から金曜日まで仕事をして、土日は遊んでいました。一般的な週休2日。遊んでいる日は、休みだったのです。しかし今では、仕事だろうが遊びだろうが、動いている日はすべて活動日です。以前と同じように月曜日から金曜日まで仕事をして土日に遊んだら、週休0日になります。どこかで休みを取らなくてはなりません。土曜日にプライベートの用事があれば、日曜日は家でごろごろして休む。日曜日にプライベートの用事があるなら、土曜日は家から出ずに休む。

しかも、連続稼働日数が長くありません。4日か5日です。勢いで6日、7日と動けるときもありますが、反動が来て急に動けない日が訪れます。なので、できるだけ連続稼働日数を短くしてこまめに休養日を組み込んで生活しています。するとこんなカンジのスケジュールになります。

それに比べて、一般的に週休2日で動いている人って、こうですよね?

一般的には2週間で仕事日が10日、私は6日しか取れていません。1日の可処分時間が少ないうえに、仕事に使える日数も少ないのです。1週間の仕事時間でいえば、以前の3分の1くらいになっていると思います。私用が重なるともっと少なくなります。そんなに私用でつぶれる日が多いのはおかしいと思うかもしれませんが、可処分時間が4時間程度なのでひとつふたつの用事で1日が終わってしまいます。

おおっぴらに言いたくない理由がある

このような生活を、もう何年も続けています。私自身もだるいんですが、私を相手にしなければならない人はもっとだるいと思います。だからといって、こういう実情があるんですと喧伝する気にもならないんです。

不幸自慢が嫌い
そもそも、病気でこんな目に会った、こんなに大変だって言いふらすのは嫌いなんです。不幸ではなく、幸せなできごとについてみんなと共有したい、楽しい話をしたいんです。以前、入院についてnoteにまとめたじゃないかって? あれは面白おかしく書きたかったんですよ。私としては辛いというような話題じゃなかったんです。

仕事の言い訳にしか聞こえない
自慢じゃありませんが、仕事が遅いです。私の生活パターンは仕事が遅い理由に直結してはいるのですが、もっと工夫もできるはずだと自分で思っている部分もあります。だから、この生活についてきちんと説明することはしてきませんでした。

遊んでいる日があるのに休みが足りないのは理解されない
上に書いたことですが、プライベートの用事であっても私にとっては活動日です。家族でドライブに行っても、その日は休日カウントされません。土日に家族旅行なんてしたら、月曜は必ず休養日になります。「おまえ、週末は元気に遊んでたのに月曜は起きられねえってどういうこと」ってなりますよね、多くの人はね。これ、言葉では理解してもらえるんですけど、感覚では理解してもらえないんですよ。だから言ってもすれ違うだけだし、できるだけ言いたくない気持ちになるんです。

そんな訳で今までしっかりとした説明はしてきませんでしたが、サボっている訳でもないのに仕事が進まないにはこのような理由がありました。それでも、できるだけ社会人のような顔をして過ごしていたいともがく日々です。

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