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中高生のための就職ガイダンス「郷に入っては郷に従おう」

郷に入っては郷に従おう

コミュニケーションが苦手な若者が多いようです。
自分の考えと違った場面に出会うと、周囲の人が分かってくれない、とか、職場に嫌な人がいる、などとなります。

人の考えは十人十色ですが、会社の目標は共通で、
①お客様に喜ばれること
②適正な利益を得ること
③社員の生活を守ること
の3つです。

社員は、与えられた任務について、周囲の協力を得ながら、キチンと結果を出すことで一人前の証となります。
仕事が嫌いになることの多くは、うまくできないことが原因にあります。
入社早々からうまくできるはずはないのたから、初めは一生懸命に取り組んでみることです。

初めは、何がなんだか分からなくても良いんです。
初めから、分かろうとしなくて良いんです。
とにかく、仕事をこなすことに懸命になることです。
そうすると、いつかきっと、上手にできるようになります。
そうなると、その仕事が好きになります。
それが天職となるのです。
天職とは、「見つけるもの」ではなく、「見つかるもの」なのです。

楽しい仕事、楽しい会社を求めすぎないでください。
むしろ、大部分は嫌なものと思ってくたさい。
嫌な残業、嫌な人間関係、人に尽くすこと等、仕事では、自分の意のままにならないことの方が多いものです。

初めから仕事は楽しい、会社は楽しいと思うパーセントが多いと、失望したときのショックが大きくなります。
嫌なことが多いものだと思って臨めば、結構楽しい事が目につき、楽しい思いが膨らんできます。

心の慣性が、いやな心のボリュームが増す方向に作用するか、楽しい心が増す方向に作用するかで、仕事や職場に対する見方が変わってきます。
いやなことが多い仕事や職場から、1 0 %の楽しみを見つけてください。
自分にとっていやなことは、見つけようと意識しなくても見つかるものです。

1 0 %の良いことは、見えにくいから、なかなか見つかりません。
例えば、思い通りにことが進んだとき、自分の考えが評価されたとき、誰かの役に立ったと感謝されたときなど、そんなことがあったら、そのときの気持を大事にしてください。

自分にとっていやな仕事であっても、困難と分かっている仕事であっても、やらなければならないのが仕事です。
それは、仕事に限りません。
好きでなくても、いやなことでも、社会人になれは、やらなければならないことは沢山あります。

社会人に必要なのは、自律心・自己抑制能力です。
自分が存在する社会(=共同生活の場)の基準と、自分の価値判断の基準か違ったときは、
①その社会の基準に合わせる
②その社会の基準を変える
③その社会から逃ける
のいずれかの方法を採ることになります。

現実問題として、その社会の基準は、必要があって形成されたものであり、時間を掛けて定着したものが多く、容易に変えられるものではありません。
③は解決ではなく、先延ばしです。

その社会に適応しようという前向きな心を持たないと、転々として安住の地がなくなります。
転じるたびに、ますます社会に適応できなくなります。

「郷に入っては郷に従え」と言うことわざがあります。
どんな会社、どんな職場、どんな仕事に進んでも、その社会にはその社会のルールや暗黙知があります。
その社会で成功した人は、その社会のルールや暗黙知に従いながら、努力を積み重ねた人が多いものです。

初めは自分の個性を抑え気味にして、その社会の枠の中で、しつかりと仕事能力を蓄えた人が、後に個性を伸はせるホジションに就いて成功している例が多いんです。

だから私は、「郷に入っては郷に従おう」と呼びかけるのです。
「従え」ではなく「従おう」なのです。

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