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光陰矢の如し

「Happy Birthday」
この言葉を、果たしてどれくらいの人が本来の意味で使っているだろうか。
TwitterやInstagramなどのSNSを眺めていると、よくこの言葉を目にする。仲良しなあの子に送ることもあれば、逆にそこまで交流の深くない間柄であっても、送りあうことが多いように思う。

さて、彼らはこの「Happy Birthday」に、どんな思いや意味を込めているのだろうか。そんなことにすこし思いをやってみる。

相手の誕生日を祝うというのは、本来的には「あなたが生まれてきたことに対する喜び」「年を重ねることで成長をしている様を慈しむ」などといった意味があるのだと思う。
では、SNS上で飛び交う「Happy Birthday」の中に、これらの気持ちを持って発せられたものが果たしていくつあるだろうか。

勝手な想像だが、この言葉を、単に相手とのコミュニケーションワードの1つぐらいに使っている人が多いように思う。あの人今日誕生日か、おめでとうって言うか、だったり。この人との会話のきっかけになるな、ぐらいのものもあるだろう。本当にお祝いしたいという気持ちもないわけではなかろうが、それが一番強いわけでもない気がするのだ。

昔はとにかく歳を重ねることが嬉しくて仕方なかった。1つ歳を取るごとに成長すると思っていたから。もっと成長したかったから。誕生日を待ち遠しく思っていた。
ところが今はどうだ、1歳上がったからと言って成長するわけではないと気づいてしまった。それに20歳を超えてからはもう衰退するだけ、誕生日を迎えることに対する羨望がなくなってしまった。
大人になりたくないと思う反面、月日はウサイン・ボルトのような速さで無情に走り去っていっていく。過ぎたる時を嘆く間もなく月日は流れる。

だが、誕生日とはそうゆうものだ。ふと大人の階段から飛び降りてしまいたくなるものだ。そんなことを思っていても今日もまた1歩、段を登る。私も、そしてあなたも。

そんなあなたにたった1つだけ、言葉を贈りたい。
「Happy Birthday」

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