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8月度ババロコ殿堂考察レポート

はじめまして、仙台あるいは東京でポケモンカードを楽しんでいるシゲルです。

はじめに

現在ポケモンカードには3つのレギュレーションがあり、その中でも開拓の進んでいないレギュレーションが「殿堂レギュレーション」です(以下殿堂)。
というのも、2017年7月以降殿堂ポイントが改定されておらず、最後の改定後に登場した「デデンネGX」「アンノーンHAND、DAMAGE」「ムウマージ」「マチスの作戦」「しまめぐりのあかし」「ドローエネルギー」「回収ネット」「クロバットV」etc... 現在のエクストラで猛威を振るい、禁止カードにまで指定されたカードや、現行スタンでも必須級カードが現在の殿堂では当然のように使い放題。このまま殿堂バトルなどを開催しようものならば、ワンキルワンキルワンショットの嵐になることは明白です。
分かりやすく言えば、前シーズンのエクストラの日やシティリーグで猛威を振るった「超越ガブギラ」や「クレッフィDAMAGE」が、DPt-Legendシリーズのカードを組み込み、より成功率をあげて参戦してくるわけです。
1万以上のカードプールから無限のデッキが組める殿堂で「楽しく」遊ぶには、「ワンショット系を使わない」という暗黙の了解が必要になります。

そんな中、楽しく殿堂を遊ぶために独自の殿堂ポイントを制定した殿堂レギュレーションのイベント「ババロコ殿堂」が、8月9日より毎週日曜に開催されることとなりました。
ガブレン、WCS2010レギュで遊ぶためにDPt-Legendシリーズのカードを集めていたこともあり旧カードにモチベを感じていたため、殿堂に知見のあるおーたむさんとともに、1か月間ババロコ殿堂に挑んだ記録をまとめました。

共に考察を行ったおーたむさんの記事も公開されておりますので、一緒に読むと面白いと思います。

準備

前提として、本記事は殿堂レギュレーションの布教は目的としておらず、定期開催されるババロコ殿堂を勝ち抜くための考察をまとめたものとなります。
8月中計4回開催されたババロコ殿堂で参加者が持ち寄った素晴らしい殿堂デッキコンセプトの数々は、たいあたりジムさんで公開されておりますので、是非そちらをご覧ください。

第一回ババロコ殿堂の考察と報告
第二回ババロコ殿堂の考察と報告
第三回ババロコ殿堂の考察と報告
第四回ババロコ殿堂の報告と新殿堂ポイントについて

さて、まずはロロたんぬ氏が再検討した、ババロコ殿堂独自の殿堂ポイント一覧表がこちらになります。(バトロコ高田馬場さんのTwitterより)

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ポケモンカードというものはそもそも、サイドを6枚とりきることを目標とするゲームです。ですので、ADVシリーズからソードシールドシリーズまで、サイドが負けていても逆転の可能性を与えてくれるカードがプールに用意されています。負けている時にしか使えない代わりに、自分に大きなアドバンテージを与えるカード。つまり、プールを広げれば広げるほど、そのカードたちのバリューが高まり、「サイドレースで負けること」が勝つための近道になります。
最後の公式殿堂ポイントの改定以降、「サイドレースで負ける」ことをほぼ任意に再現できるカードが複数登場しました。「しまめぐりのあかし」「ムウマージ(やみのいし)」です。
現行の殿堂レギュで遊ぶなら、これらのカードはほぼ必須となってしまうでしょう(先攻でサイドを減らしておかないと極論負けるため)。
このババロコ殿堂ポイントは、それらのカードを禁止、あるいはポイント制定することで、ワンショットやワンキルデッキの自由度が下げられています。その他にも、本来あるべき殿堂の自由度(ファンデッキ含む)を破壊しかねない「アルセウス&ディアルガ&パルキアGX」や、単純にカードパワーの高い「回収ネット」や「リーリエのピッピ人形」などが制定されています。

このポイントを踏まえた上で、おーたむさんと共にババロコ殿堂の考察が始まりました。

1週目~ロストワールド~

このポイントを考えると、まずは基本的に場を一掃する系のワンショット系は組めないというところを前提に考察を始めます。
この時点でギリギリポイント的に組めるワンショット系は「DAMAGE+マグマ団の秘密基地」、「ツボツボ+HAND(アオギリ未採用)」だけ、という考察を行いました。
しかし、両デッキ各カードが1枚ずつしか採用できないため、自分で納得のいくデッキは組めず(そもそも早々とあきらめた)、ババロコ殿堂に持ち込む人もいないだろう、と考えました。

つまり、まずは単純に殴るビートダウンデッキが強い、という結論に至りました。
この時点で上がった強力なポケモン、コンセプトは以下の通りです。

アメイジングライコウ
120点+120点が強力。多く採用されるであろう「シェイミEX」、「ネンドール」、「ユクシー」などを同時に倒すことができます。
また、最新弾である「伝説の鼓動(デンのドウと呼ばれる)」で新しく収録されたカードであり、既存の殿堂デッキとしての前例が存在しないため、持ち込むデッキビルダーがいる可能性がある、と考えました。

ムゲンダイナVMAX
現行のスタンダードでも強力なポケモン。最大火力270に加え、「特殊悪エネルギー」で火力増強、「ダークライLvX」まで立てればすべてのVMAXをもワンパンできる可能性を秘めたポケモン。「ミカルゲ」や「ヤミラミ」、「ゾロアークGX」など、過去の強力な悪ポケモンと組み合わせることができます。単純に前を殴り続けるポケモンとしては一番強い、と考えました。

ミュウツー&ミュウGX
「次元の谷」によって、あらゆるEXポケモン、GXポケモンの強力なワザを1エネルギー分軽くして使うことができます。「ギラティナ」のダメカンばらまきからの「ニードルアームGX」で、相手のシステムポケモンを一掃するデッキタイプ。現行エクストラでは、TAGTEAMやVMAXなどの大型のポケモンが多いため使いづらい印象ですが、殿堂では「ネンドール」や「シェイミEX」などの小物ポケモンが多いため非常に強力です。

ミュウ(はじまりのきおく)
こちらも「次元の谷」によってワザを自由に使うことができます。現行エクストラでもよくみられる、「ダブル無色エネルギー」や「カウンターエネルギー」で「スピットシュート」や「スカイレジェンドGX」を使い、相手のポケモンを倒していくデッキです。

ポリ探
「ポリゴン2」に3ポイントがかかっているとはいえ、「マチスの作戦」「探究者」がポイント0であるため、構築難易度は高いが組めないことはない、という認識。ただ、自分でくみ上げることはできませんでした。

まとめると、以下の4つに分類されます

・ベンチ狙撃、ばらまきなどによる場荒らし系
・大型VMAX(既存デッキの強化)
・ポリ探
・ロック、コンセプトデッキ

ベンチ狙撃(ばらまき)→ポリ探、ロック→大型VMAX→ベンチ狙撃(ばらまき)
このトライアングルが発生すると考えました。
裏を狩る、前を狩る、縛る、の3点です。(現行スタンは、ほとんどが前を狩る、の認識)

ここで枠に余裕があるなら採用すべきカードとして真っ先にあがったものが、「ベンチバリア」です。
ハンデスや、手札山札にポケモンを戻す系での一層を狙うデッキが使いにくい以上、単純にワザを使って場を一掃するデッキは一定数いることが想定されるので、ギミックにせよ、コンセプトにせよ、すぐに試合が終わってしまわないように「ベンチバリア」を採用することは非常に大切であると考えました。「ベンチバリア」をかいくぐるためには、「サイレントラボ」か「オカルトマニア」が必要となりますが、「パーフェクション」も「はじまりのきおく」も同時に消えるので、ワザは使えません。しかし、「アメイジングシュート」は防げないため、「サイレントラボ」と「オカルトマニア」の影響を受けない「ベンチバリア」といえば、ポケボディー「でんきバリア」をもつ「ライボルト」です。

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進化前の「ラクライ」はΩバリア持ちなため、手札から使用する「探究者」の効果を受けません。この2匹のラインでベンチ狙撃系と「探求者」を防ぐことができます。(ババロコ殿堂のために「ライボルト」をメルカリで300円くらいで購入した翌日、近くのおもちゃ屋に行ったらストレージに10円で落ちてて悲しい気持ちになったのは余談です)

さて、自分が超タイプが好きということもあり、最初は「ミュウ(はじまりのきおく)」を主軸としたデッキを組むことから始めました。

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しかし、「ベンチバリア」でバラまき系は抑えられるものの、大型VMAXがつらい、そもそも同様の考察で「ベンチバリア」の採用率は高い(はず)と考えていたため、勝ち切ることが難しいという結論に至りました。
まだ未開拓の状態のババロコ殿堂を攻略するためには、トライアングルの外から、3点すべてを抑えられるデッキを持ち込む必要があると考えました。

そこで1週目のデッキとして選択したのが、ロストワールドです。

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デッキコンセプト

・「せんりがん」で相手の山札を操作
・「ねぼけロスト」で相手の山札のポケモンをロストゾーンに送る
・「てんしのねがお」の効果でマネネはダメージを受けない
・「サイコシフト」でねむりを相手に移し、「まどろみの森」でロック
・ポケモンがロストゾーンに溜まったら「ロストワールド」で勝利

強み

・「ベンチバリア」でベンチ狙撃はケアできる
・「てんしのねがお」でバトル場は基本的にダメージを受けないため、大型VMAXへの一つの解答となる
・ポケパワー依存のデッキなので、ギミック、ロック系の「ダストオキシン」や「オカルトマニア」で止まらない、「サイコシフト」で「なぐってドロン」のケアができる。
・ゆっくり特殊勝利(ワンショット制限へのアンチテーゼ)

ベンチ狙撃、大型VMAX、ロック系のトライアングルに対して対抗策を持ったデッキとなります。ポリ探をはじめとするワンショット系にはおそらく速度で勝てませんが、圧倒的に先のトライアングルのほうが数が多いと考えていたので、このデッキを選択しました。

当日のマッチアップ

VSアンノーン+ビークイン+ブースター W
「アンノーンQ」などを「ロストおくり」から、「ビークイン」を眠らせ続け、「ロストワールド」で勝利。
VSハピナス+カビゴン+ポリゴンZ W
ベンチに進化ポケモンが並んだので「ロストサイクロン」と「ロストパージGX」を絡めて「ロストワールド」で勝利。
VSポリゴン2+探求者+マスキッパ L
「ミカルゲ」のグッズロックが厳しく展開できず負け。

当日のデッキ分布

ベンチ狙撃系
・アメイジングライコウ+ディアルガ+ケララッパ
大型VMAX、ビートダウン系
・トゲキッスVMAX+インテレオンVMAX+ヌオー+ネンドール
・ムゲンダイナVMAX+ミカルゲ(おーたむさん)
・ムゲンダイナVMAX+エネルギーリンク
・マルヤクデVMAX
・バンギラスGX+ロストワールド
・アンノーン+ビークイン+ブースター
・ハピナス+カビゴン+ポリゴンZ
ロック、ギミック、コンセプト系
・アーケオス+ミュウツー
・なぐってドロン+ゾロアークGX
特殊勝利、その他系
・ポリゴン2+探究者+マスキッパ
・ツボツボ+ポリゴンZ+シュープリームGX+HAND
・ディアルガ&パルキアLegend
・ロストワールド(自分)

参考→第一回ババロコ殿堂考察と報告

これに加え、ロロたんぬ氏が試合前フリーで使用していた

・ミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX
・ワタッコ+ポリゴンZ+サンダース+アップリュー(ワンショット)

概ね考察通りの分布でした。
ポリ探マスキッパツボツボHAND、このポイント制限でもしっかりワンショットを組んでいる方がいらっしゃったので、流石だと思いました。
今回の分布は、ポリ探以外はおおむね五分程度、といった評価でした。

戦績:2勝1敗
優勝:アメイジングライコウ
ポイント改定:なし

2週目~かげぬい~

1週目はほぼ100%予想で考察を進めましたが、2週目からは1週目の結果をふまえて考察を進めます。
1週目の結果に対する分析は以下の通りでした。

①ワンショットが存在してしまっている
→ポリゴン2+探究者+レアコイル+マスキッパ
→ワタッコ+ポリゴンZ+サンダース+アップリュー

②特性がギミックの主幹となるデッキが基本
→とつげきラッパ
→クレイジーコード(3名)
→アップルドロップ、かぜまかせ、エレキエフェクト

③VMAXが一定数

さて、ババロコ殿堂本戦では使用がありませんでしたが、当時のババロコ殿堂ポイントでも組めるワンショットが存在することを確認してしまいました。

まずはこれに勝てるデッキを、というところから始まります。
ここでおーたむさんと出した共通の解答は、特性ロックです。
1週目は、このアップリューワンショットや、「クレイジーコード」をはじめとした、特性依存のデッキ(特性を止めれば破綻するデッキ)が多いという印象でした。
ただし、当然「オカルトマニア」を連打するのは現実的でなく、そのまま自分の展開も遅れ、連打が止まった瞬間相手のギミックが起動してしまいます。
つまり、恒常的に相手の特性を止めるギミックが必要となります。
そこで注目したカードが「ゲッコウガ」の「かげぬい」です。

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ワザさえ連打していれば永遠に相手の特性が止まるため、特性始動を前提としたデッキは動くことができず、とりわけワンキル系統とアンノーン系統のデッキは絶対に特殊勝利ができません。(ポリ探マスキッパは「きょだいみずしゅりけん」で「ポリゴン」を狩り続ければ勝てますが、ポケパワーなので1ターンでも遅れると負けるためやや不利といったところです)
一方で、おーたむさんは「ミカルゲ」+「ダストオキシン」のギミックを採用したデッキを選択しました。そちらに関してはおーたむさんの記事をご覧ください。

さて、「かげぬい」でロックすることを決めましたが、当日持ち込んだデッキレシピがこちらになります。

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XYレギュレーション当時の「ゲッコウガ」といえば「みずぶんしん」で展開するデッキが基本でしたが、ちまちま「ゲッコウガ」を立てているのでは遅い、そして1週目に存在していた「アーケオス」を考慮して、「ダークグレイス」から始動する構築にしました。
「ケロマツ」は特性「ケロムース」を持つため、水エネルギーがあればノーコストで「ミカルゲ」と入れ替えることができます。そのほかにも「ミュウ」や「ジラーチEX」など、1ターン目で持ってきたいカードも多いため、「ポケモンコレクター」を厚めにした構築となっています。

前述のベンチ狙撃系に対しては「かげぬい」で対策します。「とつげきラッパ」「パーフェクション」「はじまりのきおく」は全て使用不可となります。「かげぬい」は相手のターンに相手の場のポケモンのみ特性が使えなくなるため、自分側はしっかり「ベンチバリア」で守ります。

ギミックやコンセプト系に対しては、「かげぬい」はもちろんのこと、「みずしゅりけん」でも対応します。「ベンチバリア」が強いことは前提としてありましたが、特性の「みずしゅりけん」を防ぐことはできません。場づくりから行う繊細なギミック系への対抗策も持つため、2週目に持ち込むコンセプトとしてゲッコウガは理に適っていると判断しました。

さて、残り対抗策を持っていない相手は大型VMAX、ビートダウン系統になります。「ビーリベンジ」のような相手は「みずしゅりけん」で間に合うかどうか、という感がありますが、大型VMAX系統に対して40点でちまちま殴っていても仕方ありません。1週目の時点で評価の高かった「ムゲンダイナVMAX」に対してもどうあがいても勝ちきれないので、そこで採用したカードが「フローゼルGL」と「いのちのしずく」になります。

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1週目の時点で、まだ「フィールドブロアー」の採用率が高くない、と考えていたので、大型VMAXに対しては「いのちのしずく」ループで永遠に負けないことを目指しました。
(おーたむさんが「ダストオキシン」を選択したのも同様の理由です。詳しくはおーたむさんの記事で)

このギミック自体に必須ではありませんでしたが、この段階で殿堂ポイントを消費していなかったため、追加で「破れた時空」を採用し、ループをより強力なものとしました。これにより、「破れた時空」がはがされなければ、「ゲッコウガBreak」が気絶した後もう一度「はやてしゅりけん」を経由しながら「きょだいみずしゅりけん」にまでたどり着けます。強い。

トライアングルの各所と、ワンショット系へ明確な回答を持ち、前週使用したねぼけロストワールドに対しても、break進化で「ねむり」を回復でき、「みずしゅりけん」で破綻させられるため、2週目のデッキとしてはかなり納得のいくものとなりました。

当日のマッチアップ

VSフリーザー+フローゼルGL+ヌオー+キングザブーンGX W
まさかのコンセプトミラー。「隠密フード」やら「ビッグパラソル」が採用されており、環境へのメタ張りが為されているデッキでした。序盤「ミカルゲ」でロックしたうえで、「コイキング&ホエルオーGX」が見えたので、「ベンチバリア」を設置。最後は「破れた時空」で突撃進化して辛勝。
VSマルヤクデVMAX L
タイプ相性でそもそも有利なはずが、たね切れで敗北。悲しい。2週目の優勝デッキ。
VSキュウコン+コダック+HAND W
HAND系は「かげぬい」で間違いなく勝てます。序盤で「うちゅうビーコン」と「きょだいみずしゅりけん」ループができあがったので、「ずつう」でロックされても「コダック」を狩り続け勝ち。

当日のデッキ分布

ベンチ狙撃系
・ミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX+MフーディンEX
・ミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX+MサーナイトEX
・フリーザー+フローゼルGL+ヌオー+キングザブーンGX
大型VMAX、ビートダウン系
・マルヤクデVMAX
・トゲキッスVMAX+欲張りダイス
・アンノーン+ビークイン+ブースター
ロック、ギミック、コンセプト系
・ミカルゲ+ダストダス+ガマゲロゲEX(おーたむさん)
・ドンカラスGX
・ディアルガLvX
・ゲッコウガ+フローゼルGL(自分)
特殊勝利、その他系
・ポリゴン2+探究者+マスキッパ
・キュウコン+コダック+HAND
・ディアルガ&パルキアLegend+ドータクン+フローゼルGL
・カツラのクイズショー+HAND

参考→第二回ババロコ殿堂の考察と報告

「フローゼルGL」がなんと3人もいるという環境でした。びっくり。
HANDが2人いましたが、かなりバランスのいい分布でした。
我々の「かげぬい」と「ダストオキシン」に加え、特性「よるのしはいしゃ」を持つ「ドンカラスGX」でワンショットへの対策をしている方がいらっしゃいました。(ポリ探マスキッパの「カウンターエネルギー」、アップリューワンショットの「スピード雷エネルギー」が止まる)
いろいろな解答、対策が見られることが殿堂の面白さです。
今回の分布におけるゲッコウガは、おーたむさんの「ダストオキシン」が絶対不可、HANDミュウミュウには有利、それ以外はおおむね五分程度といった評価でした。

また、1週目2週目の結果を踏まえ、殿堂ポイントの改定が行われました。

戦績:2勝1敗
優勝:マルヤクデVMAX
ポイント改定:あり

また、今回ベストデッキ賞をいただきました。
ありがとうございます。
景品の「伝説の鼓動(デンのドウと呼ばれる)」からは、「アメイジングレックウザ」が出てきたので、ちょっぴり得した気分。
どこかでこの「レックウザ」をメインに据えた殿堂デッキを組みたいですね。

3週目~ショックロック~

さて、まずは2週目でポイント改定が行われたところから考察が始まります。
改定後のポイント一覧表がこちらになります。(バトロコ高田馬場さんのTwitterより)

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変更点は

1ポイント制定
・マチスの作戦 ・ポリゴンZ
ポイント解除
・退化スプレー ・退化スプレーZ ・ドローエネルギー

となります。

アップリューワンショットが成立してしまったことと、「ポリゴンZ」の採用率が高かったことから、「マチスの作戦」と「ポリゴンZ」がポイント制定され、より一層ワンショット系が規制されました。
また、「退化スプレー」を採用するくらいなら「回収ネット」でいい、8枚採用は現実的でない、とのことから、「退化スプレー」系統のカードがポイント解除されました。(ここの経緯はあまり定かではない)

さて、このポイント改定をふまえ目を付けたのが

・ワンショット系を気にする必要性が薄れ、対策が甘くなる
・退化スプレーが解除されたことでショックロックが組めるようになる

の2点です。

また、前週の優勝デッキが「マルヤクデVMAX」であったことから、殿堂ポイントによって強化された大型VMAX系統が強いことも考慮することとなりました。

ところで、みなさんは「ポケモンいれかえ」というカードを知っているでしょうか?

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そう、現在サンムーンシリーズのグッズの中で最も高価なカードです。
なぜ高価なのかといえば、現在のスタンダードレギュレーションにおいて、「クイックボール」に次ぐ採用率を誇るカードだからでしょう。(参考データなし)
今ではここまでの採用率ですが、ひと昔前まではそれほど採用されるカードではありませんでした。
なぜかといえば、基本的にはこれら3種類のカードの影響が大きいでしょう。

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BWシリーズの「ライデンナックル」で初登場してから、「かるいし」というカードがおよそ5年環境を牛耳っていました。現行の「ふうせん」と比べてもその性能が破格なことは一目瞭然です。
また、「ケルディオEX」と組み合わせれば基本的にはバトル場のポケモンを自由にコントロールすることができます。

そして、おそらくサンムーンシリーズのサポートの中で1位2位を争うカード「グズマ」です(対抗馬は「カキ」)。
「ケルディオEX」や「かるいし」がレギュ落ちしてからも、自分のポケモンを入れ替えるカードとして重宝しました。

「カラマネロ」や「ジラーチ」、「サンダー」などが登場してからは「ポケモンいれかえ」というカードが採用されやすくなりましたが、基本的にこの3種類のカードがプールにあるうちはなかなか採用率は高くなかったように感じます。
それはエクストラおよび殿堂でも同じこと。
「グズマ」や「かるいし」を優先的に採用できる、さらに「回収ネット」はポイント付き。
1週目になぐってドロンがいましたが、それ以外に状態異常ロック系はほとんどいなかったため、「ポケモンいれかえ」の採用率は相当低いと考えました。

ということで3週目のデッキとして選択したのがショックロックになります。

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・「エボルショック」で相手のバトルポケモンをマヒにする
・「退化スプレー」でピカチュウに退化させる
・「メモリーエネルギー」の効果で「ものひろい」を使い、トラッシュの「退化スプレー」を手札に戻す
・「ばんけん」の効果で「グズマ」「AZ」「アセロラ」「とりつかい」をはじめとしたサポートは何も使えない
・これを繰り返す

以上がショックロックの基本的な流れとなります。
基本的にポケモンカードはワザ依存なので、前をロックし続ければどんなコンセプトデッキも動くことはできません。
「N」も「マリィ」も使えず、さらに「リセットスタンプ」は3ポイントも制限されているため(仮に採用していてもドローサポートが使えないため素引きする必要がある)、こちらの手札を流すこともできず、ゆっくりと必要札を集めることができます。
唯一採用率が高そうな解決札は「回収ネット」ですが、GXやVポケモンは回収できないため、「カウンターキャッチャー」などで相手のGXやVを呼び出すことでケアできます。
つまり、トライアングルの一角、大型VMAXに対してはVポケモンのロック、ということで解答としています。

さて、ロックすることにしたはいいですが、これでは勝利することができません。
そこで採用したギミックが毒殺アカギニンフィアになります。

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2019年シーズン、CL千葉のエクストラで1勝3敗でドロップした僕は、同じエクストラに参加していた知人を後ろから眺めながら応援していました。
このギミック自体はその方のデッキからインスピレーションを受けています。
サポートとマヒでロックしながら、「どくさいみん光線」を使って相手のバトルポケモンをどくにし、ちょうど次のポケモンチェックで倒れる!という瞬間に

なりかわる → アカギ◇ → にげる → プリエールGX

で相手のベンチポケモンを空にし、前のポケモンをどくで倒して特殊勝利、というギミックです。

早々と負けた自分は、その方の立ち回りを後ろからずっと眺めていたので、それを思い出しながら、プレイングを1週間で煮詰めることができそう、ということで、「回収ネット」や「ポケモンコレクター」「ゴージャスボール」でより強化されたこのギミックを選択しました。

とはいえ、特殊勝利に必要なカードが

・ニンフィアGX ・ケルディオEX ・かるいし
・アカギ◇ ・ダブル無色エネルギー 

の5枚であり、どれもピン挿しであったため、サイド落ちに対する不安がありました。(これらの枚数を厚くすることは現実的でなく、他にもあまり落ちてほしくないカードがある)
ということで、おーたむさんにアドバイスをいただき、特殊勝利の方法をより殿堂らしく、改めることとしました。

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おーたむさんの提案で採用したカードが、「ジラーチ」になります。
このカードを採用することで、大きくデッキ構築が変わりました。

「ケルディオEX」のかわりに「ジラーチ」を使って「アカギ◇」を打つわけですが、以下の流れで特殊勝利を目指します。

ジラーチをバトル場に出す → マチスの作戦 → アカギ◇ → 探究者 → リフレイン(探究者) → バトル場のポケモンがどくできぜつする

これにより、特殊勝利に必要なカードが

・マチスの作戦 ・アカギ◇ ・探究者

の3枚になりました。大幅にサイド落ちによる負けの可能性が下がったため、勝利へぐっと近づきました(「ジラーチ」は複数積)。

また、ショックロックには「進化」という工程が必要な以上、最初の1,2ターンはロックをすることができません。その際に展開役として利用もできるのが「ジラーチ」です。
ワザ「リフレイン」によってサポートを2連続で使うことができます。
つまり、「フウロ」がノーリスクの「ブルーの探索」になり、「ホップ」が6枚縦引きするカードになります。さらに「ジラーチ」がきぜつすれば「さいごのねがい」によって好きなカードを手札に加えられるので、より一層展開に安定感が生まれました。
ババロコ殿堂が1試合30分で行われるため、基本的に10分から15分で特殊勝利にたどり着けるように一人回しで練習しましたが、「ジラーチ」の採用によって基本的に先攻なら確実に3ターン目から、後攻ならおおむね2ターン目にロックが開始できるようになりました。

余談
ちなみになぜ「ホップ」なのか、「チェレン」でもいいだろう、との声を頂きましたが、一応理由があるので書き記しておきます。正直読まなくても良いところです。
10分から15分で決めるための練習、と先ほど述べましたが、基本的にロック系統、コントロール系統は速度が命なので、余計な付与効果がある縦引きカードは極力採用したくありませんでした。
はじめは「探究者」などを拾える「シロナ&カトレア」をおーたむさんから勧められましたが、序盤に2枚もトラッシュできる余裕がないこと、後半使う場合は、カードを引く前にトラッシュから拾うサポートを選ばなくてはならずミスの可能性がある&時間がかかることから、採用を見送りました。
「オーキド博士の訪問」や「マサキのメンテナンス」など優秀なカードもありますが、同じ理由で採用しませんでした。
さて、どの3枚縦引きカードを選ぶか、という問題ですが、現殿堂環境で使えるドローサポートは以下の通りです。

・ホップ ・アローラの仲間たち ・ハンサム 
・ハウ ・ティエルノ ・チェレン

アローラの仲間たち
 一番オシャレだが、流石に消耗したくない
ハンサム
 山札の下からスムーズに3枚引くことは非常に高等な技術を要する
ハウ
 キャラとして好きではない
ティエルノ
 光らない
チェレン
 カード自体知らない人がいるかもしれず、テキスト確認に時間がかかる

以上の理由から、現在いちばんメジャーな「ホップ」を採用しました。
(DPからソードシールドまでの数あるサポートから突然「ホップ」が出てきたら面白いだろうな、という思いも少しありました)
時間制限がなければ、山札のトップ操作の影響を受けにくい「ハンサム」が有力候補だと思います。
以上、余談でした。

ということで、ベンチ狙撃以外のトライアングルへは有利がとれるデッキが完成しました。(「ダストオキシン」は少しきつめ)
ベンチ枠がどうしても足りず、今回「ベンチバリア」を採用できなかったため、いかに相手のポケモンを早くロックできるかがカギになります。

当日のマッチアップ

VSカツラのクイズショー+HAND W
貸出デッキ。相手のスタートが「ワタシラガV」だったため、ロック先は「ワタシラガV」で確定。「にがおえ」のドーブルが入っていることは知っていたので、手札に「AZ」を抱えることのないようにプレイ。
早々とショックロックを決め、「ワタシラガV」を倒し特殊勝利。
(ちなみに1回だけ「カツラのクイズショ―」使われましたが、外しました。負け。)
VSミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX W
唯一対策できていないところが来てしまう。2ターン目に「ニードルアームGX」を決められると負けです。しかし、2ターン目に決めることはできなかったようで、「エナジードライブ」で「ジラーチ」が落とされた後から「エボルショック」でロックを開始し、「カプ・テテフGX」を倒して特殊勝利。
VSメガニウム+バクフーン+オーダイル W
ジョウト御三家のコンセプトデッキ。ロックを決め勝利。
ババロコ殿堂で見た中では、一番好きなコンセプトのデッキです。美しすぎる。

当日のデッキ分布

ベンチ狙撃系
・ミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX
大型VMAX、ビートダウン系
・マルヤクデVMAX
・メガニウム+バクフーン+オーダイル
・サーナイトGX+サーナイト+ニンフィアGX
・ガラルマッギョV+ポリゴンZ
ロック、ギミック系
・ヤミラミ+アカギの先制
・ゲンガー+ジュナイパー
・ショックロック(自分)
特殊勝利、その他系
・ムウマージ+ペラップG LO
・カツラのクイズショ―+HAND

3戦全勝!
ついに3戦全勝することができました。
相手の回りがよくなかったとはいえ、「ニードルアームGX」に勝てたこともなかなかうれしいです。
今回のデッキ分布は、ハンデス系が2人、コンセプトビートダウン系が5人といった具合でした。

しかし、3戦全勝したのは自分だけではありません。
前回優勝した「マルヤクデVMAX」が2連覇を達成してしまいました。
流石に2週全勝ともなると、参加者たちのメタの張り合いも「マルヤクデVMAX」を意識したものとなりそうです。

戦績:3勝
優勝:ショックロック、マルヤクデVMAX
ポイント改定:なし

4週目~エフェクトチャーレム~

さて、「マルヤクデVMAX」が2連覇したことで、炎タイプに対するメタを張るところから考察は始まります。

さて、タイプメタを張る前に、前週にハンデスが2人いたことから、ハンデスへの耐性を高めるためにはどうすればよいか、ということをおーたむさんと考察した結果、「トロピカルビーチ」がひとつの解答となりうるという結論を出しました。
ということで、「トロピカルビーチ」が自然に入るデッキタイプを探すところから始めます。

「マルヤクデVMAX」へのタイプメタと合わせて、まず上がったのがエクストラにも存在するデッキタイプ、ビーチインテレオンです。
そちらのデッキレシピはおーたむさんの記事に記載されています。
「マルヤクデVMAX」にはタイプ相性で有利をとり、なおかつ、「ダイバレット」でベンチにいる小物を小突くことができます。
自分としては「ベンチバリア」の重要性を大きくとらえていましたが、Twitterで流れてくるレシピへの採用率は高くなかったため、「ダイバレット」というワザは環境に刺さると考えていました。
また、前週にショックロックを使った以上、自分たちとしては「ポケモンいれかえ」の需要は高いという認識だったため、「いれかえフロート」が自然に入る水タイプのデッキは、4週目に使用するデッキとしては十分な解答でした。

しかし、ここで考えたのは、

本当に4週目も「マルヤクデVMAX」を使ってくるだろうか?

ということです。
もし、自分が2週連続で「マルヤクデVMAX]で優勝していたとしたら、(性格が悪いので)明確なメタである「インテレオンVMAX」を狩るために、例えば「ピカチュウ&ゼクロムGX」や、三神パルスワンなどを持っていきます。
もともとスタンダードやエクストラで強力なデッキタイプを殿堂ポイントで強化することがそもそも強い、というのはもう確実に数字に表れている結果なので、純粋な大型雷を持ち込んでくるだろう、というメタはりをしました。つまり、環境に存在する大型ビートダウン系統は、「水」と「雷」に集中する、ということです。
ではその雷に強いのは何か?そう、闘タイプです。

ということで次にあがったデッキタイプが、ビーチゲングラナンスです。
海外のExpandedなどでよく?見られましたが、バトル場の「ソーナンス」で相手の特性をロックしつつ、古代能力Ωバリアを持つ「ゲンシグラードンEX」を育てる、というデッキタイプです。
「ゲンシグラードンEX」が育つまでは、「トロピカルビーチ」を利用して手札を補充します。
今回は殿堂らしさを出すために、「ソーナンス」を「ミカルゲ」にして、グッズロックしながら裏の「ゲンシグラードンEX」育てることを目標にデッキ構築を進めました。
また、似たような構築に、ビーチレジロックも存在していたので、おーたむさんはそちらで考察を進めました。

しかしながら、殴れる状態にするまで4ターンもかかってしまう「ゲンシグラードンEX」です。一度落とされてしまうとリカバリーに時間がかかる。Expandedの環境では、HP240+「かたいおまもり」をワンパンすることが難しかったため強力なデッキでしたが、簡単に300点出してくる現行のVMAXに対してはどうも勝ちきれない、という評価になってしまいました。
納得のいくデッキを構築することができず、ビーチゲングラミカルゲの採用は見送ることとなりました。

さて、振出しに戻ります。
前提として強いポケモンとしてあげていた「ライコウ」や「ムゲンダイナVMAX」にも有利がとれるため、闘タイプは強い。
また、「フィールドブロアー」の採用率もまだ高くないため、「きあいのタスキ」というカードも強い。
この評価は変わらなかったため、なんとかババロコ殿堂環境で勝ち切れる闘デッキはないかと考えたところ浮上したのがエフェクトチャーレムです。

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こちらもエクストラでは一般的なデッキタイプですね。
「エレキエフェクト」で雷タイプにしたチャーレムに対して「エレキパワー」を使うと、Ω連打の効果でなんと合計60点のパンプアップ。強い。
「ストロングエネルギー」+「きあいずつき(アサナン)」+「エレキパワー」、これだけで180点出ます。1エネで
もはや「エレキパワー」がなくとも「ストロングエネルギー」1枚で「ピカチュウ&ゼクロムGX」は吹っ飛ぶのですが(60×2×2)、「ディアンシー◇」まで含めると220点出るので、弱点を考えずともHP210のポケモンは先2で倒せます。1エネで

雷タイプメタとして「闘」を選択しているわけですが、「エレキエフェクト」のおかげで「雷」にもなっているわけで、先ほど考察に上がった水タイプのデッキタイプ筆頭候補「インテレオンVMAX」に対しても弱点を突くことができます。
「ストロングエネルギー」+「きあいずつき(アサナン)」+「ディアンシー◇」+「エレキエフェクト(弱点)」、これだけで320点出ます。1エネで

ということはつまり、「アクアエフェクト」まで採用すれば「水タイプ」にもなるわけで、本来倒したかった「マルヤクデVMAX」にまでも弱点を突くことができます。
「ストロングエネルギー」+「きあいずつき(アサナン)」+「ディアンシー◇」+「アクアエフェクト(弱点)」、これだけで320点出ます。1エネで
弱点を突くことのできる世界線では、「ストロングエネルギー」1枚が80点のパンプアップ、「エレキパワー」1枚が120点のパンプアップ。おかしい。

ということで4週目に持ち込むデッキとしてくみ上げたのが以下になります。

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「ユニットエネルギー闘悪妖」は、自分は「基本闘エネルギー」のURを3枚しかもっていないため、その代用としての採用となります。4枚目以降のURを持っているのであれば、「基本闘エネルギー」を4枚で良いと思います。
(後付けの理由になりますが、「グズマ&ハラ」でサーチできる闘タイプ以外に張れるエネルギーなので、今思うとあながち悪くなかったかもしれません。例えば「しんかのきざし」や「サイコリストア」、「ひかるセレビィ」の逃げるためのエネルギーとして使えます。繰り返しますが後付けです。当日はそんなこと全く考えてませんでした。)

大型VMAX系統には基本的にタイプ相性で解答としています。
1~3週目で存在していた大型VMAXは、「マルヤクデVMAX」「インテレオンVMAX」に加えて「ムゲンダイナVMAX」「トゲキッスVMAX」ですが、やはりこれらに対しても同様に有利が取れます。

非EX、GX、V(長い)のビートダウン系統や、「ヤミラミ」や「ミカルゲ」、「ポリゴン」を利用するロック系統に対しても、2ターン目から60打点以上のΩ連打でバトル場のたねポケモンと次に出てくるたねポケモンを倒せるので、やはりおおむね有利がとれます。
1週目の時点で大型VMAXへの解答として「イツキ」「カミツルギ」「どく」のギミックや、「ラッタ」「どく」などのギミックも考慮していましたが、貸出デッキに「ワンダーエネルギー」と「サーナイト&ニンフィアGX」のデッキが存在していたことから、まだ使いどころではない、刺さらない、と感じていました。しかし、2週目3週目で大型VMAXが環境トップに出て、これらのギミックが刺さるようになったため、そろそろ持ち込む人がいるだろう、ということで、それらへの解答にもなっています。イツキカミツルギはどう組むのか分からないのでなんともいえませんが、ゾロラッタのような系統は相性有利です。

ただし、今回のデッキはトライアングルのすべてに対して回答をもっているわけではありません。ベンチ枠が足りず「ベンチバリア」が採用できていないので、ベンチ狙撃系への耐性がありません。「ライコウ」なら「きあいのタスキ」を絡めればギリギリなんとかならないこともなさそうですが、「ミュウツー&ミュウGX+ニードルアームGX」のようなデッキには逆立ちしても勝てません(アサナンは逆立ち得意そうだけど)。
一応大型VMAXが強い以上、それらのデッキに不利をとるベンチ狙撃系は少なくなる、と考えてはいましたが、それでも一定数いるロック、ギミック、コンセプト系統には強く、貸出デッキにも「ライコウ」がいることから、無視はできない存在です。
ということで始めは「バリヤード」を採用していたのですが、ベンチには「サンダース」「次のアサナン」「ディアンシー◇」、場合によっては「ひかるセレビィ」も置かねばならず、「ジラーチEX」や「ユクシー」を使う都合どうしてもベンチスペースがなかったので、そこの枠を泣く泣く別のカードに差し替えることとなりました。ベンチ狙撃系は気合でなんとかすることになりそうです。

さて、差し替えた先のカードですが、こちらのカードになります。

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(引用元→ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト

今回、「はかせのてがみ」を採用しなかったので、エネルギーのサーチ手段が「グズマ&ハラ」しかありません。しかもその枚数はギリギリの8枚。
1ターンでも攻撃の手を緩めないように、サイドに埋まってしまったエネルギーは(可能なら)早く救出する必要があります。
そのために、「コルニ」でサーチできる「タウンマップ」を採用せよ、という話になるのですが、このババロコ殿堂環境では「ロケット団参上!」は別の視点でも大きな役割を持ちます。

前週使用したショックロックですが、特殊勝利を目指すロックデッキなだけあり、やはりサイド落ちが厳しかった印象です。
初週に使用したロストワールドも、「ロストワールド」をはじめとしたカードが複数枚落ちると厳しかったりします。
もちろん、そのために「グラジオ」を複数枚積むこととなるのですが、ここで「グラジオ」のテキストを見てみます。

ウラになっている自分のサイドのオモテをすべて見て、その中にあるカードを1枚、この「グラジオ」と入れ替えて、手札に加える。その後、この「グラジオ」と残りのサイドをすべてウラにして切り、サイドとして置く。

「ウラになっている」が重要で、もしサイドがオモテになっている場合、実は「グラジオ」は使用することができません。「HAND」や「DAMAGE」、「ツボツボ」が顕著ですが、ワンショット系統を組めたとしても、ポイント的に1枚しか採用できない場面が多いと思います。サイドに落ちた瞬間、必ず「グラジオ」で拾いに行かなくてはなりませんが、サイドをオモテにしてしまえば「グラジオ」はその効力を失い、ワンショットを決めること自体不可能になります。
もしサイド落ちしていなくても、ワンショット系のデッキはデッキのカードすべてがリソースなので、サイド落ちが困らない、なんてシーンはほとんどありません(ショックロックで体験済み。「シェイミEX」や「ふしぎなアメ」が落ちても結構つらい)。
ワンショット系への一つのメタカードとなります。

さらに、「グラジオ」のみならず、このカードによって使えなくなるカードは他にもあります。

・アグノム ・ジラーチ◇ ・欲張りダイス ・ロトム(わるふざけ)

2週目に、「トゲキッスVMAX」と「ジラーチ◇」、「欲張りダイス」を組み合わせたデッキがいましたが、それらのサイド追加系も軒並み使えなくなります。非EX主体のデッキの一つのメリットとして「とられるサイドの枚数が1枚ずつ」というものがあるので、それらを抑えられることも「ロケット団参上!」の強みの一つです。ワンショットが怖ければ、採用を検討しましょう。

また、今回タイプメタを張りババロコ殿堂に挑むわけですが、この時点で「きあいのタスキ」の評価が非常に高かったため、おーたむさんは闘タイプと水タイプを両方持つ「カイオーガ&グラードンLegend」を主軸としたデッキを選択しました。
最大打点320点、ベンチ狙撃、LOもできる大味なデッキです。

当日のマッチアップ

VSゲンガー+ジュナイパー W
2ターン目からΩ連打で「ゴース」や「モクロー」を同時に倒し、テンポをとります。最後「イベルタルGX」が出てきたので、「エレキエフェクト」「エレキパワー」で倒す。弱点と抵抗力の同時計算の練習になりました。
VSひかるミュウ+タッグチーム W
お相手「オーロット&ヨノワールGX」が2枚ともサイド落ちしてしまったようで、ゲームプランが変わったそう。「エレキパワー」を使えないように裏の「イーブイ」が狩られますが、「きあいのタスキ」付きの「チャーレム」がすこし長生きしたので、殴り続けて勝利。序盤に「フィールドブロアー」のトラッシュが見えたのと、ちょうどいいタイミングで「N」を打てたのがよかった。
VSドラパルトVMAX+ミカルゲ+ダストダス L
完全に考慮していなかったところがきた。自分ドラパルトVMAX好きなくせに何故気づかなかった・・・・
炎←水←雷←闘まで考えていたのに、次の「←超」を完全に忘れていました。(考えたところで対策方法はないのですが・・・)
「ダストオキシン」で「プリンセスエール」も「エレキエフェクト」が止まり、「ドラパルトVMAX」は闘ー30抵抗力を持ち、「ホラー超エネルギー」2枚の効果を殴るたびに倍掛けで喰らい・・・
後攻をとり、お相手が「ミカルゲ」単で返してくれれば「きあいずつき」でワンチャンあるかと思いましたが前は「ドラパルトV」で絶望でした。
負け!

当日のデッキ分布

ベンチ狙撃系
・アメイジングライコウ+ディアルガ+ケララッパ
・カイオーガ&グラードンLegend(おーたむさん)
・(ドラパルトVMAX+ミカルゲ+ダストダス)
大型VMAX、ビートダウン系
・ひかるミュウ+タッグチーム
・ミュウツー&ミュウGX+アルセウス&ディアルガ&パルキアGX+他
・マルヤクデVMAX
・ブースターGX+ミュウ+バクフーン+ビクティニ◇
・ブイズバレット
・チャーレム+サンダース(自分)
・(ドラパルトVMAX+ミカルゲ+ダストダス)
ロック、ギミック系
・ゲンガー+ジュナイパー
・アクジキング+ジラーチ◇+欲張りダイス
・ナックラー+ビブラーバ+フライゴン
・(ドラパルトVMAX+ミカルゲ+ダストダス)
特殊勝利、その他系
・ランクルス+ひっぺがす+マグマ団の秘密基地+DAMAGE
・マニューラ+ヤミラミ+ペラップG LO

参考→第四回ババロコ殿堂の報告と新殿堂ポイントについて

今回の全勝優勝は「ドラパルトVMAX」と「DAMAGE」。ついに「マルヤクデVMAX」の全勝伝説が崩れました(それにしても8勝1敗なのでめちゃくちゃ強い)。
今回タイプによるメタ張りを行いましたが、雷または水で弱点をつけたのは「マルヤクデVMAX」のみだったので、そちらの面での考察は外してしまいました。
また、完全に頭になかった「ドラパルトVMAX」。逆立ちしても勝てません(アサナンは逆立ち得意そうですが)。タイプ相性のメタをはったのに、タイプ相性で負けてしまったため、自分の考察の甘さを実感しました。
ところでこの「ドラパルトVMAX」、デッキ分布を整理していて感じたのですが、ベンチばらまき、大型VMAX、ロックの3つの側面全てを持っているデッキなんですよね。自分たちの考察したババロコ殿堂環境のトライアングルすべてを満たしている、と捉えることができるので、環境最適解デッキの一つと感じました。

もう一つの優勝デッキ、ひっぺがすDAMAGEですが、「マグマ団の秘密基地」と「DAMAGE」で4ポイント使ってしまう以上、なかなかデッキ構築難易度が高いと感じていたのですが、デッキをくみ上げ、しっかり3勝していらっしゃいました。

戦績:2勝1敗
優勝:ドラパルトVMAX、DAMAGE
ポイント改定:あり

8月度ババロコ殿堂通算成績:9勝3敗

おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
せっかく定期開催されるのだから、と、ババロコ殿堂8月環境を勝ち抜くために行った考察をまとめましたが、9月以降のババロコ殿堂で勝ち抜くために参考になる部分があるかもしれません。

とはいうものの、殿堂レギュレーションそもそもの面白さは、1万以上あるカードプールからまだ見ぬ組み合わせの化学反応を楽しむところにあります。
御三家で組んでみたり、2進化ラインの各カードを各世代のうち一番強いものをひっぱってきたりするのもエモくて素晴らしいデッキですし、ワンショットやロック、ハンデスも芸術点の高い素晴らしいデッキです。
独自のポイント制限があるので、今まで組めたデッキが組めなくなっていますが(ミミロップ+やぶれた時空+ドローエネルギーとか)、限られた環境の中でいかに勝ち抜くかを考えるもよし、限られたポイントのなかでいかにワンショットを組むかもよし、オリジナルのコンセプトを考えるもよし。
独自の制限だからこそ、今まで見ることのできなかった新しい発見がある、そういったデッキで「楽しく」遊べる、のが「ババロコ殿堂」だと思います。

そして、4週目の最後にポイント改定がありました。(バトロコ高田馬場さんのTwitterより)

画像16

変更点は

1ポイント制定
・アオギリの切り札 ・アルセウス&ディアルガ&パルキアGX
4ポイント制定
・カクレオン

ビートダウン系のパワーを高めるために、「アルセウス&ディアルガ&パルキアGX」、「アオギリの切り札」のポイントが1少なくなり、「カクレオン」が禁止カードから4ポイントカードに変わりました。

この新しい殿堂ポイントでどんなデッキを組むかはあなた次第です。

次回のババロコ殿堂は9/13(日)の19:30から。
是非参加してみてはいかがでしょうか?

おわり

参考

画像引用元(敬称略)
ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト
バトロコ高田馬場
たいあたりジム

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