#経団連会長の記者会見 #就活ルール廃止を=21年度春以降入社から について

経団連の「就活ルール廃止を=21年度春以降入社から」について

 ま、よく変えるもんです。もちろんいろいろ問題があるから変わるんですけど、その問題について周知のことですのでざっくりいけば、青田買いとか、学生が学業に専念できないとか、主に学生生活に対する影響の面で、いつから解禁にするかということが話題になってきたわけです。もちろんその背景には、自分の会社がいかに優秀な社員を確保するかという企業生き残りをかけた企業エゴがあります。私はそれを悪いとは思いません。優秀な人材を確保するというのはとても大切なことですから。ですから、問題は方法です。その方法によっては、学生生活に大きな影響を与え、またそれによって充実した学生生活を損なうという面もあるわけです。

 それで、中西経団連会長の今回の会見ですが、「経団連がいつからとか採用日程を采配することに違和感がある」と述べました。現行の就活ルールについても省略しますが、経団連は、今後大学など関係核方面と微調整を進めた上で、経団連として機関決定を目指すとしています。さらに、「どういう解決策があるのか考えないといけない」と述べ、今後学生側の意見を聞く意向を示したといいます。

 ここですね……問題は!
 そもそも、学生への影響というのは結果です。その影響の原因、源は、「新卒一括採用」という企業文化です。ここにもっともっと手を入れずして、その川下の学生に聞くといっても根本的な問題の解決にはなりません。
 ですから、中西さんは、
  〇 もっと企業経営者に聞くべきではありませんか?
  〇 企業文化自体について自らもっと顧みるべきでは
   ありませんか?
もっと言えば、
  〇 日本社会の「同期」文化についてもっとメスを入れ
   るべきではありませんか?
そうなれば、
  〇 社会学者にももっと関わってもらうべきだと思いま
   せんか?
  〇 研究者も、論文を書いたり批評をするだけではな
   く、もっと日本のシステムについて実効的な提言や関
   わりをしていくべきではありませんんか?

 「新卒」という概念自体が必要なのかどうか?そもそも、「同期」という横並びの文化が今の時代に求められているものなのかどうか?もう一度よく考え直さないといけない問題です。
 学生も聞かれても困ってしまうんじゃないでしょうか。学生に聞くと言ったから、フリーに聞く耳を持っています……みたいなのは、アリバイでしかありませんよ!自己粉飾ですね!だめです!経団連の会長はとても大きな影響力をもったポジションです。もっと、現在と未来の日本社会に責任を持った言動をとらなければ……!
 自由にすれば最適解に落ち着く……なんていうのは、リーマンショックのときに世界中が痛い目にあいました。局所最適解では、そう見えても、経済だって行動心理学の方向から考えなければならないということを世界中が学んだはずです。
 「同期文化」「新卒文化」に対する検討抜きに、各企業に勝手にやれ!と言い、そうしたら、最適解に落ち着くだろうというのは無責任です。青田買いに走るだけです。もっともっと議論して、就職「文化」についての議論をし、「耕す」べきです。耕されなければ「文化」は「culture」になりません。企業文化が変わらなければ、この「採用」の問題は問題のままだし、新しい時代を切り拓く!とかいう、今の時代に求められている使命は果たせないんじゃないでしょうか。

 学生も、明治維新を考えれば、そう違わない年齢の人たちがなしとげたわけですから、現在も主体となって取り組むことができると思いますよ!こうなったら困る!とか、こうなってほしい!とか、希望は明確に伝えるべきです。それは単なる批判ではありません。未来への創造なのですから!学生諸君は、今、一番柔軟な知性と感性をもっています。勉学に励み、未来の社会と自らの豊かな人生を築いてください。
                 元高校教師 より

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