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64歳の就活日記2ー-国立大学求人の「隠れ定年」に要注意!

就活のメインとしてハローワークを使っています。

ハロワのホームページの求人情報検索コーナーに行き、パートかフルタイムか、勤める地域、希望職種などを入力して検索。年齢についても「不問のみ」「不問をのぞく」の選択があるので、もちろん「(年齢)不問のみ」を選びます。

「不問をのぞく」を選ぶと、例えば「年齢制限有り。定年65歳につき64歳までの方」みたいな条件がつきます。

制限が64歳までなら私の場合は十分に応募資格があるわけですが、常識で考えて定年まで1年しか働けない人を採用するはずがないので、ハロワ検索で年齢制限は「不問のみ」を選ぶわけです。

年齢制限の「64歳まで」はまだいいほうで、「55歳まで」とか「35歳以下」「30歳以下」なんてのが一般事務で探すとザラにあります。こうなると「(年齢)不問をのぞく」の求人は見るだけ時間の無駄です。

★求職者の年齢「不問」の意味するところは?
年齢不問を選んで検索すると、結構あります。

私は自分の経験から「教育」系も条件に入れた事務で探したところ、国立大学系の○○学部事務室あたりの求人がそれなりに出てきます。もちろん一般企業の求人もチラホラあります。

しかも学歴も「不問」で基本的なPC操作ができればいいという条件のところが多いです。大学で留学生を相手にしたり、貿易会社だったり、外国との交流のある部署は「英語力」も求められてTOEIC700点以上などの条件がつくケースもあります。

私の場合、英語力は何とかなるので大学や貿易会社の事務職に申し込めそうです。これはチャンス!と思って当初は無邪気に応募していました。

でも…。

結果は×ばかり。要件を満たしている上に自分の経歴的にも条件に合っているのに、どうして書類選考すら通らないんだろう。落ち込みます。

ハロワで応募先への紹介状を発行してもらう時にも特に否定的なことも言われず、「面接まで行くといいですね」という感じでした。紹介状を発行する前に現在何人が応募しているかと、そのうち何人ぐらいまで審査が進んでいるかという数字を示してくれます。たいていは一人の募集に対して10人~15人程度の応募者で、競争率がすごく高いわけでもありません。

じゃあ、なぜ書類落ち? 10人程度の応募なら全員に会ってくれたっていいんじゃない。納得できないなあ。

年齢「不問」といいつつも、本音は「少しでも若い人を採用したい」ということなのでしょうか。実際、締め切りを過ぎた年齢不問の求人で「何歳ぐらいの人が採用されたのか」をハロワに聞くと「たまたまかもしれませんが、40代の方に決まっていますね」みたいな返事でした。数件続けて。

もう一つの可能性は「年齢不問」の考え方です。こっちは「年齢不問」=「年齢の上限無し」のことだと受け止めているけれど、求人する側は「中卒程度の若い人、17歳ぐらいでも受け入れるかもしれません」という意味で使っているかもしれません。つまり、若いほうにシフトした年齢不問かもしれないのです。

★とにかく質問すべし

熟年シフトか若年シフトかで意味が全然違うので、ハロワの職員二人に聞いてみましたが、「それは分かりません。本当に分からないんですよ」との返事でした。

でも、何度か募集をかけている企業などは、ハロワデータに詳しい情報が残っているケースもあるようで、「この企業は雇止め規定がありますね」とか「チームリーダーとして育てて、若手の指導者にしたいと考えているようです。だから定年に近い人の採用には消極的かもしれませんね」などと答えてくれたこともあります。

でも、それとてこちらでかなり熱心に聞き出したから得られた情報です。ハロワ側で気を利かして調べてくれる、なんてことはありません。

国立大学系求人の隠れ定年
「年齢不問」の意味するところを探るうちに、国立大学の「隠れ定年」問題に気が付いたのは、いくつかの国立大学の求人を見比べた時でした。とある国立大学の求人票にははっきりと定年が書いてあるのに、別の国立大学のものには「定年 なし」「再雇用 なし」と書かれていていたのです。

国立大学である以上、どの大学も同じ法律のもとで運営されているわけだから、ある国立大学の事務職員の定年が65歳なのに、他の国立大学では70歳とか、あるいは定年制がないなんてことあり得ないと思いハロワに問い合わせました。

すると国立大学である以上、やはり事務職の定年制は同じとのこと。

ただし、一部の突発的な雇用や短期雇用の場合などでは例外もありえるとのことでした。

私が応募したところやこれから応募しようとしているところは年度任用(ある年の4月から翌年3月まで)のとても基本的なポジションです。とても「例外的」な扱いをされる仕事とは思えません。

ハロワで色々と質問したり、先方に電話確認をしてもらったりして分かったのですが、「年齢不問」と書いてあっても、「定年 なし」「再雇用 なし」と書いてあっても、60歳/65歳の定年は存在するということです。

なので、「年齢不問」は「定年の範囲内なら年齢不問」と読み替え、「定年なし」は「現実と違います」と読み替えるべきなのかもしれません。

「定年はあるのに人事部が…」

以下は、ある国立大学の事務職の募集についてハロワの担当者に「定年」について聞いてもらった時の話です。

「年齢不問」「定年なし」と求人票に書いて募集をかけているある国立大学の学部事務室の人の説明では「65歳が定年なんですが、人事部が募集をかける時にそのような形(定年なし)で書いているんですよ」とのことだったそうです。各学部で独立して募集をかけるわけではなく、人事部/人事課に一括して任せているので、その学部の人も「なぜ」人事課がそうしているかは分からない(あるいは分かっていても言えない)ようなのでした。

定年があるのになぜ「定年なし」と書くのでしょう。国が70歳定年制を打ち出しているのに、国立大学が65歳/60歳定年とハロワの求人に書くのは「まずい」という思いなのでしょうか。

あるいは突発的な短期求人の時に例外的に定年があいまいなケースもありうるので「定年なし」としておくのでしょうか。分かりません。

★「定年なし」で「雇止めあり」って何でしょう?
他にこんな国立大学の求人もありました。その大学も求人票は「年齢不問」で「定年なし」と書かれていました。だから「応募できる!」と思って、ハロワの人に応募に必要な紹介状の印刷をお願いしました。

印刷を待っている間、ふと別の欄「求人に関する特記事項」に目をやると「雇止め規定あり:事業所補足参照」と書いてあるのに気がつきました。
「あれ?定年なしと書いてあるのに【雇止め規定あり】になってますね。どういうことでしょう」とハロワに聞くと、「本当ですね。ちょっとお持ちください」と詳細データを調べてくれました。

とある国立大学がハロワに出した求人票の一部

その結果、「今回の求人で出してきた規定でなく、こちらに保存されているのは前の募集時のデータですが、勤務できるのは65歳の誕生日前日までとなっています」とのこと。

「定年がないのに65歳で雇止めってどういうことですか」と混乱した私。

ハロワスタッフもこんなヘンテコな話はよく分からなかったようで、上司と何やら話していました。で、「65歳の雇止めは、この事業体/団体そのものに適用される規則ということだそうです」との返事。

は?

「この事業体そのものに適用されるんだったら、今回の求人はこの事業体の中の仕事なわけだから当然適用されるということですよね」と私。

「そうなりますね」とハロワ。

こんなやり取りの後、せっかく印刷してもらった紹介状はボツにしてもらいました。

このような雇止め規定があるのに求人票に「定年なし」って書くのはどういうこと?
なぜ「定年なし」の欄じゃなくて別の欄に「雇止め規定あり」って書くの?しかも雇止め規定についてはハロワのPCでしか見られない仕組み。
どうして求人票に直接書いてくれないの。
利用者の利便性を考えてくれていない。
これは求人する側だけでなくハロワも同罪かな。

紹介状を印刷してもらう段階で、この大学の求人には18人が応募していました。その中には60代も70代の人もそれなりにいるとのことでした。きっと「年齢不問」と「定年なし」と書かれた求人票を見て「いける!」と思って応募したのだと思います。

前の例でも、すぐ上の例でも、一つはっきりしているのは、国立大学には定年がはっきりと「ある」ということです。なのに求人票には定年が「ない」ものとして書かれています。

「年齢不問」「定年なし」に一縷の希望をもって応募している60代・70代の皆さん、そんなの信じて応募しちゃダメですよ。履歴書を送るだけ時間と手間と切手代の無駄。国立大の事務職員の「隠れ定年」に気を付けて!

国立大の事務職に応募するなら、ハロワの人に定年制について徹底的に聞いてください。何なら先方に確認電話をいれてもらってくださいね。

こんなことにはめげずに明るく再就職レポートしていきまーす:-)

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