北の大地、未知との遭遇

人生初のオフ会は大成功という事で幕を下ろした、出会った時の緊張感と遅れてやってきた現実感が心臓を激しく動かしたのは明白に思い出せる。日頃パソコンのディスプレイ横に設置した、指向性マイクに語り掛けてゲーミングヘッドフォン越しで聞いていた声が、目の前から、後ろから、横から聞こえてくるのは脳みそがバグったように最初受け付けなかった。

未知との遭遇と題打ったのは、通話越しでしか、声のみ確認できるという状況だった為存在するのか、しないのかも分からない誰かと出会うのだと思うと、結局は未知なる存在だったのだ。逢って見ればどうとでもない、ただの人、出会い頭に鼻をへし折られ優しくハグをした。

自己紹介も済ませて町へと繰り出す、生憎の霧雨。でもそんな事で足の進む速度が変わる訳もなく、訴えかけて来る食への叫びを手で押さえつつ事前に予約を入れて貰っていたお店へと足を運んだ。立ち上る煙、肉の焼ける音、既に体が肉を求めていた。

ジンギスカンを余すことなく堪能したのち、別々に分かれて行動することになった。1人は俺の為に残ってくれた、後の3人は疲労も色々とあり旅館へと帰って行く、2人で夜の町へと足を進めゲーセンで遊び、カラオケでボードゲームをしつつ1曲だけ歌い闇に沈んだ。

朝、曇り、若干の肌寒さの中公園のベンチにてメルトダウン。正直寝た気がしない、枕と環境が変わると眠りが浅くなるのが響いて来る。楽しい時間も刻一刻と過ぎ去っていく、まだ喋り足りないことが沢山あるが口に出して公共の場で言う事でもないからそっと呑み込んだ。

メロンブックス、羅針盤、適当な書店を回り時間をつぶし2人と合流し公園をブラブラと散策。飯を食いつつ原っぱに座りボドゲをやりつつペットボトルを傾けて一気に胃に流し込む、照り付ける日差しが熱く、肌に纏わり付く空気はしつこかった。1人後から合流し人混みを歩き何往復もシャトルランのように行ったり来たり、美味しそうな匂いと活気に満ち溢れた空間、普段出不精の俺にとっては活力の濁流だった。

場所を移して帰りの電車の時間までボドゲ、白熱した序盤とは打って変わり泥沼と化し各々唸っていた、だが神の一手で勝負が決まり荷物を纏め別れのハグをし約束を交わした。また会う事を言葉で交わして後にした、改札を抜けて電車に乗った瞬間、終わったのだと実感が込み上げてきた。ガタンゴトンと揺られ、席に座り眠り気が付けば地元の土を踏んでいた。

絶対に忘れられないイベント、最高の瞬間、燃え滾った炎のように今でも体は、あの時、あの瞬間にいた熱を覚えている。また味わいたい、でも今度は未知との遭遇ではなく、既知のとの遭遇になりそうだけども。次はもっと楽しい時間をもっと長く過ごせることを祈って、感謝。

追伸

お土産なまら美味しかった✌



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