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解熱鎮痛剤の王:ロキソニンシリーズの解説(1)

いよいよ解熱鎮痛剤の真打の登場だ

ドラッグストア等で売っている解熱鎮痛剤にはたくさんの種類があります。
ブランドだけで思い浮かぶのは7、8個、それぞれがシリーズ化されているので、個数だけでいえば40個前後はあろうかと思います。

さて、どれを選ぼうか

解熱鎮痛剤の種類の多さに圧倒されて途方に暮れてしまったら、次の言葉を思い出してください。

解熱鎮痛剤は箱の裏に書いてある「成分表」を見ればいいんだっけ?

解熱鎮痛剤の覚えるべき有効成分はたったの3つだけです。
後は鎮痛補助成分や胃をまもる成分の組み合わせで、それらはたいして重要ではありません。
過去記事にも書きましたが、市販薬における覚えるべき解熱鎮痛成分はこの3つです。

・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
・ロキソプロフェン

3つの内2つはすでに解説しました。
本日は、お待たせしました。
いよいよ解熱鎮痛剤の真打が登場します。

ロキソニンとロキソプロフェン

欧米、特にアメリカにおいて解熱鎮痛剤といえば「タイレノール」が有名で、アメリカに行ったことがない私でも知っています。
一方で日本において解熱鎮痛剤といえばなにか。イブかバファリンか。いいえ、違います。

ロキソニンです

2022年の解熱鎮痛剤のアンケート


●ロキソニンS 12錠709円
以下成分1錠中
・ロキソプロフェンナトリウム水和物60mg
(以下ロキソプロフェン)
作用は炎症や痛みのもとをおさえます

・用法用量、その他
1回1錠、1日3回まで
症状があらわれたとき及び空腹時はさけて、服用間隔は4時間以上おいてください
1、2回服用しても症状がよくならないときは服用を中止して、医師や薬剤師にご相談ください
長期連用しないでください
※3~5日間服用しても症状が繰り返される場合は医師の診療を受けてください

そして大事なロキソニンSを使ってはいけない人たち

・ロキソニンSシリーズでアレルギー、ぜん息を起こしたことがある人
・15歳未満の小児
・出産予定日12週以内の妊婦
・医療機関で次の治療を受けている人
心臓病、肝臓病、腎臓病
胃・十二指腸潰瘍、血液の病気
その他注意事項は各自でご確認ください

ロキソニン唯一の欠点

さすが「第一類医薬品」です。
私はこれまでイブやバファリン等解説してきましたが、いずれも「指定第二類医薬」でした。
それらには以下の注意事項はありません。

・1、2回で症状がよくならない場合は医師や薬剤師に相談する
・3~5日間服用しても症状が繰り返される場合は医師の診察を受ける

先日、歯医者で痛み止めとしてロキソニンを処方されましたが、受付の女性に何の説明もなく渡されました(もちろん彼女は薬剤師ではない)。
それでもいいと思った(早く帰りたかったし)。
私の知るかぎり、ロキソニンはアセトアミノフェンほどではないにしても比較的安全だという認識だったからです。

ちなみに私の持病はがっつり「消化性潰瘍」に当てはまるのですが、手術後の痛み止めで「ロキソプロフェン60mg」を処方されましたが大丈夫でした。

解熱鎮痛剤でロキソニンが有名なのは何もバファリンのようにテレビCMで頻繁に放送されたからではありません。
私の例のように実際の医療現場で、しかも手術後の痛み止めとして選ばれているからなんですよね。

上記「ロキソニンS」は医療用医薬品の「ロキソニン」と同じ成分、同じ成分量です。
それが長所であり、また欠点でもあります。

ロキソニンは薬剤師がいなければ買えません

先日のドラッグストアの視察ではお昼時ということもあってか、ロキソニンの商品の前にポップのようなもので次のような説明がされていました。

「現在、薬剤師が不在のためこの商品はお買い上げいただけません」

たぶん薬剤師が昼休憩だったのでしょう、
そしてその店舗では薬剤師が一人だけだったのでしょう。

個人的には解熱鎮痛剤はロキソニン、解熱だけならアセトアミノフェンでいいと思います。
それでもイブやバファリンを紹介してきたのはこのように「買えない」ときがあるからです。

採用面接等の定番の質問に次のようなものがあります。

「あなたの長所と短所を教えてください」

薬には効果と副作用があるように、完全無欠だと思っていたロキソニンでさえ欠点があるように、長所と短所はコインの裏表です。
どんなものにも、どんな人でも長所があれば短所がある。
それを理解して付き合っていくしかありませんよね。

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