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解熱鎮痛剤の四皇:アセトアミノフェン単剤

解熱鎮痛剤の四皇とは

タイトルをいつのころからか(バファリン解説のあたりから?)「四皇」という言葉を使っています。
市販の解熱鎮痛剤にとってこの「四」が覚えるべきキーワードであり、四のつく漢数字なら四皇だろうが四天王だろうがなんだっていいわけです。

現在、イブやバファリンなど各製薬会社より差別化されたパッケージで、様々な解熱鎮痛剤が販売されています。
その数はドラッグストアの棚の上から下まで埋め尽くすほどの種類がある。
しかし私の記事を今日まで読み続けてくれた読者ならすでにおわかりのように、解熱鎮痛剤はたくさんの種類があっても主成分はたったの3つだけです。

・ロキソプロフェン
・イブプロフェン
・アセトアミノフェン

アスピリンは歴史のある有名な解熱鎮痛剤ですが、現在は日本であまり使われていません。
それはイブプロフェンロキソプロフェンのほうが効果が高く、しかも副作用が少ないならあえて危険を冒してまでアスピリンを使う必要はありません。

主成分は3つなのに解熱鎮痛剤が4つだと整合性は取れていませんが、その原因は「バファリン」にあります。

バファリンが途中で路線変更したためです

バファリンの名前の由来はアスピリンを緩和する。
しばらくはアスピリンと胃にやさしい成分の同時配合で販売していましたが、バファリンプレミアムから「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」の同時配合になりました。
アスピリンだろうがイブプロフェンだろうが、いずれにしても解熱鎮痛剤においてバファリンシリーズはトップブランドです。
よって私の個人的見解ですが、解熱鎮痛剤を以下のように分類しました。

・ロキソニンシリーズ(今後投稿予定)
・イブシリーズ
・バファリンシリーズ
・アセトアミノフェン単剤

解熱鎮痛剤においてこの4つのシリーズを覚えておけば、あとは鎮痛補助成分だったり胃を守る成分の組み合わせだけです。
他のブランドが来たところでパッケージに表記されている鎮痛成分をみれば見慣れた成分に安心します。
ブランドキャッチコピーに惑わされずに、自分の探している解熱鎮痛剤にきっとめぐり会えるでしょう。

アセトアミノフェン単剤商品

●バファリンルナj

ルナjはアセトアミノフェン1錠100mgで7歳から服用できる解熱鎮痛剤です。
詳細は前回の記事で解説しましたのでここでは割愛しますが、一点だけ追加解説があります。

ルナjは7歳から、リングルNは5歳から服用できる
同成分、同成分量なのにこの違いは何?

前回の記事では「不明」としましたが、その理由がわかりました。

リングルNは小粒で飲み込みやすい

錠剤の大きさがルナjよりリングルNのほうが小さいらしいのです。
大人でも錠剤が大きいと飲み込むのに苦労するし、実際に私が現在服用している錠剤も大きいので飲み込むのに最初は苦労しました。

リングルNやるじゃん!

リングルNの評価が若干あがりましたが、無水カフェインは必要ありません(個人的見解です)。
イブプロフェンは単剤で商品化したのに、なぜアセトアミノフェンは単剤でなく無水カフェインを入れたのか。
効果が弱いからそれを補助する目的で入れたのだと推察しますが、だったら大人用にかぎってすべきだったと個人的には思います。

●タイレノールA

●タイレノールA 10錠806円(参考価格)

以下成分1錠中
・アセトアミノフェン300mg
作用は熱を下げる、痛みを和らげる

・用法用量、その他
1回1錠、1日3回まで
15歳未満は服用しないでください
空腹時に服用できますが、かぜによる悪寒、発熱時はなるべく空腹時をさけてください
服用間隔は4時間以上おいてください
5、6回服用しても症状がよくならないときは服用を中止して、医師や薬剤師にご相談ください
長期連用しないでください

●ラックル

アマゾンリンクは貼りません


●ラックル 12錠1045円(参考価格)

以下成分1錠中
・アセトアミノフェン300mg

・用法用量、その他
1回1錠、1日3回を限度とします
空腹時をさけて、かみくだくか口の中で溶かしたあとに水と一緒に服用してください
服用間隔は4時間以上おいてください
15歳未満は服用しないでください
5、6回服用しても症状がよくならないときは服用を中止して、医師や薬剤師にご相談ください
長期連用しないでください

そして大事なタイレノールA、ラックルを服用してはいけない人たち

・タイレノールAやラックルによりアレルギーやぜん息を起こしたことがある人
・(ラックルのみ)フェニルケトン尿症の人
その他注意事項は各自でご確認ください

タイレノールとラックル、そしてカロナール

タイレノールは当時のバファリン同様に海外(アメリカ?)から輸入した医薬品です。
タイレノールは欧米、特にアメリカでは日本でいうロキソニン並に知名度抜群の解熱鎮痛剤です。
商品紹介でもアセトアミノフェンの効果をわかりやすく解説していて、おかしな記載は特に見当たりません。
おかしな記載、とあえて表現したのは、ラックルには「?」と思える記載がいくつか見当たるからです。

1.ラックルは早く効く
ラックルは「速溶錠」とパッケージにあるように水に触れるとすぐに溶け出す錠剤のようです。
これは胃で溶けるより速く効果が現れるのでこの点は評価できます。
そしてラックルはタイレノールと違い日本企業なので「ガンバレ!」と応援したかったのですが、速溶錠の前にある単語、そしてその説明に「?」となったのです。

2.ラックルは腰痛、神経痛に早く効く?
以下ラックルのメーカーページからの抜粋です。

「アセトアミノフェンは日本及び欧米のガイドラインで、腰痛の第一選択薬として推奨されています。」

これが本当ならばなぜタイレノールやルナjは腰痛推しをしないのでしょうか。
イブやバファリンは「痛みのもと」に作用する鎮痛成分なので頭痛や生理痛に効くというのはわかります。

でもアセトアミノフェンは痛みのもとでなく、「脳の中枢」に作用して痛みを感じにくくする鎮痛成分だったはず。
ラックルが腰痛や神経痛にここまで自信を持つ理由が私にはわかりません。

私は腰痛持ちなので何度か整形外科へ受診に行きましたが、処方されたのは湿布薬でありアセトアミノフェンではありませんでした。
飲み薬を希望すればロキソニンやボルタレンだったでしょう。

アセトアミノフェンは子供や妊婦でも服用できる貴重な解熱鎮痛薬だということは理解していますが、腰痛の第一選択薬というのは初めて聞きました。

3.同じ成分なのに価格が1.5倍?
ラックルには実は同一成分の薬がもう一つあります。

もちろんアマゾンリンクは貼りません

●腰痛、神経痛に早く効くラックル速溶錠 12錠1045円
●ワクチンによる注射後の痛み、頭痛、発熱にラックル速溶錠 6錠770円

どちらもアセトアミノフェン1錠300mgの解熱鎮痛剤です。
前者では腰痛推し、後者では同じ成分なのに頭痛発熱推しになっています。しかも価格が約1.5倍違う。
私には双方の違いがわかりませんし、このような弱い立場の人に高く売りつける手法を好みません。

個人的な主観ですが私はこうした事実を踏まえてラックルがあってもタイレノールやルナj、あるいはアセトアミノフェン単体のプライベートブランドを選びます。

カロナールはどこに売ってる?

ワクチン接種後の発熱や痛みへの薬としてカロナールはテレビでも報道されて一躍「時の人(薬)」となり、「在庫切れ」や「出荷調整」の単語がよく耳に飛び込んできたのは私だけではないはずです。

報道を見て手に入らないのではないかと心配してドラッグストアや薬局へ行ってもカロナールは売っていません。
でも安心してください。

カロナールは医療用医薬品です

病院を受診して、処方箋がなければ買えない薬なので、タイレノールなどと同じ棚には置いていないだけです。

そしてカロナールはタイレノールやルナjと同じ「アセトアミノフェン単剤」です。
医療用だと医者の診断によって変わってきますが、アセトアミノフェンの「量」だけが違います。
だからカロナールがたとえ在庫がなくてもタイレノールがあるし、ルナjもある。アセトアミノフェン単剤のプライベートブランドもあります。
心配には及びません。

本記事の最後に

私はラックル速溶錠を選びませんが、それは現時点での個人的見解によるものです。
ラックルに絶大な信頼を置いている人はエックス内でも散見されますし、それはそれでいいと思う。

薬は安全に、そして症状に効果があることが重要なのであり、それは多分に個人差があります。
明日以降にもしかしたらラックルの気づかなかった、新しい発見があるかもしれません。
そのときは追ってお知らせしたいと思います。

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