年末年始、家族や恋人、友人と、お話会をやろう

年末年始、家族やパートナー、気心の知れた友人たちと集まるゆっくりした時間にぜひお勧めなのが「お話会」です。 お話会は、私が主宰している「もぐら会」という集まりで毎月行っているもので、話すこと、聞くことを通じて、自分を深く掘っていくための時間です。通常は、10~20人ほどがオンラインまたはオフラインで集まって、一人ずつ順番にその日の体調と、直近1ヶ月の出来事や、その日話したいこと、なんでも、話したいだけ話していきます。

それだけのことといえばそれだけのことなんですが、あらたまった場が用意されることで、初めて出てくる言葉や思いがあります。また、人との繋がりの中で話すことで、間接的に他人の力を借りて、自分でも気づかなかったような言葉が自分から発掘されることがあります。

近しい間だからこそ軽視しがちな「聞く」「話す」を、年末年始のこの時期に、あらためて丁寧にやってみてはいかがでしょうか。


【お話会のやりかた】

1 最初に話す人を決める(これはじゃんけんでもなんでもいいです)。
2 話す人は、今日の体調と、この1年の出来事や、今どうしても話したいこと、言葉にしたいことなどを、自由に、好きなだけ話す。
3 話し終えたら、聞いている人は拍手。話し終えた人は次の人を指名する。
4 指名された人は「ご指名ありがとうございます」と言って2以降を繰り返す。
5 全員話し終えて、まだ深まりそうならば、2ターン目、3ターン目をやっても良いです!(※もぐら会では通常は1ターンで終わります)

【話すときに大事なこと】
・うまく話そうとせず、正直な言葉を探す
・無言、空白の時間を恐れない
・ゆっくり、考えながら話す

【聞くときに大事なこと】
・他人の話を大切にする(家族も恋人も友人も自分以外はみんな他人です)
・誰かが話している最中には絶対に口を挟まない
・誰かが話したことを絶対に否定しない
・不安を吐露した人を励まそうとしたり、ポジティブに転換させようとしない

我が家でも定期的にお話会をやっています。今日も、たまたま家族が揃ったので、つい先ほど4人でやりました。我が家は普段からかなり会話が多い家なんですが、それでも、お話会をやると、子供が実はこんなことを思っていたのか、こんなふうに生活していたのか、と驚かされることがたくさんあります。また子供にとってもお話会は、お母さんやお父さんが、お母さんやお父さんでない一人の人間として何を考え、どう生きているかを垣間見る貴重な機会となります。ですので、身近な人とお話会をやってみる際には、立場や上下の関係性になるべく囚われず、親でも子供でもない、彼でも彼女でもない、ひとりの人間としてとして、話して、聞くということを心がけましょう。

特に親子でお話会をやる場合、親はつい子供の話につい口を挟みたくなることもあるかもしれません。が、そこはぐっと我慢しましょう。成長過程に芽生える思考や感情を、親の力で無理矢理完成させようなどと傲慢にならず、そのまま受け止めていきましょう。お話会で誰かが話した内容に口を挟んだり、否定したり、話の内容をコントロールしようとしたりすると、お話会が正直な言葉を出せない場になってしまい、会の意味がなくなる上、口を出された人が次のお話会に参加したくなくなってしまうかもしれません。明らかに異論があることを誰かが言ったときには、どうしてこの人はこう思っているんだろう、どうして自分はそう思わないんだろうと、相手と自分が見ている風景を心の中で比較するなどして、自分の方を掘り下げていきましょう。

以下は、もぐら会でお話会前に、毎回必ず読んでいる文章です。お話会の前にこれを読んでもらっても良いかもしれません。

お話会は、話すこと、聞くことを通じて、自分を深く掘っていくための時間です。
自分の中にある正直な言葉を取り出し、他人に託すことは、いつだって勇気を必要とします。なぜならひとたび他人に託した言葉は、その瞬間から自分の体を離れ、自分だけのものではなくなってしまうからです。ですから、この場では言いたくないことを無理に言う必要はありません。自分だけのものとして大切にしたい言葉は、どうか自分の中にとっておいてください。もしも今日この場や、ここに集まった人たちを信頼できる、信頼したい気持ちになったら、正直な言葉を託してください。
また聞くときには、話す人への共感や労りの気持ちだけでなく、他人の体験の中にある、あなた自身の姿も探してみてください。

みなさまのお話会が、充実したものとなることを願っています。


#もぐら会 #お話会



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