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離婚しないという選択

平成も残り少なくなっていた。ネットニュースには、"平成最後の◯◯"とか、そういうものばかり。その中で私の目にパッと入ったのが、「ユースケサンタマリア離婚」の記事だった。

「ゆーすけさん、離婚したんだ…"平成から令和に持ち越したくなかった"…か。。」

羨ましいと思った。結局、私は離婚しなかった。いや、”出来ていない”という表現の方が正しいかもしれない。

夫が家を出て行った日から、"離婚"のこの2文字を考えない日はない。もちろん今でも。時には、”離婚したくない”と思ったり、時には、”離婚したいと”思ったり。ほとほと考えるのに疲れてしまったが、”あの頃”もらったアドバイス通り、最終的な決断は、慎重にしたいと思っている。ただ、相手(夫)がいる事なので、もちろん私の独断だけで決められることではなく、私が「離婚したい」と伝えた時に、夫が応じてくれるかは、また別問題だ。

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夫の不倫が分かった瞬間、動揺を隠せなかった。騒ぎ立てたい気持ちを必死に抑え、知り得たことを夫には隠し、警察っぽく言えば、夫を泳がせながら、不倫の証拠を掴むために夫の言動を記録していった。(探偵を雇いたかったけど、そんなお金がなかったので、情報提供してくれた先輩に協力してもらった)

主に、日記を付けること。帰ってきた時間と、その様子。"◯月◯日 午前1時 酔って帰宅" それをただ続けていた。(少し前の時代なら携帯を覗いたんだろうけど、今の携帯はセキュリティが高くてそんなこと無理。) 先輩の協力もあって分かったことは、クリスマスやバレンタインデー、彼女の誕生日、夫の誕生日、など、イベントがある日は必ず会っているということ。

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同時進行で、私自身どうしたいのか…、信頼している友人や専門家に相談しながら、自分の気持ちと向き合った。友人たちは決まって離婚を勧めた。夫は浮気だけではなく、モラスハラスメントもあったので、それを心配してくれたようだった。専門家(弁護士や行政機関のカウンセラー)は、私が我慢できるなら離婚はやめたほうが良いと言った。経済的な理由で。私も色々と調べたが、シングルマザーになるということは本当に大変なことだった。

夫の不倫を知った時、夜中にひっそりと泣いていた。裏切られたと思った。人生の最大のパートナーだと思っていたのは、私だけだったのだ。悲しかった。私が離婚を切り出せば離婚になるだろうし、切り出さなければ離婚にはならないだろうという、そういう状況だった。この苦しい状況から抜け出したくて、離婚を考えた。しかし、離婚した後のことを考えると、ただただ息子に申し訳なかった。温かい家庭で育ててあげたいと思った。

仲良し家族とまではいかないが、せめて両親の愛を一心に受けて育って欲しい。息子のためにも、離婚を切り出すのはやめた。


この続きはまた後で。

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