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千住博展・感想

行ってきました。千住博展

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私の大好きなグループ、BTSのリーダーRMが、インタビューの中で千住博が好きと言っていたのを知ったのがきっかけ。(anan No.2158号参照。余談ですが、私は通常版・限定版両方買いました。)

千住博の作品が一気に見ることが出来る、千住博美術館は、軽井沢にあるので、大阪住みの私にとって、ちょっと遠いなあと二の足を踏んでいたところ、なんとそのお隣、神戸で特別展をやると聞きつけ、これは行くしかないと心を決めていました。

事前に調べたところ、神戸ゆかりの美術館と、神戸ファッション美術館、二つの会場で開催と書いてあったので、場所が離れているのか?と思いながら行ったのですが、実際は一つの建物の中にあり、ただ展示する場所が異なるだけでした。



まずは最初、神戸ゆかりの美術館の方へ。
こちらの空間では、高野山金剛峯寺の襖絵がメインで展示されています。

入ってすぐ現れるのが、そのメイン作品。「瀧図」

コの字型に作品が並んでいて、ちょうど全体を見渡せる位置にソファがあり、座ってぼんやりと見ていたのですが、何となく、滝というから上から下に降りていく、水の流れが、逆に下から上に上がっていくように見えたんですね。


いくつか滝を見た事がありますが、特に印象強かったのは、静岡に遊びに行った時に見た白糸の滝と、オーストラリアにあるパロネラパークで見た滝。

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これは白糸の滝。ここに行ったのが3年前。天気にも恵まれ、透き通る水の綺麗さにも驚いた記憶があります。

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こちらはパロネラパーク内にある、大きな滝。多分、ミーナの滝。

特にこの滝は、水が流れている音が、ドライヤーの音のように大きく、あまりにも勢いが強くて、水蒸気?がふわーっと上に上がっている様が印象的でした。水の流れが強いと、こうなるんだ。と、見たことのない現象だったので、覚えています。

まさに、その現象が、千住博の滝にはあったんです。しかも、距離を置いて、遠く離れた位置からぼんやりと見ていると、目の焦点も不確かになり、よりそれがはっきり見えてきて、私もびっくり。

今回の展示会には土曜日の昼間に行ったのにも関わらず、幸いなことに、見にくる人が少なかったため、ほぼ貸切状態で見ることができました。そのお陰で、絵の前に誰もいない、あるのは絵と私だけ、という空間に身を置くことができて、そして、この不思議な体験ができました。

通常だったら、こんな経験は滅多に出来ないです。美術館で、人を見ないようにしようとしても、どうしても絵との距離感が近くなってしまうし、何ならどうしたって、周りにいる人は視界に入ります。ラッキーだったとしか言えない機会でした。


続いて、神戸ファッション美術館の方へ。

こちらには、千住博の20代の頃の作品から揃っていて、彼の画家人生を垣間見ることができます。滝の絵を描き続けている印象が強かったのですが、実は人物画や、建物といった風景も書いていたという。驚き。

そして、何よりも!これは先ほどの「瀧図」と同じくらい、感動した作品があるのです。

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それがまさしくこちら。「龍神」

この作品が展示されているエリアに足を踏み入れた時、別の空間に飛ばされたのか?と思わず疑ってしまうくらい、この青を見た瞬間、一気に作品に引き込まれました。

蛍光塗料を使っているため、ブラックライトを当てるとこのように青く光る仕組みとなっています。なので、それが無いとこんな感じに。

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これもまたこれで、迫力のある瀧で、圧倒されてしまいました。よくこんなこと思いついたなーと。千住博はこういう、現代の技術と言えばいいのでしょうか、そんなものも作品に取り入れて、自分のものにしてしまっているところが凄いところです。

このエリアは唯一の撮影可能エリアなのですが、動画は禁止となっています。この変化する瞬間が感動するのに!ぜひ見て欲しい!



家に帰ってから、youtubeで千住博のインタビュー動画や、彼がラジオでゲストとして出演した回など、様々なものを見たり、展覧会のパンフレットを読んだりして、千住博の考えに触れると、さらに作品が面白く感じられます。

こういう意図で作っているんだ、とか、こういう考えを持った人がこの作品を作ったのか、と考えを巡らせることが出来るから。

千住博自身の考え方も、聞いていてとても面白いです。「人間みんな生まれた時は芸術家」とか「何とかして伝えたい、そしてそれを伝えるのが芸術」とか。

ニューヨークに拠点を持ち、世界と相手をしているからこそ、広い視点を持っていて、また、日本についてよく考えられていて、参考になります。


何はともあれ、日本を代表する芸術家の作品を直に見れて良かった。

11月4日までやっていますので、よろしければ。





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