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妊娠ではじまった感情の揺れ/効率と幸せ/半信半疑な、いのちの存在

この投稿内容は、過去私が紙の日記に残していたものを回顧しているものです。詳しくはこちら

9/19(火) | 妊娠2か月【5週】

妊娠したらしい。検査薬で陽性が出た24時間後、産婦人科で検査すると「早期流産の可能性がある」と告げられるという。。人生で経験したことのない感情や気持ちに振り回されてるよ。流産の「可能性」だから、少しは信じているけど。

28時間くらい前は検査薬で陽性が出たらハッピーな未来が待っているものだと思ってたから、不安や期待のジェットコースターだなんて1ミリも覚悟していなかった。妊娠って不安の塊だ。こんな経験ができていることにおもしろがりつつ、葉酸飲みはじめて、できることを精一杯やっていこう。

9/28(土) | 妊娠2か月【6週】

意外とこの生活を始めて10日も経つ。6wに入って、なんとかまだ妊娠中。車酔いの余韻みたいな悪阻が1日の大半で、しんどい。急に普通の暮らしができなくなって、マイノリティの人たちの気持ちを痛感している。

電車もエスカレーターも乗ってるだけで酔うから、揺れないでほしいし、会社でも急に気分が悪くなるけど急に横になるわけにもいかないし、「イケイケどんどん」な会社やお客さんの士気を下げたくない。

これは資本主義の失敗だ、、と最近考える。売上とか効率だけを求めていたら、人とのつながりなんていらないし、コケたら死ぬしかない。

みんなが自分らしく幸せでいるなんて、すごく非効率なんだよね。何も数字にもならない。それでも資本主義の時代に生まれてきてしまって、その仕組みの中で生活しているから、抗うこともできないんだけどもさ。

それにしても、世の中まあまあ幸せで健康に暮らせてる人中心に設計されてるんだなって今になってよくわかる。わたしも体はだいぶ丈夫なほうで、生理痛もそこまで重くなかったから、知らずにいてごめんなさいの気持ち。こんなに体の仕組みとして女性が抱えるものが大きいとは知らなかった。

妊娠は保険適用外であることととか、不調の原因は悪阻だけじゃないこととか、生理だってみんな我慢しながら頑張ってることとか、一般常識として、徳川家康くらいの知名度があっていいはずだ。

女性の中にもいろいろあるとは思うけどさ、人口の半分が女性で、きっと35%くらいは頑張って我慢している。経済成長・効率を求める世の中はそんなにすぐには変わらないと思うけど、コケても安全だ、と信じられる場所は必要だよ。のど元過ぎれば熱さ忘れるんだろうな。

だから35%が頑張ってても65%に負けちゃうのかな。わたしも忘れちゃうんだろうけど、だからこそ残しておかないといけない。

色々考えさせてもらって、来てくれた命にありがとうだな。体調不良しか感じるものはなくて、まだなんの母性も覚悟もないけど。

10/4(水) | 妊娠2か月【7週】

夜は体調が安定する気がする。妊娠が日常になりつつあり、不思議な気分。それでも日記を開きたくなるのは、不安があるから。日記に書くことがない、というのはなんかわたしの中で1つピースが外れているような感覚があるから、ちょっと不安定くらいがちょうどいいのかもしれないな。

このまま生んじゃうのかな。「流産の可能性」を早めに突き付けられたから、まだ半信半疑。今この瞬間心臓が止まっているかもしれないし、生まれてこない命かもしれない。

まあでもきっと誰しもそう。わたしも夫も親も、数秒後に死ぬかもしれないし、今家にいない夫や親はもう死んでるかもしれない。信じられるのは、今この瞬間わたしは生きているということだけ。未来がどうか、というより、今この瞬間をありのまま大事にしていこう。

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