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皇室の名宝

京都国立博物館で開催中の、皇室の名宝展へ行ってきた。令和天皇の即位記念の特別展ということで、宮内庁 三の丸尚蔵館に収蔵された数々のお宝を見るみることができる貴重な展覧会だった。

目玉の1つは、恐らく誰もが歴史の教科書で目にしたことがある、元寇の様子を描いた絵巻物、蒙古襲来絵詞。もちろんカメラもビデオもないし、ジャーナリストもいない鎌倉時代、実際に蒙古軍と戦った肥後国の竹崎季長(たけざきすえなが)という武士が記録のために、戦いの様子を絵師に描かせた絵巻物で、当時の武器や戦法を知る貴重な資料となっている。季長が戦いのあと鎌倉幕府に赴き、自身の功績をアピールして報酬を要求する、というシーンまでちゃんと描かれてあって面白かった。

展示の中で印象に残っているのは、海北友松(かいほくゆうしょう)が描いた、浜松図屏風。秀吉は、正親町天皇の孫、八条宮智仁親王を養子に取る予定だったが、自分の息子が生まれたため、養子の話はご破算となる。秀吉は親王に気遣って、新しい宮家 桂宮家を創設し、お屋敷を作ってあげたそう。そのお屋敷に飾るため、親交のあった海北友松に描かせたのが、この浜松図屏風。とても迫力のある

もう1つ、よかったのは狩野探幽の源氏物語図屏風。源氏物語の中の有名なシーンの数々が、金の雲の間に描かれている。これは、八条宮第二代智忠親王に嫁いだ富姫の嫁入り道具らしい。屏風の縁には、桃と葵の紋が入っていて、まさに嫁入り道具らしいかわいらしさ。

貴重なものをたくさん見過ぎて、感覚がマヒしそうでした。最後のほうはもう、ちょっとやそっとの重要文化財じゃ驚かなくなってしまった。

後期日程では、展示が変わるのでまた行ってみたい。

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