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Next Elevenって何?

“経済”を少しずつ知るマガジン

経済について少しずつ知っていくためのマガジン。


Next Elevenとは

Next Eleven(ネクスト11)とは、ゴールドマン・サックス社が提唱(※5)している、BRICsに続き成長が期待できる新興国のグループ。ゴールドマン・サックス・グループ経済調査部のレポート「More than an Acronym(2007年3月)」内で、2050年までにネクスト11のGDPは、G7の3分の2に達する可能性があると記載されています。構成国は以下の通り。

  1. ベトナム

  2. 韓国

  3. インドネシア

  4. フィリピン

  5. バングラデシュ

  6. パキスタン

  7. イラン

  8. エジプト

  9. トルコ

  10. ナイジェリア

  11. メキシコ

ベトナム、韓国、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、エジプト、トルコ、ナイジェリア、メキシコの11カ国が挙げられています。


概要

NEXT 11(Next Eleven 略称: N-11 ※"NEXT11"は日本独自表記)は、米投資銀行のゴールドマン・サックスおよびゴールドマン・サックスの経済学者ジム・オニール(Jim O'Neill)が研究論文において、BRICs諸国に次いで21世紀有数の経済大国に成長する高い潜在性があるとした11か国の総称です。

2005年12月12日、ゴールドマン・サックスは、投資および将来成長への有望な前途でこれら主権国家を選出しました。2011年末、Next Elevenで最も傑出した4か国であるインドネシア、トルコ、メキシコ、大韓民国のみで、NEXT11全体のGDPのうち73%を計上しました。BRICとして提唱されたブラジル、ロシア、インド、中国のGDP合計は13.5兆米ドルであった一方、MINTとして提唱されたメキシコ、インドネシア、ナイジェリア、トルコのGDP合計は3.9兆米ドルでBRICのGDP合計のほぼ30%でした。

ゴールドマン・サックスが用いた基準は、マクロ経済の安定性、政治の成熟度、貿易および投資政策の開放性、教育の質でした。Next Elevenの論文は、2003年のブラジル、ロシア、インド、中国を挙げたBRICの補足論文でした。

BRICsが、広大な国土と人口を持ち、資源にも恵まれているという共通点があるのに対し、N-11の国々は、国土の大きさも人口もさまざまで、その点では共通点を見出すことが出来ません。経済力においても、1970年代から80年代にかけ急成長を見せ、NIES(新興工業経済地域)や「準先進国」に分類されてきたトルコ、メキシコ、韓国、2000年代になってから安定した経済成長が続き新興国として挙げられることが多いインドネシア、フィリピン、ベトナムのASEAN諸国が含まれている一方で、多くの貧困と食糧難で苦しむパキスタン、また後発開発途上国の一つであるバングラデシュも含まれており、高度経済成長の真っ只中にあるBRICs諸国とは大きくことなります。

また、2050年の人口を見ると、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュのように、ほぼ倍増する国々があるのに対し、韓国のように減少する国も存在しています。

唯一の共通点は、規制緩和政策によって外資の流入が始まっていること。これにより各国は、2050年までに飛躍的にGDPを増加させると予測されています。しかし、BRICsよりも深刻な政治的あるいは地理的な面で不安定要素を抱えている国が多いことも事実で、例えばイランでは、核開発などにおいて先進国と対立する姿勢を強めているほか、パキスタンはカシミール紛争が解決を見ておらず、ナイジェリアは内戦状態から脱しきれていません。バングラデシュはインフラが貧弱なことから自然災害の度に甚大な被害が出ています。これらにより、安定成長を阻む大きなリスクとなる恐れも指摘されています。それでも、2030年までにNEXT11の経済規模はEUのそれを上回ると予想されています(※3)


参照

※1

※2

※3

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