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2023年ベストアルバム選んだ記


々のnoteです。
あまりに久々すぎてnoteの仕様が所々変わっていたのですが、概ね使いやすくなっているのでけっこう快適に一気に書き切れました。

さて今年2023年も残りあとわずか。1年の過ぎる体感がやばいスピードになり、もう今年も年間ベスト選ばないといけないのか??と義務でもないのに勝手に急かされる時期になりましたが、ついに先日 2023年ベストアルバムを選び終えTwitter(現X)への投稿も完了し、これですっきり年末を迎えられる~となったのですが、せっかくなので選んだ理由やエピソードを残しておくか!思い立ち書いてみました。
※普通順位付けは10位から発表するものですが、もう順位バレしているので1位から記載しています。

後半部にはベストアルバムから惜しくも漏れたアルバムや曲から勝手にいくつか賞を作って選んでいますので、最後までそれなりに楽しめるようにしたつもりです。
それでは。




■2023年マイベストアルバム(邦楽)


1位. 君島大空 『no public sounds』

今年のベストアルバムを選ぶにあたり自分の好みを重視して上位は比較的すんなり決まったのですが、その中でどれを1位にするかで決定打がなくかなり迷った末、最終的に君島大空くんの『no public sounds』を1位としましたー!!

理由としては君島くんは今年の1月にも『映帶する煙』というアルバム出しており(こちらのアルバムの方が好きというファンも多そう)、年に2枚も素晴らしいものを出してことを加味しての1位としました。12月の合奏ライブでサポートベースのKing Gnu 新井さんが「年2枚出すなんてとんでもないことだ!!」と激賞しておりましたな(King Gnuは4年に1枚ペースという自虐もあり)。

楽曲は先行でリリースされた2曲がまあ素晴らしい。『嵐』今までにないデジタルサウンドで"あ、こんなんもやっちゃうのね"という新たな衝撃を受け、次の『c r a z y』はかなりシンプルなバンドサウンドの曲で全然タイプは違うのですが、これまでより変態性が少し薄まりかなりキャッチーなメロディーラインを入れてきて芸術点の高さは維持しつつ大衆性も持たせたちょうどええバランスを見出しなと。

ライブ2回、森道市場でトリオ、ワンマン名古屋で合奏と、両形態で聴けたことを含め2023年のベストアルバム+MVPでした。

代表曲『遠視のコントラルト』のライブ映像が最高です。



2位. Chilli Beans. 『 Welcome to My Castle』

2位はChilli Beans.(以下チリビ)の『Welcome to My Castle』です!チリビは今年は2枚のEPが出ておりそのどちらもドストライクすぎたのですが、アルバムじゃないからベストアルバムには考えてなかったところにぎりぎり年内にアルバムリリースの情報が出てもう聴く前にベスト入り確定、今年僕の評価がバカ高いバンドです。

チリビは2021年にデビューしてからこのアルバムまでがわずか2年間でその成長曲線がすさまじく昨今のバンドだとKing Gnuやヒゲダンなんかと同じような売れ方していっても全然おかしくなと踏んでます。(世代的にはチャットモンチ―のデビュー当時とダブらせてしまいますが)。
今年も出す曲、出す曲から制作意欲やアイデアが溢れ出てきているのが伝わってきて音源だけでキラキラしてて眩しい~~となっているのですが、この眩しさは若さだけじゃなく音楽へのポジティブな初期衝動をうまくパッケージ出来ているだと思います。

そのあたりの技術的な所は3人ともYUI、綾香、家入レオを輩出している音楽塾ヴォイス出身で(最近はVaundyという特大ヒットを放っている学校)そこできちんと音楽の知識や技術経験を積めているのが大きいかと。
でこの音楽塾ヴォイス出身者の曲のこれまでの特徴がJ-POP王道路線のキャッチーで耳馴染のよい曲(ヒットチャートに乗りやすい)なのですが、短所として芸術性がちと低めといったところかなと。ただチリビはその音楽塾ヴォイスっぽさが先の人達よりかなり薄めで芸術性や初期衝動のようなものが上手くMIXされていて(おそらく3人で作詞作曲編曲ボーカルを分担しているのが大きそう)、奇蹟的なちょうどよいバランス(バランス好きだな…)が生まれているんだと分析しとります。

少し前のM-1グランプリで"霜降り明星"が若くして一気に優勝した時、審査員のナイツ塙さんが霜降りは「吉本の宝」だと評したように、Chilli Beans.は日本ポップス界の宝のようなバンドだと勝手に思ってます。

今年の森道市場で初めて観たライブ、客層が高校生くらいのめっちゃ若い子が大半でさすがに中年男性は肩身が狭かったですな(なのでワンマンも行きづらさあり…)。



3位. 藤井洋平 『Extasy』

藤井洋平みなさんご存知でしょうか?? 私は今年になるまで知りませんでした。。。知ったきっかけはceroの高城さんが森道市場(度々出てくる森道市場店)の帰りに藤井洋平の新曲を聴いたら、ceroチーム全員が一曲終わるたびに拍手あがるほど盛り上がって絶対聴くべし、というツイートを見たことがきっかけでした(藤井洋平もカクバリズム所属)。

僕は中学生の頃に兄の影響でプリンスにドハマりしてしまい、高校生からはそのプリンスの影響を受けまくっていた岡村靖幸にハマり、かなり歪んだ思春期を過ごしてきたのですが、そのプリンスと岡村靖幸の路線をこんなにド直球にかっこよく受け継いでいるアーティストがいたのかと驚いたと同時に"なんで今まで気づかなかったん??"と自分を責めました。

その理由として洋平ちゃんは今作が通算3枚目のアルバムなのですが、1stアルバムはサブスクになく(メルカリで購入しました)、2ndアルバム『Banana Games』(これはサブスクにあるので是非聴いて欲しい)のあと10年間も間隔が空いての今年新譜なのです!正直何して食ってたん?? 状態ですが…

とにかく超奇才な洋平ちゃんの今回のアルバム、前作から変わらず超グルーヴィーで適度??なセクシャリティ表現、ただ思ってたよりアルバムとしてまとまりのあるかなり良質なものに仕上がっており最高なのは保証できます。
とにかく岡村靖幸に理解のある人はみんな一度聴いてくれーー!!
ライドオン!!(洋平ちゃんの口癖



4位. 空気公団 『景色一空』

空気公団の新譜、フォロワーさんのツイートで知ったのですが、特に期待せず1周聴いてみたら "あ、これもう年間ベストですね" となったアルバムです。最終的には4位としましたが、音楽のクオリティだけでいうと1位でいいんじゃないかと今でも思ってます。

ただこれがどう凄いのか伝えるのがかなり難しいのですが、、簡単に言うと音楽の魔法がかかっているバンドだなと。基本的に淡々とした落ち着いたリズム(ベースが引っ張る感じ)の中に妙に感情を揺さぶってくるようなメロディ、コーラスとかいろんな仕掛けが散りばめられていて、とにかく"いいもの聴いたー!"といった気分にさせてくれます(タイプ的にはクラムボンが近いかな)。情報量が過剰でないのも僕が今求めてる感じで、過去のアルバムもこれからじっくり聴いていこうと思ってます。



5位. odol 『DISTANCE』

odol、これまで新譜はチェックしていてもその後ほとんどリピートすることはないバンドだったのですが、今作はやってくれました。これまではJR東海のCMのソフトで優しいバンドのイメージでしたが少しサウンドが開けてきて明らかに変わってきてます。
特にリード曲の『幽霊』がパーフェクトソングといってもよいほど好きな曲でU2の『With or Wihtout you』を連想しちゃいました。

ジャケットの写真は写真家の濱田英明さん(くるりとかコーネリアスとかとよく仕事されてる方)が北欧のアイスランドで撮った風景との事ですが、odolには本当に北欧の雰囲気を漂わせる貴重なバンドなので、これからどんどん評価が上がってくるはずと思っています。



6位 Homecomings 『New Neighbors』

ホムカミのこのアルバムは2023年の上半期ベストでもよく見かけてかなり評価されているアルバムなので、ぎりぎりまで(天邪鬼な)僕が選ばなくてもいいかな~などと思ってのですが、改めて聴きなおしてみると良質でストレスフリーな楽曲だけで構成されていてこの傑作アルバムを選ばないのは自分に嘘をつきすぎだろ!!と思いなおしランクインです。



7位. amazarashi 『永遠市』

amazarashiデビュー以来ずっと好きなのですが、ここに来て過去最高アルバム更新したと思います(これまでの個人的過去最高アルバムは『千年幸福論』)。
amazarashiの楽曲は基本的にはオーソドックスなJ-POP構造の作りなのですが、そこに秋田ひろむの思想、独特な声、異常な国語力による歌詞、やたらにドラマチックなアレンジなどを施すことで、かなり強い楽曲にパッケージされるというスタイルがデビュー以来ほぼ変わっておらず、毎回よくアイデアが尽きないな~と感心してしまうのですが(特に既発曲だった『アンチノミー』『カシオピア係留所』『スワイプ』とかもう感動するしかないだろ!といった名曲ぶり)、今回はそれがほんとに極まったなと。。
ただもういい加減このスタイルは最終回でいいんじゃね⁇ これ以上は無理だろ!!といった人気漫画連載後半の感情も湧いてきているのが正直なところです。



8位. Mom 『悲しい出来事 -THE OVERKILL-』

Momくんのこのアルバム、なんと全25曲約80分と今どきめずらしいロングアルバムで、普通のアルバムなら2枚分、EPなら5枚分にもできそうなボリュームなのに1枚のアルバムにしてしまうあたりがMomくんらしいです。
でこの25曲が捨て曲なしの全ていい曲というかなりクレイジーな仕上がりで、逆に曲のクオリティにデコボコがなさすぎて聴いたあとにこの曲がよかった!みたいなのが残らないというこれまた謎の損を計上していてそこもMomくんらしいです。

Momくんといえばコンセプチュアルなアルバム『21st Century Cultboi Ride a Sk8board』が素晴らしかったですが(音楽好きの間でもけっこう評価されてましたが)、その後のアルバムではそれほど話題にならず(私の体感です)…今作でまたコンセプトをはっきりさせたアルバム(映画のサントラのような作品)で傑作が生まれたことから、コンセプトがあった方がいいもの作れるミュージシャンなのが確定しました。そういったところは僕の大好きなドレスコーズ志磨さんと似てるので、やっぱり好きなアーティストだと再確認しました。



9位. PEDRO 『赴くままに、胃の向くままに』

PEDROは元BiSHのアユニ・Dのソロプロジェクト(3ピースバンド形態)とのことですが、実はわたくしBiSHにはほぼハマっておらずアユニ・Dのことも名前くらいしか知らず、まあアイドルの子がちょっと企画物でバンドもやってるんだ~くらいの感覚だったのですが、大変間違っておりました!!!失礼しました!!!

今年偶然ライブ映像でベースを弾きながら歌うアユニ・Dを観て、あ、この子めちゃくちゃ内面がロックな子だ!と確信し、作詞作曲もしてるしギターは田口ひさ子さんだしともう評価ポイントが多かったのですが、で今回のこのアルバムを聴いてもう文句なしだなと。

タイプ的にはチャットモンチーの初期の頃に近くて(チリビでもチャットモンチ―って書いたな…どんだけ好きやねん)、若さゆえのまぶしすぎる初期衝動(僕ここめっちゃ重要視するタイプです)が上手くパッケージされてて、このまぶさが長く続いたらいいな~と思うとります。



10位. Summer Eye 『大吉』

シャムキャッツのヴォーカル夏目さんのソロアルバムです。かなり肩の力が抜けた状態で何かに縛られている感じが全くない超軽快なアルバムである意味度肝を抜かれました。

ちょっと大げさな話ですが、昭和の時代は音楽に限らず何をするのでも辛くても無理をしてでも踏ん張って努力して、時には血反吐を吐きながらも完成させたものほど素晴らしいし、評価されるべきみたいな世の中だったと思うのですが、それから平成の30年間も基本的にはそれを踏襲した世の中で、ようやく令和になりこういった昭和の考えの解体が至るところで進み出したと感じてます。

今回Summer Eyeの『大吉』を聴くとサウンドも歌詞も歌もそういった昭和感が1ミリも感じられず完全に令和の作品だなと。特筆は表題曲『大吉』でおみくじに書かれていることをそのまま歌詞にしているアイデアは目から鱗というかこの手があったかー!と膝を打つ奴で、サビの歌詞も

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なんだか今年いいことありそう
君にも僕にも親にも妹にも
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ここは唸りますね、歌詞なんてこれでいいじゃん!てなります。で、

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そんなことより
あのコえっちだったナー
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これで終わるアルバム最高じゃんね。




■カムバック賞

BONNIE PINK 『Infinity』

ボニー・ピンクのアルバムがなんと11年ぶりだそうですが、そんな久々でしたか…11年の間は出産と子育ての時間を大切にしていたそうですが完全に音楽活動を中止していたわけではなかったのでそんな経っていたのは驚きでした。。で、11年ぶりのこのアルバムが普通にめちゃくちゃよくて驚きました。もともとJ-POPにスウェディッシュ・ポップをMIXしてきた先駆者だけに楽曲か今でも充分新鮮な仕上がりで、メロディやサビの強さはだてに平成の音楽界を生き抜いてきてないな!と脱帽しました。


※カムバック特別賞1

GRAPEVINE 『Almost there』

バインのこのアルバム言う事なしの傑作で最高です。普通に今年のベストアルバムに選ばれてもよいのかなと。
ただ今回はあえてカムバック賞の方がよいだろうと(週刊誌で報じらた件で活動休止していたようなので…)。
実は僕はその週刊誌の記事はきちんと読んだことがなく今回ネット検索して初めて読んだのですが、、まあまあなかなかの恥ずかしいやりとりを暴露をされており、自業自得とはいえちょっとそこまで見せちゃいます?? 暴露にも一定のマナーとかないんですか?? というのが第一印象でしたね。。。
で、その暴露での受けたメンタルダメージからよくカムバックしてこんな素晴らしいアルバムを作ったな(しっかり開き直れたというか)という意味で見事なカムバックでした。


※カムバック特別賞2

Cornelius 『夢中夢 -Dream In Dream-』

東京五輪をきっかけに日本のネット誕生以降最大級の大炎上をかましてしまった小山田くん。僕もかなり影響を受けてきた人が世の中から総叩かれまくるというあの異様な期間は僕も相当きつかったです。。。少しでもフォローするような発言や書き込みをすればその人も無条件に叩いていいような2次、3次被害も多発してましたし、とにかくよくあのこの世の地獄のような状態(最悪なケースもあり得たと思いますし)から復帰してくれたよと…これも大カムバック賞かと。

ただ例の雑誌のインタビューの件は長年ずっと火種としてくすぶり続けているのは知っていたので、その火種を抱えたまま活動をしていた世界線より、今回炎上どころか大爆発してしまいましたが今の方が確実に健全な状態で音楽活動できているんじゃないかというのが唯一で最大の救いかと。アルバムラストの曲『無常の世界』を聴いておそらく本人もそう思っているだろなと思いました。ホントこの世は諸行無常ですな。


■ベストヒップホップアルバム賞

TOSHIKI HAYASHI(%C)  『MAHORO』

今回ベストアルバムを選ぶにあたりヒップホップが1枚も入っていなかったので特別枠で1枚選びました。チェルミコのDJでおなじみの通称パーシーことTOSHIKI HAYASHI(%C)のソロアルバムです。このアルバムが今自分が求めているヒップホップに一番近くシンパシーを感じます(パーシーだけに)。

パーシーの人柄なのか全体的にアクが少なく奇をてらっていない落ち着いた楽曲ばかりで、それでいて繰り返し聴いても飽きないアルバムになっていて、トラックメーカーとしてかなり優秀な人なんじゃないかと。Twitterでもそれほど絶賛されている感じはないですが過小評価ぎみなのも含めて選びました。
macomarets参加の曲『Talk Night』がおすすめです。


■ベストトラック賞

(ベストアルバム以外から何曲か選出)

1) パソコン音楽クラブ『Day After Day feat. 高橋芽以』

2) 吉澤嘉代子『氷菓子』

3) QUBIT『Mr. Sonic』

4) 鋭児『HUMAN』

5) TOMOO『Grapefruit Moon』

6) ザ・リーサルウェポンズ『シューティングスターレディオ』

カバー大賞) LEO今井『東へ西へ(井上陽水)』



■ベストアイドルアルバム賞

RAY 『Camellia』 ※シューゲイズアイドルってくくりがやばい


■ベストEP賞

くるり『愛の太陽 EP』 ※まあ全曲強い、強すぎた


■ベストジャケット賞

マハラージャン 『蝉ダンスフロア』 ※シンプル顔笑わせは逆に新鮮


■新人賞

細井徳太郎『魚_魚』 ※魚アンダーバー魚ってタイトルはやばい


野口文『botto』 ※全曲bottoってタイトルなのやばい

SADFRANK 『gel』 ※上半期めちゃくちゃ聴いた


■ベストアルバム選んだあとに出たベストアルバム賞

家主『石のような自由』 ※我が家が石ブームなもんで…


ano『猫猫吐吐 -猫猫-』 ※タイトルに猫が多い!最高!


■実は1位で賞

cero『 e o』 ※隠れラスボスです

ということで、2023年ベストアルバムはceroの『 e o』でした!(もうええわ




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