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高専祭で色々やってみた話 #1 全国初?キャッシュレス高専祭

自己紹介と導入

初めに断っておきますが、本記事に関する問い合わせ等は所属する学校にすることがないようお願いします。Twitter(現X)のDMとかでお願いします。

軽く自己紹介すると某高専で学生会長をしておりました。
その中で高専祭に関して色々と新しくやってみたことに対する備忘録を残そうと思ったので、多くの人の役に立てばと思い書くことにしました。
一回でまとめて書こうと思ったのですが、思いのほか書くことが多そうだったので何回かに分けて書こうと思います。
まず、初回として、模擬店のキャッシュレス化に取り組む際の苦労を述べたいと考えています。全国の大学・高専・高校の学生会長・自治会長・生徒会長などは、キャッシュレスな学園祭を開催したいという意欲を持っていることでしょう。しかし、十分な情報がなかったり、教員の理解が得られずに実現に至らない場合がほとんどです。このような方々にとって、本文が少しでも参考になることを願っています。


背景

まず初めに、本校でキャッシュレス学園祭を敢行しようと思った経緯について書きたいと思います。
2020年 新型コロナウイルスの影響で学生以外の来場を禁止 
模擬店における金銭収受を禁止する代わりに券売機を1台レンタルし敢行。
←案の定当日パンクしました。。。
2021年 券売機を2台に増やすもあまり変わらず。
2022年 一般のお客さんを入れての高専祭へ(券売機は2台)大行列で逆に三密に。

こう言った経緯から非接触で、スムーズな決済方法を模索していました。

まず初めに、現金に戻すという手段を考えましたが、数万〜数十万という現金が模擬店に置かれているという防犯上の問題、コロナが落ち着いたとはいえ、飲食物を扱うという上ではクラスタなどのリスクは避けたい。ということもあり、現金に戻すということは選択肢から消えました。
また、券売機を2台から4台に増やすという案もありましたが、券売機のレンタルは1台7万円もするため、コスパが良いとは言えませんでした。

そこで候補に上がったのがキャッシュレス決済です。

キャッシュレス導入にあたって考えたこと

キャッシュレス決済の導入と言ってもPayPayやd払い、auPayといった決済ブランド単体で導入するパターンと決済代行会社を通してクレジットカードやQRコード決済、電子マネーなど様々なブランドを一括して決済できる端末をレンタルする方法があります。高専らしく独自の決済システムを開発しようと、要件定義書を書いてみたりしましたが、セキュリティ面・貧弱な学内ネットワークを鑑みて諦めました。
本題に戻ると、前者の場合使えるサービスが限られてしまうため、また学内や学校の近くにチャージできる場所がないため、当日何も知らずにきた一般の方が困ってしまうという問題点があり、今回は後者の方法で業者を選定することにしました。

業者の剪定をする上でまずこれらの条件を考えました。
1、交通系IC、QRコード決済が使えること
2、決済手数料をなるべく抑えられること
3、管理者側で全ての決済データを監視できること
4、決済速度が早いこと

これら4つについてそれぞれ話していきたいと思います。

交通系IC、QRコード決済が使いたい理由

高専という学校は15歳から22歳という幅広い年齢層が所属しているため、18歳以下の学生はクレジットカードを所有できないため、未成年でも持つことのできる交通系ICカード、QRコード決済サービスが使えることが最低条件でした。
また、通学定期がIC定期である学生がほとんどで、わざわざ作らなくてもよいというメリットもありました。

決済手数料を抑えたい理由

まず、前提としてキャッシュレスに関しての基礎的な知識を説明したいと思います。※ここではイシュアだとかアクワイアラとか専門用語は避けます。
一般的な店舗でのキャッシュレスの導入に関しては、d払いなど単独のサービスを運営会社から直接契約する方法と、決済代行会社を通して複数決済ブランドを包括契約するケースがあります。(スマレジとかSteraとか)
大半は後者の契約になり、本校でも後者の方法を取ったので後者の方法について説明したいと思います。
以下の図の中で手数料がかかる場所が店舗が決済代行会社に支払う手数料です。
我々消費者は各種キャッシュレスサービスを利用するにあたって、基本的に登録も利用も無料であると思います、ではサービスを提供する企業はどこで利益を挙げているのかというと、加盟店つまり店舗などから決済手数料という形で1決済あたり何パーセントという割合を売り上げから差し引いているのです。また、決済代行会社によっては1決済あたり何円という手数料を設けている場合もあります。

Fig.1 キャッシュレス決済の流れ概要図

これまでに述べたキャッシュレス決済導入のシステムを踏まえて考えると、学生の手元に戻ってくるお金が減ってしまうということはなるべく避けたいため、決済手数料をできるだけ抑えたいという考えになりました。

管理者側で決済データを監視したい理由

監視するとはいったものの、1番の理由はトラブル対応のためです。
電子決済である以上、通信エラーや端末のシステムエラーなど決済のトラブルはつきものです、その際に決済の成否や金額の確認が管理者側で取れることは、模擬店側と来場者とのトラブル対策として必要であると感じたため、条件に加えました。

決済速度を重視する理由

これまでに述べてきた三つの理由は運営側の願望でしたが、ここの理由に関しては来場者の利便性に関わってきます。一番最初に検討していた業者の端末ではクレジットカードのタッチ決済が使えないことやIC系の決済に5秒程度かかってしまうということから、急遽業者を変更することになりました。1決済5秒もかかってしまったら、券売機から変えた意味がなくなってしまいます。

実際にやってみた結果

まず、券売機との比較ですが非常に決済速度はスムーズに行うことができたと思います。各模擬店の担当者に事前研修やマニュアルを作成し共有したこともあり、模擬店側も来場者側も満足度は高いと言えます。ですが、その場で調理するタイプの模擬店においては調理をして提供する過程がボトルネックとなり並んでしまう場所もありましたが、券売機のケースよりも混雑は低減されていました。

反省点

学園祭という臨時の店舗であるために、契約できないブランドがあった。
今回の契約に際してPayPay,楽天Payは審査が通りませんでした。理由としては楽天ペイは学園祭だと通らない、PayPayに関しては本校の会計上の問題で相性が悪く契約できませんでした。
また、決済ブランドの審査結果は順次送られてくるため、事前に広報したブランドより当日に使えるブランドが少なくなってしまったため、多くの方に迷惑をかけてしまいました。申し訳ない。。。
あとはチャージ拠点などに関しては当初セブン銀行ATMを設置しようと考えていましたが、結果としては設置しなくてよかったです。(結局そこが混んで券売機の二の舞になる)
最後に思ったよりお金がかかってしまいました。
本年に関しては実験的な側面があったため、手数料を学生会費にて補填しました。そこに端末代が加わり思っていたよりもお金が掛かった印象です。

来年に関してはまだ未定ですが。キャッシュレスは引き続き導入する予定です。
業者に関しても選定しているところです。

まとめ

キャッシュレス学園祭はお金に余裕があるならやる価値があり!
防犯、金銭トラブル、売り上げ管理と言った面で教員サイドも運営サイドも非常に楽でした。しかし端末のレンタル代、手数料など業者に持ってかれるお金が生じるというデメリットがあります。
その辺りをよく検討して導入してみてはいかがでしょうか。

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