見出し画像

池袋小路

麻雀の”ま”の字程度を知っていたのが学生時代。なんだかよくわからぬがPCのゲームをやって、上がれる時と上がれない時があるなあなんじゃこりゃと思っていたのが成人後。

その時より少しだけ知識を身に着けて、雀魂をやり始めたのが2年前。
そして渋川難波なる不思議な名前の主のYouTube番組を見つけ、深夜の生放送をながら見して寝落ちしていたのもおおよそ2年前

ともにサクラナイツを熱烈に応援することとなる友だちが、たまたま岡田紗佳のファンと知ったのは、もうその後まもなく。

その2人の趣味が奇跡的に桜色に重なり合った結果、我々は冬の枯れ葉の束如く瞬間的にそれはそれは強く熱し、冷めるという言葉などつゆ知らず轟轟と薪をくべられ続けてはとうとうおしりに火がついた。

そうして我々は、居てもたってもおれず埼玉に在するサクラナイツの本拠地サクラタウンへと遥々赴き、壮行会に去年初めて参加したのである。

してあれよあれよという間に世界が麻雀一色に染まって、現在。


しかし変わらずやはり僕の季節は2つしかない。
それは春と夏。

サクラナイツを手に入れた僕に、そのシーズンと重なる冬は、すでに視認不可である。
視界に入るはずの半径数キロはもちろんくべられ続ける薪によって次から次へと蒸発し天に消え去ってゆく。

夏とサクラナイツですべてが網羅された世界。という完璧たる世界。
その世界の中心でご機嫌に鼻歌をうたっているのが僕である。つまり気味の鼻は雑音も醸すが知ったことではない。その耳障りな音がひとりのサクラナイツファンがそこにいる合図になるはずとポジティブシンキングも止まらない。

僕の雑音的鼻歌がサクラナイツファンの、延いてはMリーグファンの糸となるならば、高らかに鼻歌を鳴らそうではないか!



びびびぶびび、ぶびぶび♪
鹿田です、よろしくね!


前回は埼玉、今回は東京

麻雀格闘俱楽部との合同チームPV(パブリックビューイング)に参加するため福島の僻地より遠路はるばると出立し、

おのぼりさん”こと鹿田と友のヤナギーが胸いっぱいに期待と好奇心を膨らませ新幹線に飛び乗ったのがつい2日前のことである。(執筆時点では。言わずもがな子の記事は丹念に数日がけで作成されている。)

振り返ってみればあっという間のことであったが、兎に角止まらぬ指先が打つのをやめるまで今日も適当に、しかし感は極まりつつ面倒くさい夏バカが1記事、記す。

先週金曜の昼間に郡山駅二階のみどりの窓口前で待ち合わせし、12:30発の新幹線に飛び乗ってはパンパンに胸の内側でふくらんだサクラナイツファン心を共に引き連れて、いざ上京!と南の果てを睨んだ。

1時間後、1度乗り継ぎを挟んで下車した池袋では相方ヤナギーが『食いてぇくいてぇせっかく東京さ来たんだからくいてぇ!』といった、蒙古タンメンを食すために東池袋店に駆け付けた。

時刻は午後2時過ぎ。
空腹に支配され獣と化した我々はラーメンついでに2人それぞれ500mlの瓶ビールも購入し、駆けつけ一杯飲み干しては声にならない声で「うふぇえええええ!」と同時に叫んだ。ラーメン自体も空腹の仕業で物の数分で平らげてしまったが、本当においしく、また絶妙にビールとマッチした。

食後興奮冷めやらぬ我々は500ml1本飲み干した時点で出先の浮かれも相まって程よく酔っており、その後何をしたかいまいち定かでない。

そうこうしている間にあっという間に時間は過ぎ、開場時間が17時だったので、16:30頃には会場入り口に待機した。
すると来場した内川さんや、ファイトクラブの伊達さんが、受付に顔を出し、それを見てしまった我々は遠くから眺めるだけで一喜一憂しては燥いだ。その時間ほとんど来客も集まっていなかったので得した気分さえあった。
しかしその歓喜は鹿田の体内で緊張へと転換され、尿意が頻繁に及びトイレの往復を余儀なくされた。

して早めに入場してしまったので受付付近の販売コーナーをよく見ておらず、時々会場内に入る宣伝のマイクに

なに、スポンサーのまんじゅうが無料!?え、特製ジュースが販売中だと!?

と2人で一喜一憂してはたべたり飲んだりして開演までの時間さえ、それはそれは楽しく過ごすことができた。

してMリーグの始まる時刻30分前にサクラナイツの内川幸太郎プロ、麻雀格闘倶楽部の伊達朱里紗プロ、名物実況者の日吉辰哉氏が入場すると僕を含めた会場のボルテージは一気に高まった。
(ま、ここではプロやら氏やら敬称をつけているが、応援しているときはそんな敬称の入り込む余地などなく、「いけ、うっちー!」「伊達ちゃんつええ」「日吉www」と愛称で応援している僕たちであるが。)

ちなみに内川さんと日吉さんは昨年のサクラナイツ壮行会でも実物を目にしていたが、やはり何度会おうが僕の脳みそ如くゆるき涙腺は勝手に広がり、感極まってはまた一際大きく鼻水をすする始末である。



ウッチーなまで見るとホントかっこいい

そしてあっという間にゲームが始まり、生の解説を聞きながら観戦するのが一興なわけであるのだが、さすがパブリックビューイングだけあって来客はこってこての麻雀ファンばかり。
わずか2年ばかりのにわか麻雀ファンの我々はところどころ解説に追いつけず愛想笑いをなんどか挟んだが、それはそれでとてもおもしろく、そしてもっと楽しむためにもっと勉強しようとMotivationを上げてもらうことにもなった。

結果はビーストが2回の試合の1位を搔っ攫うという我々にとっては悲劇の幕切れであったが、しかしサクラナイツの堀渋コンビは双方2位を死守したため、サクラナイツファンとしてはそれなりに満足のいく結果となった。
(それにしても今年のサクラナイツは強い)

しかし夢とは儚くあっという間に時が過ぎ去る。
我々は会場をあとにし予約していたホテルへと向かった。チェックイン後まもなく再び鍵をフロントにでて我々は「さてさて、東京のよるじゃああ、うちあげじゃああ」と雄たけびをあげ池袋の更け行く道を、提灯をもとめてふらふらと当てもなくさまよった。


池袋小路

さまよった、ほんとさまよった。
当てもなくて、こまったこまった。

池袋といえば池袋ウェストパークなんて小説もあるほどにぎやかな街。不夜城と名高い歌舞伎町にも勝ろうとも劣らないそんな場所だと思いこんでいた我々はすこし彷徨っては(はて)と戸惑った。なぜなら殆どの店が早々にしまっていたからである。

我々が最後に物を口に入れたのは午後2時の蒙古タンメンである。そして現在時刻は深夜の11時。

まさかこんなことになるなんて、どこでもいい、早く腹に何かを詰め込まなくてはとさまよえどさまよえど店は閉まっているか混雑して入店できないかのどちらか。やっと入れる店を見つけた頃には0時近くになっていた。

ま、その結果その空腹は大層なスパイスとなり、生ビールは勝手に喉から胃袋に流れていくし、中華閭里は全て美味しくあっという間にその殆どが鹿田の胃袋へと吸い込まれていった。

満足した我々はお互いの腹が満たされたことを確認すると1時間ともそこに滞在せずに早々とホテルにもどり、朝までグースカゴースカと眠ったのである。




翌日はMリーグショップに行こうということで、なれぬ都会の迷路のような路線に迷いつつも無事かのレモン爆弾事件のあった丸善につき、ぽよとしぶの共著「天才の思考 魔神の選択」(サイン付きだった)と職場のお土産にMリーグのクリアファイルを購入した。(喜ばれなかった)

その後は近くの #コレド日本橋 という建物内で昼食を取ろうということになり、たまたま空いていた『まぐろ人別庵 日本橋店』にきめた。
そして”せっかく東京に来たのだから”ということで、特上を頼んで食した。

特上は3,000円ほどして、我々としては(こうきゅう!)と思ってゆっくり味わって食べたのだが、後日「鹿田はとうとう回らぬ大変高級な寿司を食べてしまった!」と値段とともに職場で話したら、「大して高くない」などという冷めた言葉が返ってきて、(何もわかってない田舎者だ)とひっそり心のなかで睨んだ。



一貫5分かけて食べました

本当にあっというまの夢のような時間であり、帰ってくると本当に夢だったのかもしれないといささか不安になってきた。

しかししっかり財布の中身は寂しくなっていて、そこで現実だったとわかる。
…それはそれで切ない。

だがまだ祭りは先にあり、次は5月の最終日のパブリックビューイングに向けて、鹿田は終わらぬ祭りを確保するため地道に資金を貯めるのである。

では、また。


この記事が参加している募集

私の遠征話

休日フォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?