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銀行員に最もオススメできる資格「中小企業診断士」

本記事では現役銀行員Sさんから中小企業診断士に合格するまでの体験を寄稿して頂きました。

関東圏の地銀勤めの32歳男性です。(執筆時)

中小企業診断士の勉強を始めた理由は単純に「同期より早い出世」でした。

ストレート合格率4%の難関国家資格ですが、銀行員なら一次試験のみの合格で中小企業診断士になれるパターンもあります。

(※一次試験・二次試験で構成されている)

中小企業診断士は金融庁が銀行に置くことを推奨している資格なので銀行もできるだけバックアップしてくれる傾向にあるのです。


同様の理由で信用金庫・保証協会・商工会議所でも組織から支援を受けられる可能性があります。

もし、上記の組織に所属しているのならぜひ読んでくださいね。


参考
銀行員に最もオススメな資格「中小企業診断士」|資格GEEKS


出世グループから落ちたのが勉強をはじめたキッカケ

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ある日社内文書を読んで血の気が引くのを感じました…

それまで同期の出世グループに名を連ねていたのですが、私以外のメンバーの階級は上がっているのに私は変わらず…

営業成績はしっかり残していたつもりでしたし、支店の営業目標達成を支える柱であった自覚もありました。


本当に悔しくてテンション駄々下がり、やる気も皆無になりましたね。

理由を考えてもわからず、正直学歴くらいしか思いつきませんでした。

これからどう動くべきか?を考え

1.出世グループ戻るためにまた頑張る
2.資格などで成績以外でアピールする
3.転職しちゃう

この3つが考えられました。

「1.出世グループ戻るためにまた頑張る」はすぐに除外しました。正直限界まで追い込んで営業成績を残していたので、他の部分で自分に付加価値をつけたかったからです。

これまで貯めてきた社内評価をすぐに捨てる決心はつかなかったので「3.転職」は後まわしにし、とりあえず「2.資格などで成績以外でアピールする」を選ぶことにしました。

これなら、最悪転職をすることになっても使えますからね。

目指す資格はFP1級・不動産鑑定士・社労士・中小企業診断士などが候補にありましたが、受験資格や社内での活用方法を考えた結果中小企業診断士に決定しました。


中小企業診断士を選んだ決定的な理由

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中小企業診断士を選んだ最大の理由は「中小企業診断士養成課程への社費での参加」です。

勉強を始める前に行内で中小企業診断士を取得したときに貰える報奨金や資格手当について調べていたのですが、

「中小企業診断士 養成課程 参加要件」

といったキーワードが含まれた文書を発見しました。

内容は、中小企業診断士一次試験に合格した者の中から選抜し、中小企業診断士養成課程に社費で参加させるというものです。


金融機関の社員はタダで中小企業診断士養成課程に参加できる!|資格GEEKS


養成課程とは、中小企業診断士一次試験に合格した者がカリキュラムを受け、修了を認められた場合中小企業診断士として認定するという制度です。

そんな素敵な制度に社費で参加できるのですから最高ですよね。

ちなみに、費用は半年で約250万円ほどかかります。

※中小企業大学校の場合

とてもじゃありませんが、自費参加は難しいですよね。カリキュラムがある半年の間は平日も養成課程があるので仕事もできませんし、普通に考えたらなかなか参加できません。

銀行から派遣という形なら費用は社費ですし、参加している半年の間も給料は出続けます

こんな素敵な制度を活用しない手はありませんよ。


中小企業診断士一次試験の結果は無事一発合格

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仕事でも財務分析を行っていたので、受験生の大きな壁だと言われている財務・会計は難なく得点できたのが大きかったのでしょう。

一次試験を一発で合格できました。

仕事はこれまで通りこなしつつ、中小企業診断士の勉強をするのは非常に大変でした…

だからこそ、自己採点で合格がほぼ確定した時の気持ちは最高でしたね。


試験の前日は課長と支店長に相談して有給をとりました。

どちらも、出世グループから落ちた私が落ち込んでいたことを知っていたので応援してくれたので本当に助かりました。

おかげで前日はゆっくり体を休めながら軽く復習をすることができましたね。


試験結果は…

経済学・経済政策 56点
財務・会計 72点
企業経営理論 48点
運営管理 63点
経営法務 67点
経営情報システム 88点
中小企業経営・中小企業政策 52点

合計446点

と比較的余裕をもって合格でした。

経営情報システムが簡単な年で助かりましたね。


合格通知が来た後は、支店長が本部に推薦してくれたこともあり、すぐに中小企業大学校の養成課程に派遣してもらえる話が動きました。


ちなみに、養成課程に参加するためには行内の選抜だけでなく、中小企業大学校の面接試験で合格する必要があります。

形式的なものだと思って舐めていたのですが、この面接もなかなかのくせ者でした…


養成課程はけっこう圧迫面接

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中小企業大学校は独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

国が運営する機関なのでなんとなく面接もおだやかな緩いものだろうと舐めていたのですが、そんなことはありませんでした。


相手が2人に対してこちらが1人の面接だったのですがぼこぼこに質問攻めされました。

養成課程に参加したい同期に「戦略的」「ビジョン」といった診断士が好むキーワードを入れると、ほんとに詳しく理解しているのか?といった質問がとんできます。


養成課程の中で意味を叩き込まれるのですが、マークシート方式の一次試験に受かればいいや…というレベルの浅い知識だったので焦りましたね。


また、エクセルやパワポなどのPCスキルも求められます。

養成課程では実際の中小企業に対し、診断士見習いのチームで簡易コンサルを行うというものなのですが、PCスキルがないと仕事が進まないので絶対に必要です。


ちなみに、倍率によって違うみたいですが、落ちる人も多々いるようです。

面接で落ちたら努力がムダになるだけでなく、推薦してくれた支店長の顔も潰すことになるのでけっこう焦りましたね…


中小企業大学校養成課程の入行試験に合格して3月に引っ越し

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4月入校の結果が発表されるのは例年1月です。

発表日はずっと落ち着かなかったのをよく覚えています。


あさイチで営業に出るフリで支店をでて、一切仕事をせずにずっと合格者発表のサイトを更新していました。

本来発表される予定だった時間よりもはやめに公開されており、受験番号と照らし合わせた結果……私の番号がありました!!

この時点でもう「中小企業企業診断士になれた…!!!」と思いあがっていましたね。

3月下旬にはウキウキで東大和の寮への引っ越し準備をしていました。


こんなナメた考えをしていたのですが、4月からの養成課程でぼこぼこにされたのでした…


エリートも多くいる中小企業大学校養成課程

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4月から養成課程に参加し、中小企業診断士になれるルートに入ったので気持ちは緩みまくりです。

半年間適当に遊んで資格を貰って復帰!だと考えていました。

ほぼ落ちる人がいないと聞いていましたからね。


そんな甘い考えはとうぜん通用しませんでした…

まず、受講生が約90人ほどいたのですがみんな優秀。


・○○銀行や▲▲信金の同期トップ成績
・大企業の元役員or重役で定年退職後に自費参加
・優秀なSEが経営視点を身に着けるために参加


といった取得後にビジョンがあり、強い意思をもっている人達ばかりでした。

当然議論のレベルは高いですし、それに合わせて講義もハイレベルです。


講義は座学がほぼなく、題材をもとにチームで議論をするというものばかりです。

内容によってはついていけないものもあり涙目でした。

ただ、間違いなくレベルアップできましたね。


充実しつつもツライ実習

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養成課程の肝はチームで実際の中小企業にコンサルすることです。

市場調査・分析、財務分析、改善策の立案など本当の経営者相手にプレゼンし、内容に納得してもらい実行してもらいます。


正直かなり面白いですがツラくもあります。

その業種のプロである社長に提案し、納得の上動いてもらう必要があるのですから、中途半端な内容では太刀打ちできません。


それにチームで同じ方向性で動くというのも大変です。

上下関係がある組織なら、トップの指示で同じ方向性に動けます。

ただ、上下関係がない個々の集まりです。

優秀な人が多いぶん中々まとまりません。

睡眠時間を削りながら方向性を修正し、提案内容を考えるというのは本当に大変でした。


中小企業大学校を卒業して新米診断士に!

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半年間の研修を通じ実感したのは、月並みですが「やっとスタートラインについただけ」ということですね。

講義をしてくれたのはすべてプロコンとして活躍している一線の中小企業診断士です。

年収一億以上のプロコンの方も参加してくださっていました。


今は同じ資格を保有していますが、当然レベルは天と地の差です。


そうだとしても、養成課程に参加する前と後では視野が格段に広がったことを感じます。

銀行員として働くだけでは見えてこない景色が見えてきましたね。


結局銀行に戻ってすぐに昇格しましたが、最速出世のグループには今も戻れていません。

ただ、最速出世に固執することはなくなりました。

強がりではなく、別に銀行内に固執する必要がなくなったからです。

今でも当時の講師の方が主催する勉強会に参加し、実際のコンサルの手伝いをすることもあります。

こういったコネクションを持てたのも養成課程のおかげですね。


もし、あなたが銀行・信金・保証協会などに勤めていて中小企業診断士に興味があるのなら、すぐに勉強をするべきです。

金融機関にいると社内事情ばかりに目が行き、視野が狭くなりがちですが、診断士になることで見える世界が一気に変わります。

さらに社内外からの評価も一新されますよ。


参考
働きながら中小企業診断士に独学でストレート合格するための方法|資格GEEKS
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スタディング中小企業診断士のレビューと評判・口コミを調査!【実際に使った!】|資格GEEKS


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