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自作曲の想い出.2 ヴァスティ・ワルツ

作曲日:2013年11月。
この曲の名前は写真の通り我が家で飼っていた犬の名前です。
(犬種はブラウンのトイ・プードルです)
元々、私は漫画家の父の影響もあり猫派だったのです。
父は阿佐ヶ谷の自宅で野良猫に餌をあげ続けて、慣れた猫は家に入ってくるようになり、私が中学生の頃には「ルーシー」という猫を自分の部屋で飼っていました。
結婚して石神井公園に住んでからは特にペットはいませんでしたが、ある日
小学生3年生の娘と小学生1年生の息子に「犬が飼いたいです!」と言われて
内心「え~!」と思いつつ家内が連絡を付けてくれた桐生のブリーダーの所まで行きました。トイ・プードルの子犬は3匹いましたが、その中でも
一番おとなしい殆ど鳴かない子犬を選びました。
その理由は私は小学生時代から「おばけのQ太郎」のファンで犬が吠えると少し怖かったのです。

帰りにペットショップでケージを買って、家族で話し合いしばらくは一緒に寝たりしない約束をしてその夜は解散しました。

ところが、その夜にトイレに起きてケージの前を通りかかると子犬が起きていて寂しそうな顔でこちらを見ています。ケージを開けて手を出すと聴こえないような小さな声で「く~ん!」と甘えてきます。
少しだけ抱っこしてあげたら落ち着くかなとだっこをしたら最後、降ろすとあまりに悲しそうに泣くので生まれて初めて犬と寝ました。
朝早く犬がケージにいなくて家族が大騒ぎして探した挙句に「お父さんが約束破ってもう子犬と寝てる!」と見つかり家族に叱られました(笑)
そんなわけでこの日から家族になったわけですが、その名前は息子が好きだった絵本「ヴァスティ」という名前は我が家で飼っていたトイプードルの名前です。

元々のこの名前は「大泥棒ホッツェン・プロッツ」に出てくる犬の名前です。しかも、この絵本の中ではシュローッターベック婦人の飼い犬で
元々ダックスフンドでしたが、セントバーナードに変えようとしてかけた魔法が失敗してワニになってしまった犬なのです。

とまあ名前の話はともかくとして、飼ってみたらもう可愛くて可愛くて、コンサートが終わり、打ち上げに出て深夜帰宅するとヴァスティだけが起きて玄関で尻尾を振ってくれてました。

彼はいつも窓際で落ち着いて庭を見ているのが好きでしたが(猫が通ると少し怒ります)唯一、吠えまくったのが私が生ハムの足を一本買って、
真空パックの封を開けた瞬間に部屋の外で「お父さん!この獣の匂いはやばいって!」と吠え続けてました。

後にも先にもこんなに吠えたのは初めてでしたね。
散歩に行っても犬仲間の人はすぐになつきますが犬は苦手なようで吠えられるといつも困った顔をしてましたね。

そんな彼との日常から生まれたメロディがこの曲です。
楽しくて明るく大はしゃぎするのですが、どこか物悲し気な雰囲気もあるという彼そのものです。

曲を作った時には「これでヴァスティいなくなっても想い出が残るね!」
などと話しておりましたが、実際に15年ほどで亡くなると悲しくて悲しくて。

それでも、もう7~8年は経つのでそろそろまた弾こうかなと思っております。







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