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指揮者修業、その3

指揮者の先生に師事して興味深かったこのと一つに、音のアタックの問題と点前と点後の話があります。
こう書くと何のことだか分かりませんよね。
音のアタックはオーケストラの楽器の中でも楽器の特性として音の出始めの音が遅い楽器とと早い楽器があります。
弦楽器でオーケストラの半分近くを占めるヴァイオリン族(ヴィオラ、チェロ、コンバス)、そして花形の木管楽器(フルート、クラリネット、ファゴット、などなど)と金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルンなどなど)これらの楽器全てで、オーケストラの9割の人員を超えたのではないでしょうか?

そうなのです、今ここに列挙した楽器は全て音の出始めが遅い楽器なのです。という事は音の出始めガ早い楽器は、まず打楽器全てです(当たり前ですね)ヴァイオリンの弓を弾いて音が出るまでやフルートのマウスピースに口を付けて吹いて音が出るまでと、ティンパニーを叩いた瞬間に出る音の速さを想像すれば分かりますよね。
では、肝心なギターはどうでしょうか。ハープの様に指で弦を弾く楽器ですのでやはり音の出始めは早いのです。曲目により毎回乗るわけではありませんが、ハープやピアノもギターに近く早いのです。
これをどうやってあの大所帯で頭を揃えているのか、私なりの解釈を書いていきますね。

指揮法には大きく分けて点と線があります。(松本清張先生ではありません)線はアインザッツを含めた点から出て次の点に向かう線です。
点はその名の通りまさに拍そのものです。
大概の場合はオケの奏者は慣れていて、譜面越しに指揮者が見える位置に付いていますし(ギターは特に独奏は指を見せる為に譜面台は低めですが、オケは譜面台が高めですね)線を見て点の位置を予想して譜面に目を戻している事が多いのです。

慣れたハーピストに一度話を伺ったら「もう絶対オケの中ではハープは飛び出すので、出始めの音聴いてから出るぐらいよ!」と話していました。

では、指揮者のritが大きくかかったり、運命のように最初から「ダダダ・ダ~ン」と出る時にはどうしているのでしょうか?
それはオケの皆さんは指揮者の点を見てから入っているのです。
(運命は頭は休符ですが)
テレビでオーケストラ見ていて「アレ‼指揮とずれてる!」と思ったことはありませんか。あれです。
全ては音楽自体がずれないために暗黙に行っていることで、私は指揮を勉強して初めて知りました。

そこで、自分の複数のギターアンサンブル(アタックが早い楽器しかないアンサンブルになりますよね)でこの技法を試してみると確かに合うのです。
丁度私が打点を振った場所で指を弦に乗せてから弾弦する感じです。
振った打点を「ぽん!」とすると「ぽん・ちゃん~!」とすると「ちゃん~!」が合うのです。何度も「せ~の!はい!」と言って絶対に合わなかった部分です。
これは今でも必ず使っている技法で重宝しています。

続く





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