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さらに「新しい景色」を見るために〜チームスポーツの強化って時間かかるよねという話〜

日本代表が活躍したことはもちろん、波乱含みの面白い試合が多かったW杯カタール大会。
GLではほとんどの組で最終節までどの国が突破するか分からないというスリリングな展開でした。

決勝Tもレベルの高い試合が目白押し。特にフランスvsアルゼンチンという顔ぶれになった決勝は、最終的にはPKでの決着になったとはいえ両者最後まで攻め続け、痺れるようなシーン続出の見応えのある試合になりました。

メッシも素晴らしかったですが、笛が鳴る最後の瞬間まで諦めずに仕掛け続けるエムバペを、私は心底カッコいいと思いましたね。

それだけに。。閉幕後のロス感が半端ない。。😭

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さてここから本題、カタール大会の日本代表スローガン「新しい景色を2022」です。

二強二弱と言われていたグループEで下馬評を覆し、開催時FIFAランク11位のドイツと6位のスペインに勝つ(しかも逆転で)という「新しい景色」を私たちは既に見せてもらった訳ですが、目標としていたベスト8以上には残念ながら今回も到達することが出来ませんでした。

番狂わせの多かった今大会でもベスト8に残った顔ぶれを見ると、モロッコを除き過去に優勝もしくはベスト4以上の成績を残している国ばかりです。

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よく言われていることですがチームスポーツ発展の条件としては、

  • プロスポーツとして成立していること。

  • 競技人口が多く、プロを頂点として各年代で国内リーグが充実していること。

  • プレーヤーとしても観客としても、子供から年配の方までそのスポーツを楽しむ環境が整っていること。

  • 各年代の代表が国際試合の経験を積む機会があること。

  • 海外のトップリーグに挑戦する選手が多く出てくること。

  • 選手だけでなく指導者の育成システムも整っていること。

才能のある子を見つけ出し、そこに資本と人材を集中投下すれば比較的短期間で結果が出せる個人競技と違い(もちろんそれはそれで大変ですが)、チーム競技は強化にとにかく時間がかかることがわかります。
しかもスポーツの選択肢が多い日本で、少子化の中、その競技を選んでもらわなければなりません。

「子供たちにいかにサッカーを選んでもらえるようにするか」については吉田もW杯後のインタビューで触れていましたが、そのスポーツの魅力を発信していくことも重要ですね。

(例えば人口が少なくてもサッカーが強い国は、裏を返せばスポーツ選択の自由があまりなく、才能のある子供がみなサッカーに集まってくるという側面があるかもしれません)

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ドイツからデットマール・クラマーさんを招聘した1960年を日本サッカーの強化元年とすればそれから60年あまり。

カタール大会での日本の最終順位は9位でしたから、60年の月日をかけてようやくベスト8まであと一歩というところまで到達した訳です。

JFAは「2050年までにW杯を日本で開催し、その大会で日本が優勝する」という目標を掲げていて、それは上述したクラマーさん招聘から90年後にあたります。

ちなみに優勝経験国であるイングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランスの各国内リーグで代表的なクラブの創設年を調べてみると、

マンU:1878年
FCバルセロナ:1899年
ユベントスFC:1897年
FCバイエルン・ミュンヘン:1900年
オリンピック・マルセイユ:1899年(パリ・サンは1970年で意外と新しい)

というように、いずれも揃って100年以上の歴史を誇っています。(つまりリーグの創設もそれと同じぐらい)

90年というのは長いようで現実的な数字に思えますよね。

以下はクラマーさんが残した日本サッカー界への5つの提言です。

強いチーム同士が戦うリーグ戦創設。
コーチ制度の確立。
芝生のグラウンドを数多く作り、維持すること。
国際試合の経験を数多く積むこと。
代表チームは1年に1回は欧州遠征を行い、強豪と対戦すること。
高校から日本代表チームまで、それぞれ2名のコーチを置くこと。

三上孝道「日本サッカーの父 デッドマール・クラマーの言葉」

今では当たり前のことも、当時は夢のようなことだったのです。

2050年まではあと28年。
まずはメキシコやアメリカやスイスのような第二ポッドの常連国に。
そして自分が生きているうちにW杯で優勝する日本代表を見たい!
そのためにこれまで以上に競技場に足を運ぶとかTOTO買うとか(笑)、さらに「新しい景色を」見るために、様々な形でサッカーを応援し続けたいと思います。

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