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宇久島旅行記 (7) 2022GW

前回はこちら↓

手土産をぶら下げ、少々緊張しながらお店を尋ねるとAさん(ご主人)はまだお仕事から戻られていませんでした。
まずは応対していただいた奥様にご挨拶し、持参した写真を見ていただきながらお話しているとほどなくAさんがお帰りに。

もちろん観光協会を通じ旧姓を含めて私の名前は伝えてありましたが、開口一番、なんとAさんも両親のことを覚えておられるとのことでした。(また泣きそう)

詳しくお話を伺うと、Aさんは当時から島でお商売をされており、父の職場だった航路標識事務所に様々な物品の納入で出入りされていたことから父と面識があったそうです。
母が灯台職員の機関紙に投稿した手記には、父が赴任してすぐ島での移動用にバイク(スーパーカブ)を買ったことが書かれていたのですが、そのバイクをお手配されたのもAさんだったのでした。

私たちの後ろにそのスーパーカブが写っています

また直接の知り合いではなかったものの

  • 当時の女性としてはかなり大柄な方だった(父より背が高かった)

  • 非常に活動的で声が大きかった(私の声が大きいのは母親譲り😅)

  • 車を運転していた(当時自家用車やバイクは島ではほとんど普及しておらず、まして車を運転する女性は大変珍しかった)

などの理由から母についてもよく印象に残っているそうです。

確かに母はハイカラというか新しもの好きでちょっと活動的過ぎて声がデカくて、子供の頃はそういうところが正直あまり好ましく思えなかったのですが、そのお陰でこうやって覚えてもらえていたわけですから、結果的には良かったと言うべきでしょうか(笑)

島で母が乗っていた車

福岡ナンバーなので福岡で登録して島までフェリーで持ってきたんでしょうね。

ただ、私の母はともかくとして、島外から入れ替わり立ち替わりやってきて、まだ島では珍しかった車やバイクに乗っていたりする海保職員とその家族は、良くも悪くも目立つ存在であったことは間違いありません。
学校でも転校生って印象に残りやすいですしね。

実際後にお会いした島民の方も、同じクラスに転校してきた海保職員の子は名前や顔までよく覚えていると言われてましたし、大浜近くでお会いした方も同じような理由で父や姉のことを覚えておられたのかもしれません。

Aさんご夫妻からは、両親のこと以外にも写真が撮影された場所や写っている船、姉の同級生のことなど、私や姉が知らなかった、分からなかった貴重なお話を沢山聞くことが出来ました。

しかも、その日はもう時間的に航路標識事務所の跡地を尋ねるので精一杯かなと思っていたところ、「今日の仕事は終わりましたし、こうして島に来ていただいたのも何かの縁ですから」と、なんと車で島内を案内していただけることに。

ううう、Aさんはもちろん、引き合わせてくれた両親と観光協会さんに感謝です😭

Aさんの車に乗せていただき、再び島内観光へ。

午前中に訪れた長崎鼻は潮が引き、灯台まで歩いて行けるようになっていました。

午後の長崎鼻灯台

大浜から見る古志岐島も午前中と比べてずいぶん大きく、近く感じます。

午後の古志岐三礁

丘の上の事務所跡地は建物が全て取り壊され、雑草が生い茂ってました。当時のものとしてはかろうじて門柱だけが残っている状態です。分かってはいたことですがかつて家族で暮らした場所のこうした姿を見るのはやはり寂しいものですね。
Aさんもここを訪れるのは数十年ぶりだったそうです。

宇久航路標識事務所跡
当時の写真の左端にその門柱が。後ろの山は城ヶ岳でしょうか。
「売地」となっています

車は島の西側に向かいます。草原をそのままゴルフ場にした平原ゴルフ場を過ぎると、島の最西端にある火焚崎に到着しました。

火焚崎には壇ノ浦の戦いに敗れた平家盛が上陸したという伝説が残っているそうです。

火焚崎にある「平家盛公上陸地」記念碑

宇久島だけでなく、五島列島にはそこかしこに平家の落人伝説が残っていて、私が高校時代を過ごした福江島にも平家にまつわる怖い伝承がいくつかありましたね。

家盛公が船を隠したと言われている場所
火焚崎の美しい夕日と黄金に輝く海

神浦港を経由して平地区に戻ります。

平家盛が建立したと言われている神島神社

Aさんには丁重にお礼を述べ、宿に戻って入浴を済ませて食堂に行くと、なんと私に届け物があるとのこと。
入浴中にAさんの奥様が私の忘れ物と一緒にわざわざ旅館に届けてくださったのでした。

宇久島の桜貝。プライスレスなお土産。

ご夫妻の心遣いが嬉しくて、またしても泣きそう🥺

二日目の夕食

なんか恐竜みたいな魚がいますよ。

んじゃこりゃー

明日は島を去る日ですが、濃密な1日を過ごした余韻で眠れそうにありません。

宇久島旅行記(8)に続く

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