真夏の暴力
胸を丸太で突くような息苦しさと
動悸に似た心臓の震えに耐え
一瞬あとに広がる光に目を細める
シャワーのように静かに広がる光の線と
混乱して飛ぶ蝙蝠と
人々の歓声と
光の線が消える瞬間
小さな小さないくつもの玉になって
それは空気の澄んだ冬の夜空のようで
じっとりとした皮膚に吸い付く浴衣の感覚を忘れ
私は浮遊感に身を任せた
音波に打たれる胸の苦しさと光の美しさと
人々の騒めきとしいんと静まり返った私の頭の中と
正反対のものがそこには成り立っている
私は混乱する
睡眠を邪魔されて驚く鳥のように
つうんと強くなる孤独感を見て見ぬふりをする
光の向こうに月が見える
白い月はだんだんと赤くなり昇る
花火見に行ってきました。あんまり行ったことなかったのでどきどきした。
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