不安定な青

どんよりとした雲の合間から

炭のような黒い手が伸び

私の胸に爪を立てた

つうと皮膚を引き裂き

肉を押し退け

骨を避けて進む先に

心臓

脈打つそれを

ぐっと掴み

そのまま宙吊りあはははは

どくどくどく

鼓動の早さで震える身体

どくどくどく

手足を縮め

どくどくどく

恥ずかしい

ああ恥ずかしいあはははは

人びとはやさしいから

宙ぶらりんの私の下を

早足で通り過ぎていく

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