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木村秋則の「奇跡のリンゴ」

 ↓の訳になります。

Dear Friends

 『MIRACLE APPLES』(ミラクル・アプルズ)を皆様にご紹介できることを大変嬉しく思います。

 私がこの本に出会った経緯と、この本の内容を説明したいと思います。

 私は東京のJALのラウンジでニューヨークへの帰りの便を待っていました。コーナーに陳列された新刊本の中からこの本を手に取りました。読み始めたら、もう本を置くことはできませんでした。待合室の係員が、この本は持っていっていいと言ってくれたので、ニューヨーク行きの飛行機の中で全部読み、このテーマに関する2冊目の本があればいいのにとすぐに思いました。

 この本は革命です。あるリンゴ農家が、殺虫剤を使わずにリンゴを栽培する方法を見つけるために10年間努力した実話なのです。彼が発見した方法は、リンゴの栽培だけでなく、殺虫剤を使って栽培されるあらゆる植物に適用されると思います。

 彼が何年も何年も働いているうちに、村の人々や友人たちは皆、彼がおかしくなったのではないかと思い始めました。当初は、先祖から受け継いだリンゴ園は、殺虫剤を使わなかったために荒れ果ててしまいました。殺虫剤を使っている他の果樹園から、虫の雲(大群)が彼の果樹園にやってきてしまったのです。彼の2人の息子は、同級生にからかわれるのを避けるために学校を辞めることになりました。彼は貯金をすべて失い、しばらくは地元のバーの警備の仕事をしなければなりませんでした。彼の妻は何も言わず、でも毎日、素敵な弁当箱に入った手作りのお弁当を畑に届けてくれました。そこで彼はたった一人で座り、髭も剃らず、もう何もせず、ただ空を眺めていました。

 それから10年後、彼はとうとう、この信じられないような旅を始めたのは間違いだったと思いました。ある満月の夜、彼は自殺するために丘に登りました。彼は石の上に座り、どうすれば自殺できるだろうかと考えました。

 すると突然、遠くの木が目に飛び込んできたのです。それはリンゴの木でした!

 「なぜこの丘にリンゴの木があるのだろう?」彼は思いました。
 彼は木に駆け寄ってみると、それはリンゴの木ではありませんでしたが、でも、この木は彼にインスピレーションを与えました。
「そうだ!果樹園のリンゴの木はすべて、最初はハウスで育てられて、その後植え替えられる、だから自然の元の根は切り落とされてしまう。丈夫で健康な木を育てるには、元々あった自然の根が必要なんだ。」そこで彼は自然の根を持つリンゴの木を手に入れ、殺虫剤の代わりに酢を少量散布しました。不思議なことに、彼の果樹園のリンゴの木には虫が寄り付かなくなったのです。

 この発見の後、彼はテレビのインタビューを受けました。彼のドキュメンタリーが制作され、一躍有名になりました。毎日、彼のリンゴを買いたいという人からたくさんのメールが届きます。彼は大量生産を拒否しているので、リンゴは行列をつくって並ぶひとたちににゆっくりと売られています。

 奇跡のリンゴも、悪いものが入っていないから劣化しません。毒さえ入っていなければ、私たちの体もそうなれると思います。

 もし彼の方法が野菜や果物の栽培に使われるなら、私たちの子供たちや孫たち、そして私たちを不必要な病気から救ってくれるでしょう。

 だから私はこの本を革命と呼んでいます。あなたも同じように感じてもらえたらと思います。

 素晴らしい翻訳をしてくれたボブ・ヘフィルに感謝の意を表したい。

Sincerely,
yoko
Yoko Ono
July 2010
New York City


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