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家族で旅して。〜酔いどれ篇〜

あっという間に、最後の朝を迎えた。

キャリーケースの半分は空けてきた。
この最終日のために。

期待を胸に、チェックアウトを済ませ、3人でごろごろ荷物を引きづる。旅の疲れも少しあるけれど、この後のことを思えば、足取りは軽かった。

電車に揺られてたどり着いたのは、JR住吉駅。この辺りは灘の酒造がたちならぶエリアで、お酒好きの両親たちが計画当初から望んでいた場所だ。時間的にすべて回るのは厳しいため、住吉駅から徒歩で行ける酒造にいくつかお邪魔することにした。

まず1件目は、白鶴。
「まる〜!」のCMが有名なところ。

やってまいりました。
かたん。
どどん。

展示室にて、日本酒ができるまでを学びます。

トンネルのような大きな酒樽。
どうやら上の階と繋がっているみたい。
※全てマネキンです

なんとここでトラブル発生により動揺した私は、お酒を買わずに帰ってきてしまうという痛恨のミス。「動揺してもなんか買うべきだった…」とこれを書く頃に後悔するのであった。

気を取り直して2件目、菊正宗。

写真じゃなくて、道がななめなの。
ちと絡まってるけど、そこも可愛い。

こちらも聞き馴染みがある方が多い、有名どころ。試飲させてもらった原酒はなかなかに度数が高くて、微量でもカァーッと喉が熱くなる。

持ち帰りには、冷酒用の日本酒を一つ。
青い瓶が美しい。

正宗ブルー。

まだ時間が取れたので、3つ目、櫻正宗。
至る所に桜印がひらひら。

戦中の混乱で失われ、約60年ぶりに帰蔵した1号酵母の純米大吟醸。そして桜満開のラベルが可愛らしい、大吟醸のワンカップ。2つをお持ち帰り。

いいサイズ感。


***

お酒は好きだけど、実はそんなに詳しいわけじゃない。
ただそのものが持つ雰囲気が好きだ。

日本酒なら、凛とした静けさ。
一見大人しくも、中に豪快さを秘めているところも、またいい。

最近はだれかと出会ったときも、同じように思うことが多い気がする。外側だけではわからない、うちに秘めた思いとか、芯の強さとか。はたまた脆さとか。そんな部分に触れると、ぐっと「この人に近づきたい」という本能がうごく。

お酒の場では特にそうなることが多い。
だから、呑みの場が好きだ。

友人からはにぎやかな楽しさを。
両親からは沁みるような楽しさを。
盃を交わして、教えてもらった。

また一緒に飲みましょう。
また一緒に出かけましょう。

直接いうのは照れくさいから。
ここに置いて締めとする。

家族と旅する、これにて完結。



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