無コウノトリ

さいなら東京

ぢっと手を見に浜に帰るわ

まだ秋も来ぬこの地より

育ての荒地と来たもんだ

デモドリってどんなトリ

お茶を濁した三途のミズドリ

鞘におさまる酔いチドリ

いろとりどりを闊歩して夢に敗れた宵のトリ

ちょっぴり癪だがいいじゃない

袖引くひともなき

シャクナゲの花

2023/05/24
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アンサー

君の背中には羽は生えない

コウノトリじゃないから

首に巻いたタオルは飛ぶ為じゃなくて

汗を拭くために巻いてある

首吊り芸人も世を儚み

紅いタオルだけが木に揺れる

じっと手を見ても何も起こらなかった

むしろ手に刻むように生きろって砂は言った

馬鹿らしいやと嗤った

掴めそうな綿雲に　

しがみつくのはダサいよって

でも、もう秋なんて来ない

もう、紫陽花も贈らないよ

移り変わるのが定めだとか

分かったようなこと

もう言わないよ

捨てられた土地も

生き延びた土地も

同じように愛せたらいい

自分だけでどうこうできる問題じゃないし

もうそんなに時間がないんだ

恨み憎む時間がないんだ

昔の子供のまま泣きべそかいてる

自分に手を振り

"さよなら、またね、

君の叶えたかった夢

もうちょっと待っててね"

って日の当たらない部屋で誓うんだ

2024/04/01