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ベーカリーの仕事

昨年末から少し時間ができたときは、神田川ベーカリーでパンの製造や営業の仕事をしています。

パンづくりはすごく難しいのですが、面白くてやりがいがあります。

パンは生地を発酵させた後、成形するときに出来るだけ綺麗に張らせてあげると、焼いたときに上に膨らんでふっくらと焼けます。結構コツが必要で最初はなかなか上手くできないのですが、張らせてプレッシャー与えるとしっかり膨らんで上に伸びる。ある意味パンも人間も同じなんだなあと思います。

そしてパン作りの最終工程の窯での焼きは、すごく責任が重い仕事だと教えられています。

生地の材料である粉などの計量から始まって生地を捏ね、寝かせ、発酵させた後に生地を一定の重さに分割し、丸取りという丸い形に整えた後に成形してまた発酵。

最後に形を整えてクープという切れ込みを入れて最後窯に入れて焼きます。

この時に温度や時間などの焼き加減を間違えてしまうと、これまでチーム全員で作ってきた製造工程が全て無駄になるのです。焼きだけは後戻りが効かない絶対に失敗が許されない工程なんだと習いました。

僕は建築家だから、建築を作るときに絶対に後戻りできない工程ってあったかなぁと思い返してみてもおそらく無いのでは無いかと思います。

ですのでこの焼きの工程を早く覚えるために温度管理や焼き方をノートに一生懸命メモしています。建築家のメモならぬブーランジェリーのメモですね。(笑)

このお店のパン作りに関わっている全てのスタッフの想いを乗せて最後に焼くのです。

うまく焼き上がった時は焼き上がりのいい香りとともに最高の焼き色でパンが窯から顔を出してくれます。
それがすごく嬉しいです。

お客様が「美味しそうだわね」と言って買っていただけたり、「この前のあのパン美味しかったわ」という声をいただくと本当にまちのパン屋さんっていいなと思います。

地域の皆さんに愛されるお店になって地域の幸せな暮らしに一役かえるって最高だなと思います。パン屋さんって尊い仕事だなとも思います。

写真は神田川ベーカリーの名物で大人気の塩パンです。今日は形も綺麗に焼き色も最高な状態に美味しく焼きあがりました。



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