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「考える脳」と「感じる脳」ー 集中力を高める三つの習慣

今回は、スタンフォード大学のアンドリュー・フーベルマン(Andrew Huberman)准教授(神経生物学)の動画を参考に、集中力を高めるための三つの習慣を学びたいと思います。

視野解放は、目に飛び込んでくる情報を広く認識する行動で、言ってみれば「感じる脳」のストレッチ運動のようなものです。体内観察は、目を閉じて、体の内側の内臓の動きに意識を集中する行動で、言ってみれば集中力を維持する時間を延ばすトレーニングのようなものです。90分集中する時間のひとつの目安にし、視野解放や体内観察でリセットすることで、集中をより制御できるようになります。

動画を見る際には、日本語の字幕を参考にしてください。


視野開放

視野解放は、目に飛び込んでくる情報を広く認識する行動です。人の顔を見つめると、その顔がはっきりと見えますが、その周りにも世界は広がっています。机、床、壁、天井、山、空。そうした周辺視野に意識を移し、一点に集中するのではなく、広い視野から目に入ってくる世界を認識する方法です。まさに、広い視野で世界を認識するのです。

視野解放は、言ってみれば「感じる脳」のストレッチ運動のようなものです。前回お話したように、「感じる脳」は動きを止めることなく、常に何かに注意を払い続けます。そして、現代の生活では狭い範囲に注意を払うことに多くの時間を費やしているため、反対に広い範囲に注意を払う時間を取ることで、バランスを保つことができるのです。スマートフォン、テレビ、読書、料理、洗濯、育児、運転、会話など、普段何気なく行うそのような行動は、狭い範囲に注意を払い続ける必要があります。そのさらに狭い範囲の注意力、つまり集中力を維持するためには、バランスをうまく保つことが効果的なのです。

人によってはぼーっとするのに近いかもしれませんが、ぼーっとするやり方は人それぞれだと思うので注意が必要かもしれません。気を付けたい点としては、視界の中の景色に意識を向け、ぼーっとしてみてください。「考える脳」に何か考えが浮かんで来てしまったら、そこからいったん離れて、視界の中の景色に意識を戻してください。15分ぐらいできると理想的です。

体内観察

体内観察は、目を閉じて、体の内側の内臓の動きに意識を集中する行動です。心臓の鼓動や呼吸による腹部の動きなど、あなたの命を支えている体の内側の動きに注目します。これらは「感じる脳」による代謝バランスの調整によって起こる体内の反応ですが、あなたの「今」を表しており、そこに意識を集中するとともに、「今」生きていることを実感してください。

体内観察は、言ってみれば集中力を維持する時間を延ばすトレーニングのようなものです。前回お話したように、「感じる脳」は動きを止めることなく、外界からの信号から未来を予測し、代謝のバランスを保つことで、生命維持を試みます。それはあなたの「今」を表しており、その「今」を意識し続ける時間を延ばすことができると、集中力を維持する時間を延ばすことにつながります。

これも、人によってはぼーっとするのに近いかもしれませんが、ぼーっとするやり方は人それぞれだと思うので注意が必要かもしれません。気を付けたい点としては、視野解放と同じように、「考える脳」に何か考えが浮かんで来てしまったら、そこからいったん離れて、体の内側に意識を戻してください。15分ぐらいできると理想的です。

もしやり方がわからない場合は、以下の動画が参考になります。

90分集中

人の脳にはマルチタスクの機能は備わっていません。したがって、一度に複数のことに集中することはできません。一方で、一日に複数の仕事を同時にこなせないわけではありません。それぞれの仕事に時間を配分し、それぞれ集中すればよいのです。しかし、そのためには、自分の時間を管理する能力と、一日に何度も集中する能力が必要です。これは非常に高度な能力であり、強い疲労感につながりかねません。「感じる脳」からの危険信号を認識し、自分の健康が常に最優先であることを忘れないでください。

それでも、自分の能力を高めたい方の心に留めておいて欲しいことは、90分を集中する時間のひとつの目安にすることです。人の脳には24時間サイクルと90分サイクルの二つのサイクルがあると言われています。90分サイクルは、睡眠の話とともによく耳にする方もいるかもしれません。このサイクルは起きている間にも機能していると考えられており、集中力もこのサイクルに影響を受けているようです。

もし、一日2回、合計3時間集中することができれば、あなたの集中力は他を圧倒するレベルに達すると想像します。90分集中したら、視野解放や体内観察でリセットすることを忘れないでください。この能力は、あなたの「感じる脳」のレベルを確実に引き上げ、人生を変える力になることでしょう。


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