#3 「ダンスに夫を取られた」という思いの因数分解
こんにちは、夫婦でHIPHOPダンススタジオを経営しているシマムラ(妻)です。
3本目の投稿で書くことではないのだけど、リアルタイムな気持ちをここに、と思いやや私的な投稿です。
夏にダンススタジオを夫とはじめてからというもの、毎日いろんなことがあって、1か月があっという間で、わたしはとっても楽しかったわけです。
が、昨日は「ダンススタジオを誰かに売ってわたしたちは手を引くステージに、早くなれ」とふと本気で思ってしまいまして。
その手前にあるのは「ダンスに夫を取られた」という思い。
■わたしから夫を奪った敵のひとりは ”時間”
インストラクターである夫の現在かかえるクラス数は32クラス。
ひとりで何クラスも通っている人が多いので、教えている生徒数としては60人程度。
オープンして半年でまあまあな数になった(ありがたい)。
でもメンバーが増え、クラスが増えていくと、家にいる時間は減っていく。
一番遅いクラスだとおわりが21時で、メンバーのおしゃべりに付き合っているとチャリ10分の距離にある自宅に帰ってくるのは22時ちかく。
つい半年前まで21時に寝る生活をしていたわたしは、待っているのがまあまあキツイ日もあり、でも、あったかいごはんを出してあげたいから待ってもいたい。
そう思っても、どうもなかなか帰ってこない。
「今日は6レッスンもあって夕飯も食べてないんだから、おしゃべりはほどほどにして、もっと早く夫をスタジオから解放してくれよ」
と最終レッスンメンバーに思う日もあったし、
「なんでレッスン終わって15分とかで『もうスタジオ閉めるよ』って言って、メンバーたちに帰ってもらうことができないんだ」
と夫にイラっとする日もあったし、
「今日は子どもが寝る前に帰ってきて、今日あったことの話を聞いてあげて欲しいって言ってるのに、全然既読にもならねえ」
と夫に泣きながら怒りをぶつけた日もあった。
このときは、「ダンスに費やす時間」に夫を取られたと思った。
■でも、わたしが嫉妬しているのは "小学生メンバー" だった
”時間” に夫を取られるならまだやむなし。
会社員の世の夫をもつ妻たちはきっともっと ”会社時間” と ”通勤時間” に夫を取られているはずだから、週32レッスンほどでグタグタ言うな。
そうだそうだ。
と思っていたところ、また違う日。
週数回レッスンがあるゆえにみんな仲のいい小学生クラスのレッスン終わりに、スタジオにいたわたし。
みんな夫にダンスのことやら、プライベートのことやら、いろいろな話をしてキャッキャしている。
そして、ちょっと見てと、TikTokかなにかのダンスを披露し始める。
ともかく、すごく距離感が近くて、まるで友達かのようなメンバー(生徒)と夫(インストラクター)がそこにいる。
「フレンドリーなのはいいけど、あくまで先生と生徒だろ」
と、ザ・体育会系ヒエラルキーが染み付いた頭のカタイわたしはイラっとしまうわけで。
そこで、ふと思う。
「こ、これは、メンバーに対する嫉妬心なのでは……」
相手は小学生。
わたしは小学生の子どもたちに嫉妬しているのか……。
と思うと、なんだか自分がひどくちっぽけで心が狭く、性格の悪い生き物に思えた。
ダンススタジオをすることで ”時間” に夫を取られたと思っていたけれど、わたしのもっと根本にあるもやもやは ”夫と仲良くする小学生メンバー” なのかもしれない。
「メンバーの子たちにLINE聞かれても収集つかなくなるし、ほかの子に示しが付かないから絶対に教えないで」
とあたかも経営マネジメント的に発した言葉も、メンバーとこれ以上距離を近づかないでほしいという嫉妬が大半だったわけだ。
彼氏に「女友達と連絡とらないで!」とゴネる高校生か。
こちとらアラフォーなのに。
別に高校生の恋愛のように、取られるわけでも、どうなるわけでもないのは百も承知だけど、そう思ってしまう器がミジンコすぎる自分が確かにいた。
そして、この陳腐な嫉妬心に気づいて、どうしようもない気持ちになり、夜、レッスンで疲れ切った夫のマッサージをしながら、盛大に泣いた。
■大丈夫、何にも夫を取られやしない
「ダンスに夫を取られた」なんて思うとは、そんなに夫氏のことが好きなのね。
そんなほほえましいエピソードとして笑い飛ばして終われればよかったけど、だいぶダークな自分が見えて落ち込んだエピソードとなってしまった。
でも、夫にそんな思いを涙と多大なる鼻水を添えてすべて話して、やや心の波風はおだやかに。
「一連の話を聞いて、おれの愛情がそそぎ足りてないのかなと思った。めっちゃあるけど」
と言ってくれた愛ある夫がいるうえに、
「夫と仲良さげな小学生メンバーに嫉妬してしまうくらいは夫のことが好きである」
自分にも気付けたわけだし、
これからもときどきいろんなことにイライラしながらスタジオ経営がんばっていこうと思った、冷えた足先を湯たんぽでぬくもらす12月の寒い夜の出来事でございました。
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