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人生の質とワールド

今月末に、今のお家のすぐ近くにお引越しするのです。
そんなわけで今、合間合間に物を運んだり、DIYリフォームしたりしています。写真は、壁に漆喰塗ってるの図です。

段ボールとか牛乳パックでオモチャ作ったり、オリジナルなスイーツ作ったりするのが好きです。
どうなっても(D)いいから(I)やってみる(Y)、略してDIY笑
とても楽しいです。

あとご存知の方もいらっしゃると思いますが、その過程に入ってこられるのを私は嫌います。
イザナギとイザナミの神話とか、鶴の恩返しにあるような決して中をのぞかないでくださいという「見るなの禁止」です。

DIYすることの良い点は?と問われたら多分第一位は「お金がかからない・安くつく」だと思うのですが、当然ですがDIYする人がそれをする理由は、そこだけじゃないはずです。
1つには、それ自体の楽しさってのがあると思います。1人でするにせよ家族と一緒にするにせよ、どうなってもいいからやってみるそのこと自体に、おそらく後から後からジワる味とか思い出がそこにはべたっとくっついてきます。
失敗してもそれにも味があるし、素人だからわけわからんことが起きたり「うむむ」と考えたり試行錯誤やってみたりしてトンチンカンなことしてたりしてもそれが思い出として残るわけで、もしも出来上がったもの自体の物理的な質が落ちるとしても、人生の質が高くなるならそれはとても素敵です。

心理学者の河合隼雄先生は1990年代にかつてよく「物は豊かになったけれど、心の方は果たしてどうだろう?」みたいなことを言ってらして、それでこのころ「心の時代」などと呼ばれていたけれど、そう、私は今でも心の方を大事にしたいです。

DIYってたぶん、物質的な質を高めるためではなく、人生の質を高めるための時間なんだと私は思います。
人生の質視点で生きていたい、と壁を塗りながら、メレンゲを立てながら、段ボールをカッティングしながら思うんです。

そしてここに自分の世界<ワールド>があって、そこは必ず守られるべきなんだと。
誰かの世界を侵害してるでもなく、ただ静かに小さな自分の世界を担保して、必死に一生懸命に生きている人間のその世界<ワールド>に、土足で踏み込んできたら駄目です。
少なくとも、入るときは子どもだって教えれば「入〜れ〜て〜」って言うだろうし、まして大人だったらそのワールドの共有に関するコントラクト(契約)の設定を前もってお互いにしておかなくてはいけないとは思います。
みんなで一緒に同じ世界を生きることが社会性なんかじゃなくて、一人一人こだわりの世界<ワールド>があることに配慮し合って同じ場で共に生きていくためにどうすればいいかを考えていくことが社会性なのだと私は考えています。
ショッピングモールのフードコートでみんなが別々のものを食べながらもみんなで同じ場所にいるみたいなことです。

長くなってしまいました。笑
こんなふうに考えごとできる1人時間が好きです。

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