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ペルソナではなく一人の人を徹底的に掘り下げるというマーケティング

商品を売りたい時、ターゲットとなるユーザーがどんな人なのかを徹底的に掘り下げて考える、いわゆる「ペルソナを作り出す」作業が大切になってくると思うのですが、僕はこのペルソナが架空の人物ではなく本当に存在する一人をモデルにすることで、商品がより多くの人に届くんじゃないかなと考えています。

本当に実在する人物のことを徹底的に知り尽くすことで、その人が本当に欲しいものはなんなのかを、解像度高く突き詰めることができる。

誰か大切な人にプレゼントを贈りたい時、その大切な人のことを思い浮かべながらプレゼントを選ぶと思います。その作業と少し似ているなと。

ひとつの例で言うと、蜂蜜で有名な山田養蜂場の創業者は、心臓に難病を抱えた娘を元気に育てたいという一心でローヤルゼリーの研究開発をしたことが始まりで、今では複数のグループ会社を持つ大企業へと成長しました。

仮想で作り出したペルソナであるどこかの知らない概念上の複数人のためではなく、心臓が弱い自分の娘という深く理解している人物にフォーカスしたからこそ、解像度高く理想の商品を作り上げることができたのだと思います。

また、もう一つの例でいうとロート製薬の『肌ラボ極潤』という商品が挙がります。『肌ラボ極潤』は販売当初「ヒアルロン酸がたっぷり入った化粧水」というメーカー目線の訴求をしていたところ、伸び悩んでいました。

そこで『肌ラボ極潤』のファンであるユーザーに直接使用感についてヒアリングをしたところ、「使用後のベタつきは好きではないが、これが保湿されている証拠」と商品の良さはベタつきにあることを力説されました。

その一人の声を元に『肌ラボ極潤』のターゲットをインタビューしたユーザーそのものに絞り、訴求方法を「手に頬がくっついて離れなくなるほど"もちもち肌"になる化粧水」に一新。その結果、年間の売上が20億円→160億円まで伸びました。

これらの例を踏まえても、机上で架空の人物を作り上げるより、現実に存在する一人をイメージして商品を作るor訴求する方が、より成長しやすい商品になっていくのではないかと思います。

だから僕は、今会社で出しているプロダクトであるサプリメントを使用しているお客様が、なぜ購入したのか、どんな体験をきっかけにリピートしようと決めたのかをすごく知りたいなと思っています。その質問の先に、僕の知らないプロダクトの魅力や訴求アイデアがあるのではないかと考えているからです。

その一人の声を元にした訴求アイデアが、その商品を本当に必要としている人により届けられたら嬉しいし、そんな仕事がしたいです。



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