肺気胸の僕が飛行機に乗った話

肺気胸持ちの僕が初めて飛行機に乗って旅行をした話

僕は、2014年2月に肺気胸になってから、飛行機というものが怖くて乗れなかった。肺気胸のことをネットで調べたら「飛行機に乗ると再発のリスクが高まる」という情報を得てしまったから。

  

それからというもの、2019年11月現在に至るまで5年間一度も飛行機に乗らなかった。

  

だけど先日(2019年11月21日)、僕は肺気胸が治ってから初めて飛行機に乗って旅行をした。

これまでのどんな旅行よりも緊張したし怖かったけど、どんな旅行よりも楽しかった。本当に楽しかった。

 

飛行機に乗った経験を経て、僕はひとつ壁を乗り越えた気持ちになった。


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肺気胸になったときのこと|恐怖の始まり

2014年2月に僕は肺気胸で倒れた。就活のストレスが募り、一気に爆発。

 

駅を歩いていたら突然左肩から背中にかけて激痛が走り、地べたに座り込んだ。とっさに近くにあった交番(なぜ?)に駆け込み、両親へ連絡。

  

おまわりさんに「救急車呼ぶ?」と提案されたけど、「多分肉離れか何かなので大丈夫です」と断る僕。(救急車呼ぶのが申し訳ないのと恥ずかしかった)

 

そのまま帰宅したが、翌日の早朝に息ができなくなって救急で病院に。

  

病院のスタッフに促されるがままレントゲンを撮ると

 

「肺気胸ですね〜。肺に穴が開いてます」

 

と、くまもんのストラップを胸につけたかわいらしい女性の医師に病気を通達され茫然自失

 

続けざまに

「じゃあ、手術するんで隣の部屋に移ってくださいね〜」

と言われ、理解できないまま手術 

 

そこから3週間程入院し、退院。

  

退院時に医師から「再発率がとても高い」「飛行機はなるべく乗らないように」「スカイダイビングやスキューバは絶対だめ」ということを言われたのを今でも忘れない。

  

それからというもの、再発することへ異常な恐怖を抱き続けた。

再発を恐れる日々|日常のストレスの何もかもが怖かった

肺気胸の原因は不明。医師曰く、おそらくストレスだろうとのこと。

 

そんなんじゃ納得できないと、僕は調べ尽くしたところ結論はストレス!!笑

どうやら肺気胸は現代の医学でも原因がよくわかっていないらしい。 (医師によっても見解がまちまち)

 

じゃあ、どのくらいまでのストレスなら大丈夫なの?

仕事ってどのくらいまで無理していいの?

え!?この背中の痛みってもしかして再発???!

あ!背中痛い!再発??!

今胸がポコポコした??気のせい??再発???!!

 

本当にこんな感じの毎日を2年間くらいは過ごしてました。

だんだん向き合い方がわかってきて少しずつ怖さは減ってきたけど、それでもやっぱり怖かった。


会社で遠方への出張が決まった時も、社長や他の人は飛行機なのに僕だけ新幹線に変えてもらいました。

 

途中で再発したら周りに迷惑かけちゃうし 、なによりも再発したくなかったから。少しでもリスクを軽減したかった。

医者からはいつもOKが出ない

健康診断の度に医師に肺気胸だが飛行機は大丈夫か?と聞くんですけど、毎回答えは「わからない」の一点張り。

 

たとえ検査結果が問題なくても、再発する確率は0ではない以上、医者としては絶対に大丈夫という保証ができないからだそうです。

 

背中を押してもらいたかったんですけど、なかなかうまくいかないものですね。 

海外に行ってみたい思いが募る|再発の怖さと向き合ってみた

何度もいろんな医師に聞く中で僕は思ったんです。

 

飛行機に乗れるかどうかは誰が判断してくれるんだ!! 

このままじゃ一生海外に行けないじゃないか!!

 

そう考えたら、自分の人生の行動範囲は狭められてしまうのだな、他の人よりも自由がないのだな、そんなの嫌だなと、とても絶望感に苛まれてしまいました。

そして「どうなろうと自分が決めるしかないのだな」と悟りました。

友人からのプレゼントをきっかけに風向きが変わる

長い期間悲しみに耽ってたところ、ある時友人からカタログギフトをプレゼントしてもらいました。

そこには沖縄旅行や北海道旅行など、様々な旅行先が載っていました。

  

いつもなら飛行機という交通手段を使用するものを除外していたのですが、せっかくもらったから行かないのももったいないなという気持ちがやや上回り

 

 海外には行けなくても飛行時間が短い国内線なら行けるのでは?

 

 という期待が出てきました。

 そこから1ヶ月悩み続けましたが

 「海外へのファーストステップとして国内線に乗ってみよう!」

 という決断をくだしました。行き先は北海道です。

 

正直怖かったけど、再発しても国内だし、フライト時間も1時間30分くらいだから万が一のことがあっても死にはしないだろうと自分に言い聞かせて、飛行機に挑戦することにしました。 

飛行機は怖かった、でも旅行は楽しかった

北海道旅行はとても楽しかった。

今までの自分にとっては行けなかったであろう土地に、足を踏み入れている喜びを噛み締めながら2泊3日を過ごしていました。

 

もちろん飛行機は怖かったです。特に離着陸の時が一番。

飛行機事故の約80%は離陸の3分、着陸の8分の計11分の間に起こるという統計も知ってたので余計に。

  

エンジン音が大きくて怖いし、機体が揺れるし、ふわっとする感覚が嫌だし。

気圧が急に変わって肺に穴が開いてしまうのではないかという恐怖に怯えながら必死に耐えていました。

パニック発作が起こりそうになるくらい怖かった。

 

 だけど、何事もなく新千歳空港に到着することができ、札幌の雪を踏みしめた時、自分は飛行機で北海道に来たのだという何とも言えない感動を覚えました。

北海道旅行の様子はこんな感じ

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達成感があったからか、旅行は本当に楽しかった。

帰りの飛行機をどうやって過ごそうという恐怖は一旦棚の上にあげておき、目の前の出来事一つ一つを楽しむことに集中しました。

  

今回は札幌・小樽・旭川の3都市を観光しました。

小樽のオルゴール堂

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どうやらオルゴールは日本発のようで、今では世界シェア8割くらいを握っているそうです。意外。

オルゴール堂の中はこんな感じ。

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いたるところにいろんなオルゴールがあります。案外安い!

3000〜4000円あればいい感じのものが買えます。2階にはアンティークのオルゴールがあります。(数百万円するものも。。。)

札幌と言えば味噌ラーメン 

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味噌ラーメンも食べました。一粒庵というお店の「元気が出る味噌ラーメン」!

行者にんにくがたっぷり入ったラーメンです。臭くない!

札幌のさっぽろテレビ塔

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大通公園を歩いていたら偶然見つけた!夜は綺麗。

イルミネーションもやっていて幻想的でした。

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旭山動物園の動物達

特急カムイに乗って旭川にも行きました!

ペンギンかわいい。

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この子、首を後ろに畳んでて軽くホラーなんだけど

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カピバラでかい。

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ぬんっ

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最後に夜の札幌駅(ステラプレイス)を写真に収めて、北海道をあとにした。もちろん行きの飛行機と同じように、再発の恐怖に怯えながら。(無事帰還しました)

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最後に|肺気胸持ちが飛行機に乗ることについて

肺気胸を経験したことのある人にとって、飛行機に乗ることはとても精神的ハードルの高いことだと思います。

再発する可能性が低いとしても「決して0ではない」という不安がどうしても大きく目立ってしまうから。

僕の場合はその不安を少しでも減らすために徹底的に情報を集めました。不安を煽るような情報は無視して、信頼できる情報のみをかき集めた。


飛行機に乗るリスクってどのくらいなのだろう?

本当に絶対に飛行機に乗っちゃダメなの?

医師や病院の見解にはどのようなものがあるのだろう?

気胸経験者で飛行機に乗った人はいるのだろうか?

嵐の相葉くんや、サッカー選手の長友は飛行機乗ってたけどどうだったんだろう?


いろんな角度から情報を集めました。

僕が集めた情報の一部と、僕が飛行機に乗るまでに試した不安を軽減する工夫をここに載せておきます。

ちなみに以下のサイトは参考になりました。

独立行政法人国立機構埼玉病院
気胸・肺のう胞スタディグループ

不安を軽減する方法1|SNSで情報集める

ツイッターなどのSNSで、同じ悩みを抱えている人たちの体験談を見たのも怖さの軽減に繋がりました。

 「肺気胸 飛行機」「気胸 飛行機」といったワードで探してみるのがおすすめです。

意外と経験者の体験談が出てきます。 

不安を軽減する方法2|体調を整えた

ストレスや疲労が溜まった状態で飛行機に乗るとリスクが高まる気がしたから、少しでも再発の引き金となる要素を消去して臨みました。

 

出発前1週間の睡眠時間は極力しっかりとるようにしたし、仕事のストレスもなるべくかからないようにした。とにかく無理を避けた。

できる限り万全の状態にして当日を迎えました。

不安を軽減する方法3|病院で検査する

本当に怖くてたまらない人は、一度CTスキャンなどで検査を受けてブラが破ける可能性が低いことを確認してみるのが良いと思います。

僕も本当はこれがしたかったのですが、時間が取れずにできなかった。(あと病院苦手。。。)

僕から最後に一言 

一世一代の賭けくらいのスタンスで、僕は今回の北海道旅行に臨みましたが、僕が調べた感じ、治ってから1ヶ月くらいはなるべく乗らないことをおすすめします。 

また、特に肺リンパ脈管筋腫症(LAM)患者の場合は、担当医と相談した方が不安は軽減されると思います。

 

肺気胸持ちが絶対に飛行機に乗れないって訳ではないですが、絶対に飛行機に乗っても大丈夫とは言い切れないのが不安なところ。

 

だけど、僕という肺気胸持ちの人物が飛行機に乗れたということだけは事実です。

僕の体験談が、肺気胸持ちの誰かの不安を少しでも取り除けたらとても嬉しいです。

 

ちなみに、玉川病院が気胸にとても詳しい病院なので、もし気胸の再発に悩んでいたらここをセカンドオピニオンで受診してみることをおすすめします。

玉川病院

また、ここの病院のHPには気胸についての情報が詳しく書いてあるので、病気のことを知る上でもおすすめです。


肺気胸持ちの人が飛行機に乗る不安が少しでも軽減できたら、僕は嬉しい

肺気胸の体験談をまとめた本を出版しました

本当はnoteで肺気胸の体験談の全てを書こうと思ったのですが、せっかくならと体系化して僕の肺気胸の体験談をamazon Kindleで電子書籍化することにしました。通常の電子書籍だと300円で購入できますが、Kindle unlimitedだと今なら無料で読めます。
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