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大学生・大学院生を励ますぞー!「今年読んだ一番好きな論文2018」

もう去年の話になりますが、12月に入ってクリスマスまで毎日穴埋めをする「アドベントカレンダー」を使って、大学生・大学院生がその年に読んだ一番好きな論文を独自に紹介する「今年読んだ一番好きな論文2018」が有志で行われました。

僕はスポンサーとして参加。ジュンク堂、丸善、honto.jpで使えるギフトカードをプレゼントする「紙の本を読みなよ賞」を出しました。

ただ、せっかくみなさん書いていただいたので、一言感想をここに書きます。最後に総評と、「紙の本を読みなよ賞」の評価基準も書きます。

全エントリーと一言感想

グーグルスライドを使った記事。色使いが基本に沿っていてきれい。民族土壌学という分野そのものが初耳だったので特にイントロダクションはふむふむと興味深かったです。

バイオインフォは本でちょこっとだけかじったけど、ケモインフォもそろそろちゃんとお勉強したいと思わせる記事でした。

最後の「ぜひ覚えていってほしいこと」以降で個性が出ているのはブログならではの形式なので個人的に好きです。

コンクリートと細菌という意外性がおもしろく、ロジックもしっかりしていて読み応えありです。

用語についてちょっとだけ話題になった論文。できれば使われている数式の解説をしてほしかったところ。次回(?)に期待。

https://ot0eu.hatenablog.com/entry/2018/12/09/054023

(リンク切れ?)12月2日に引き続きケモインフォ。やはり勉強せねば、とプレッシャーを勝手に感じました。

エングラムはニュートンで書いたことがあって、理解する難しさはあるけど確実におもしろい分野なのでこれからも注目です。何より形式が素晴らしい。

街中の微生物を丸ごと解析するGoSWABのメンバーが書いたもの。都市を見る視点がガラッと変わります。

普段ならまず読まない行列の論文解説。それだけでうれしいです。

これが、無敵のディープラーニング……!と思わせる記事。最後の人間との比較はなかなか。

腸内細菌キタ!実はタイトルがかなり秀逸。

イラストのかわいさもさることながらロジックがしっかりしていて頭にすっと入ってきました。

最近ちょいちょい出てくるCAR-T療法。丁寧な解説ありがたいです。

実験は苦労の連続、と思わせる論文。自作の図は本当にうれしいです。

納得していないところは納得していないとしっかり書いているところの鋭さを感じました。

地球の酸素濃度変化とアミノ酸コード獲得のお話。実証は難しそうだけど興味を引きます。


論文との出会いは一期一会。カール・ダイセロスの講演かぁー。

世の中にはいろんな論文があると改めて思わせてくれる記事。現地にとっては貴重なデータかも。

ヘビ毒の遺伝学的解析。ガラガラヘビ推しがすごいです。

イントロのゆるふわなイラストからのガチデータへの流れが秀逸。もはや才能レベルでうらやましさすら覚えます。

夜更かしパーソンに頭の痛い話。新しい研究がありそうな気もするけどどうだろう。

RNAがまた注目されそうな論文。あとDropbox Paperのブログ利用は初めて見たけどキレイですね。

総評

年々レベルが高くなっている気がして、みなさん張り切っているなあという印象。目的は「大学院生を勇気づけること」なので、その目的は毎年達成できているようです。

ジャンルでは、Twitterのフォロー関係上どうしても生物学が多いけど、今までにないほどバラけたかなあと思います。そういう意味では、この企画自体が一部の内輪向け企画から広がりつつあるといえるかも。

今年は数学も含めた情報学(バイオインフォ・ケモインフォなど)が多かったので、全体的に盛り上がっているジャンルなのかな、と想像できます。

「紙の本を読みなよ賞」評価基準

最後に、僕がスポンサーである「紙の本を読みなよ賞」の評価基準を紹介します。

審査は2段階にしました。第1段階は、次の5項目について5点満点で評価しました。

形式:誤字脱字はないか、参考文献が明示されているか
一般向けか:特定のジャンルの読者に限定していないので、背景や用語を適切に紹介できているか(新聞レベルまで落とし込む必要はない、大学生が理解でいるかどうか)
ロジック:文章展開に飛躍や不足、重複がないか
個性:例え話や好きな点にオリジナリティがあるか
読後感:読者が納得して読み終わることができるか

第2段階は、第1段階でトップ3人を改めて審査し、特に文章の出来で評価するとしました。

その結果、第1段階では1位が1人、2位が3人でした。トップ3人の予定でしたが、この4人を第2段階として評価し、「紙の本を読みなよ賞」として以下の記事を表彰することにしました。

評価点は、自作の図で著作権に配慮していること、(論文に沿っているとはいえ)ロジックがしっかりしていることです。ばいおっちー(@BiOcch1_et_al)さん、おめでとうございます!

来年もきっとやるはずなので、大学生・大学院生の参加を楽しみに待ちますね。

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