見出し画像

お腹に熱をもっている。

きょうは、とてもいい天気。

黒いサロペットを買ってみた。つなぎ、オーバーオールともいうだろう。

スティーブ・ジョブズじゃないけれど、わたしは毎朝服を選ぶのが億劫だ。

じぶん一人のことならまだしも、6才と2才の小娘たちの服装にもCPUを使うから、もうお腹いっぱいという感じである。

わたし自身は、服装にこだわりがあるわけではない。

6才の長女はもう自分で服を選ぶけれど、甘えたくて着せてほしいと言うことがある。あと、彼女は真冬でも黒のタンクトップだったり、腹巻きをタイトスカート風に着ていこうとしたり、目の端っこで、ある程度社会的に大丈夫なのか(かなりその判断はずぶずぶになってきているが)を確認する必要がある。

2才の次女は一体何なのか、手を洗うのが好きで、ずっと手を洗い続けている。手を洗いたい時は、蛇口を最小限まで絞って、彼女の気の済むまでさせている。このくらいの時期っ水への敏感期とかなんとか、どこかで聞いたことがあったので、つまり、そういうことなのだろう。そして彼女が満足するころには、服の前面がぐしょぐしょに濡れている。外出前に彼女を抱き上げたときに、ようやく気づく。

そんなこんなで、常に自分以外の人びとへの服装に注意を払っていると、自分はなんとなく自分が着心地よく、汚れも柄も気にせず、急に遊具をよじ登ったり鉄棒で前回りしてと言われても股関節の可動域を最大限につかうのを妨げない、ストレッチの効いたユニフォーム的な何かを求めることになる。毎晩ドラム式洗濯機で3時間ジャブジャブぐるぐる回しても、しわがつかず、翌朝また着れそうなやつである。

というわけで、黒のつなぎを買ってきて着てみる。オーバーオール。
次女が今よりまだもう少し小さかったころ、赤ちゃんの上下つながった服は、夏場にお腹のまわりに熱を持つから、熱中症に注意が必要というチラシをもらった。サーモメーターのような、お腹に熱を持った赤ちゃんの写真とともに。

いまのわたしは、つなぎにカラフルなペンキを効かせたメンヘラの芸大生にも見えるし、大道芸のようにも見えるし、お腹にしっかり熱も持っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?