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「PORTFOLIO BRUSH UP↑」というイベントの基本姿勢


大切なのはポートフォリオを良くすることじゃない

6月の下旬に開催する「PORTFOLIO BRUSH UP↑」というイベントについて。

このイベントはプロのデザイナー、イラストレーターによる、(美術、デザイン、イラスト系)学生のポートフォリオをブラッシュアップするイベントです。ですが、ポートフォリオを良くするのが第一義ではありません。ここ大切。

目的は

・ポートフォリオのブラッシュアップを通して、学生を強くすること。
・ポートフォリオのブラッシュアップを通して、学生がしあわせに近づけるようにすること。
・ポートフォリオのブラッシュアップを通して、学生の本当にやりたいことを見つける手助けをすること。
・ポートフォリオで悩む学生を少なくすること。
・なんなら、ポートフォリオがなくても良い状態になるように、サポートすること。

これらの目的を、手段として「ポートフォリオをブラッシュアップすること」で、達成したい、というのがこのイベントの大きなビジョンです。

もっと簡単にいうと
目の前の学生がしあわせに、強くなれるように、ポートフォリオをブラッシュアップすることで関わる。

これが、このイベントを講師? サポーターかな。
サポーター側から見たときのポイントです。



繰り返すけどポートフォリオを良くするのは目的じゃない

だから、極端な話、その学生がしあわせになったり、強くなったり、自分のやりたいことができるのであれば、ポートフォリオは良くならなくても構わない。なので、「ポートフォリオが良くなる」という結果には全くコミットしません。ここも大切。

僕は、プロが見て、学生のポートフォリオを良くするのは簡単だと思っています。たくさん指摘をして、そこを直してもらえばいいからです。
プロの目で見れば、学生のポートフォリオの改善点はいくらでも出てくるでしょう。
ただ、本当の意味で、学生にとって良いポートフォリオを作るのは、簡単でないことを知っています。例えば、先ほど書いたように、たくさん指摘して直して、もしポートフォリオが良くなったとしても、学生は強くならないからです。おそらく、修正する作業は精神的に辛い作業になるし、自信を失ってしまうことも多い。

ここは、今の学校教育の弊害だと思っていて、技術や能力や資格を身につけるのが第一義で、学生のしあわせをはおざなりになってしまっていることが多い。なんなら、技術や能力や資格を身につけることが、イコール学生のためになると思い込んでいる学校や先生が多い。このイベントは、先にもお伝えした通り、「目の前の学生がしあわせに、強くなれるように、ポートフォリオをブラッシュアップすることで関わる」ことを大切にします。



ただ、そう関わることによって、結果、ポートフォリオは良くなります。必ず。

ポートフォリオをある基準で見たときに、100点満点で点数をつけることもできるでしょう。中には、プロが見ても素晴らしい!と唸ってしまうものもありますし、その逆のものもあると思います。でも、どのポートフォリオも、その学生の唯一オリジナル。それをある基準で点数を上げることは、就職には多少有利になっても、本質的ではないと思う。

それよりも、その学生の中の基準で、少しでも良くなるように関わる。そのオンリーワンのポートフォリオが、より素晴らしくなるように関わる。

なので、全てを肯定から始める。

学生のポートフォリオへの批判、否定、ダメ出しはしません。
どのようなポートフォリオでも、時間をかけて作られたもの。それをまず認めて受け取った上で、どうすれば良くなるか?を伝えたり、一緒に考えたりします。

講師側の関わり方の基本姿勢は
・肯定から始める(批判、否定、ダメ出しはしない)
・良いポイント見つけて伝える
・改善点を見つけて伝える
・一緒にどうすれば良くなるかを考える

あくまで「目の前の学生がしあわせに、強くなれるように、ポートフォリオをブラッシュアップすることで関わる」のが目的なので、大切なのは、ポートフォリオよりも学生。たいていの人は批判のメッセージを受け取ることはとても難しい。それがどんなに自分のためになるとわかっても、批判を受け入れることがすでに辛い工程になるからです。

また、学生は日々、批判や否定、ダメ出しを多く受けやすい環境にいます。学校の評価制度の中にいるので。なので、ここで新たに批判や否定、ダメ出しをする必要は全くない。逆にいうと批判や否定、ダメ出しはもうたっぷりと足りてる。本当はゼロでもいいものを、日々たっぷりと浴びてると思うのです。

だから、ポートフォリオ頑張って作ったね!ここの部分がいいね!ここの部分が面白いよ!ここをこうして見たらさらに良くなるね。他にもこうして見たいところとかある?という風に関わります。肯定しつつ、でも、もっと良くするすることもできる。


もちろん、この他にも、ポートフォリオを良くするための具体的なポイントはお伝えするので、さっき「ポートフォリオが良くなる」という結果には全くコミットしないと書いたけれど、こう関わることで、結果的に「ポートフォリオが良くなってしまう」という状態になります。必ず。



そもそもポートフォリオって

今回のイベントでは、ポートフォリオの定義を

ポートフォリオとは
自分の作品を通して、相手と良い関係を結ぶための道具

としています。これは今後、もっと発展した定義になるかもしれません。

でも、これまで多くのポートフォリオを見てきた中で
多くの学生が見えていない部分として、自分の作品集になっていて「相手と良い関係を結ぶため」という視点が欠けている、というのがあると思います。


ポートフォリオってラブレターなんだけれど、相手を見ずに決めずに書いてるように感じてて(これはポートフォリオというより、もっと大きな就職活動の視点にもなるけれど)。

そんなこんなもお話するイベントになりそうです。


6月下旬に開催の「PORTFOLIO BRUSH UP↑」というイベントの基本姿勢をシェアしてみました。

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