【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】⑦

・・・・・・


「ん?」


どうやら寝ていたらしい


目が覚めたら
さっきまでの喧騒が嘘のように静かだった


「ここはどこだ?」


いまだに理解できていない


『あっ、起きられましたね!』


甲高い女性の声
看護師だ
返事をしようと身体を動かそうとしたら


「痛っ!」


身体中に痛みが走る


『あっ、ダメです動いたら!絶対安静ですから!』


「絶対安静?」


現状を把握できていないこと察した看護師さんはすぐに担当医の先生を呼んでくれた
担当医から説明を受ける



《内臓破裂》



まさかの展開に言葉を失う…
医師の説明は続いているが頭に入ってこない…
いろいろな想いが頭の中を駆け巡っている…


そんな中思い浮かぶのは
手術する直前に会った父親の冴えない表情だった



「ごめん………」



心の中でそうつぶやいた




つづく


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