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生誕80年・没後40年 ジョン・レノンとともに読書を③

 ポール・マッカートニーは次のようにツイートしています。「今日は悲しい、悲しい日だ。でも、僕の友達ジョンで思い出すのは、彼が世界に届けてくれた大きな喜びのことだ。僕がいつだって誇りに思い幸せを感じるのは、僕が知り合ってともに仕事をしてきたのが、この類稀なるリヴァプール人だったということなんだ」。

 PMのツイートのように、JLとその素敵な作品に出会えたことの喜びと幸せを噛みしめましょう。

○『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル 河合祥一郎訳

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 夢とナンセンスは、ルイス・キャロルの世界とJLのいくつかの作品に通底するテーマです。言葉遊びに満ちた冒険譚は、若かった頃のJLの愛読書でした。JLは言っています。「15歳の頃、『不思議の国のアリス』を書くこと、プレスリーより偉大になることが俺の野望だった」。JLは、ビートルズ時代に『In His Own Write』(訳書『絵本ジョン・レノン・センス』)と『A Spaniard In The Works』というユーモア・スケッチ集を発表しました。音楽面でもプレスリー以上の偉業を成し遂げました(と思います)。JLは、大きな野望をその短い人生の中で叶えました。

 言葉や音楽は、もうひとつ現実を現前させる不思議な力を持っています。JLという人間が目の前で素っ裸で立っているような『John Lennon/Plastic One Band』(『ジョンの魂』という邦題は的を射ていますね)のリアルさもいいですが、『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』や『Magical Mystery Tour』などで奏でられる、めくるめくルイス・キャロル的夢幻の世界も素敵です。ふと現実の悩みや苦しみを忘れ、想像の物語の中で遊ぶことができます。そういえば、PMは、今だにジョンの死を受け入れることができない、楽しく一緒に過ごした時を思い出して現実逃避するしか術はないんだ、みたいなことも言っています。JLが息子のジュリアンが描いた絵にインスパイアされて作った、最もルイス・キャロル的な曲『Lucy In The Sky With  Diamonds』でも聴きながら眠るとしましょう。40年目の12月8日に。おやすみなさい。

文・絵 清水家!(弟)

※記事上の写真は、今だに捨てられずにいる『ロッキン・オン』1981年2月号に掲載されたJL追悼記事の誌面です。「追悼 ジョン・レノン」の見出しの下には、80年12月8日10時50分と記されています。多分ニューヨーク時間で「夜」の10時50分のことだと思います。この時、JLは息を引き取ったのでしょう。当時高校生だった私は、「JLが殺されるというのは、つまり、どういうことなの?」、そんな釈然としない思いを抱えながら読んだ記憶があります。

↓こんなミニプレスを作りました。ジュンク堂書店吉祥寺店6階レジ付近で開催中の選書フェア『ブックマンション×ジュンク堂書店吉祥寺店 コラボ企画 第一弾』』コーナー、清水家!の棚に置いてあります(12月31日まで)。よろしければお持ち帰りください。

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