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ポピュラー和声学「4和音」

ポピュラー音楽では基本的な3和音だけで構成されている音楽は非常に稀で、ミュージシャンの個性が大きく出てくるのはこの4和音からでしょう。

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4和音の誕生

ポピュラー音楽の文脈では「3度堆積をさらに積み上げて作られる」くらいの説明のため、4和音の誕生自体も3度堆積により作られたかのように思いますが、実際はメロディの非和声音がコードとして認識されるようになった、というのが起源です。
この辺りの詳しい脈絡は古典和声の教材で語られています。

そのため、古典的な文脈では非和声音を解決していた慣習上、限定進行と呼ばれる進行の方向が定義づけられますが、ポピュラー和声では特に進行は限定されません。

長短上に生まれるセブンスコードは6種類に分類することができます。

メジャーセブンス

メジャーコードに、根音から見て長7度の音を堆積したのが、メジャーセブンスです。
譜面の例だと、Cメジャーセブンス、Fメジャーセブンスですね。

メジャーコードに、根音から見て短7度の音を堆積したものは、通常、セブンスと呼ばれます。
譜面の例だと、Gセブンスですね。
このGセブンスはトライトーン(シーファ)を持っており、トニックの構成音(ドーミ)への限定進行を持っているので、機能和声においてドミナントモーションの要になっています。

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マイナーセブンス

マイナーコードに、根音から見て短7度の音を堆積したのが、マイナーセブンスです。
譜面の例だと、Dマイナーセブンス、Eマイナーセブンス、Aマイナーセブンスですね。

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マイナーセブンス♭5th

マイナー♭5th(減3和音)に、根音から見て短7度の音を堆積したのが、マイナーセブンス♭5thです。
譜面の例だと、Bマイナー♭5thですね。
古典和声では、このコードはG9の根音省略形としてドミナントの一種と扱われます。

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マイナーメジャーセブンス

マイナーコードに、根音から見て長7度の音を堆積したのが、マイナーメジャーセブンスです。
譜面の例だと、Cマイナーメジャーセブンスですね。
和声的短音階のスケール上作ることができます。

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メジャーセブンス#5th

メジャーセブンスの第5音が上方変位したものが、メジャーセブンス#5thです。
かなり特殊な響きで、経過的にしかあまり出てきません。

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ディミニッシュセブンス

マイナー♭5th(減3和音)に、根音から見て減7度の音を堆積したのが、ディミニッシュセブンスです。
構成音同士の音程関係がすべて短3度の特殊な和音です。
古典和声では、このコードもG7(♭9)の根音省略形としてドミナントの一種と扱われます。

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まとめ

ポピュラー音楽でよく使われる長短スケール上の4和音を紹介しました。

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