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【ひと昔前のヒーロー映画ってこうだったよね】『シャザム!神々の怒り』感想

見た目は大人、中身は子供のスーパーヒーローとして活躍する子供たちの姿を描いた映画『シャザム!』シリーズの続編にあたる『シャザム!神々の怒り』。

※内容的に前作を観ておいた方が良いので、前作を観てなくて興味のある人は『シャザム!』から観てみてね(良作なのでお勧めです)。

今作は奪われた力を取り戻しにきた神の3姉妹を相手に、シャザムファミリーが世界の命運を掛けて活躍する話になっている。

神の3姉妹を演じるのは『クィーン』のヘレン・ミレン、『チャーリーズ・エンジェル』、『キル・ビル』のルーシー・リュー、スピルバーグ版『ウエスト・サイド・ストーリー』のマリア役で注目を浴びたレイチェル・ゼグラー。監督は前作と同じくデビッド・F・サンドバーグがつとめている。

2023年製作/130分/G/アメリカ

まさに正統派な続編。

世界観もバトルも大幅にスケールアップ。
前作でヒーロー化した兄弟たちも活躍しており見応え充分だった。

舞台は前作から少し時の経ったフィラデルフィア。
ビリーと兄弟たちによるシャザムファミリーは街のヒーローとして活躍していた。

そんな中、神の3姉妹が人間界にやってくる。彼女たちの目的は神の力を取り戻すこと。

そもそもシャザムのパワーは魔術師が神の力を奪ったものらしく、三姉妹はシャザムファミリーを襲撃してくる…といったあらすじ。

家族をテーマにしていた前作に続き、今作は家族vs神の家族(三姉妹)の大バトル

『シャザム!』は、ビリー達兄弟のジュブナイル的雰囲気が魅力だけど、そこは今作でも健在。

兄弟同士のワチャワチャとしたやり取りやそれぞれの個性を反映した隠れ家の様子とかツボを突いてくる。

前作はビリーが家族を受け入れるまでの過程が描かれていたけど、受け入れた今作は兄弟たちにより焦点が当てられている。特にビリーの相棒のフレディの恋物語は学園青春モノのノリ。

フレディが恋する相手、アンを演じたレイチェル・セグラーは華があって印象に残る。彼女の魅力で作品の良さも幾分か上がっていると思う。

『ウエスト・サイド・ストーリー』の時はそうでもなかったけど、レイチェル・セグラーの可愛さに改めて気付いた。

楽しい物語の反面、ご都合主義や粗も目立つ。
気になったのは人の死の扱いの軽さ。

サンドバーグ監督がホラー畑出身ということもあってか前作もホラーテイストがある作品だったが、今作ではより多くの人が死ぬ。

その死に対してビリーたちの反応は子供とはいえあまりに軽すぎる。というか命の扱いは全体的に軽い。

物語後半でビリーが「皆無事だった」と言うけど、街の人はだいぶ死んでると思う…だから「フィラデルフィアの恥」なんて言われるんだよ!

この脚本のユルさを受け入れるかどうかで感想も変わってくるんじゃないだろうか。

自分は嫌いじゃない。正直ヒーロー映画はこういうので良い。
確かに大ざっぱだけど、そこが80~90年代のハリウッド作品の雰囲気っぽくて(使用されてるBGMとか製作側もそこを狙ってると思う)懐かしさも感じる。

今ってヒーロー映画1本観るのに予習や予備知識が必要だったりすることが多い。

それも良いけど、観たいと思う時に気楽に観れるヒーロー映画も貴重だと思う。

そういう意味で『シャザム!』シリーズは間口の広い作品じゃないだろうか。

ということで不満点はあるけどそれを上回って楽しめる作品だった。前作を気に入った人なら今作も満足できるかと。

しかしシャザムシリーズ、DCUに残るらしいけど今後も製作されるのかな?
キャストの成長が早すぎて変身前と変身後に大差ないのでは…(実際、メアリーの役者さんは同じになったし)

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