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【最高にイカした亀たちが大暴れ!!】映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』感想

子供の頃、タートルズが大好きだった。
あのOPは今でも思い出せるくらい好きだったし、クリスマスのプレゼントにはタートルズのフィギュア(亀から変身するタイプ)をお願いするほどハマっていた。

成長するにつれその熱も落ち着いてしまったが、子供の頃好きだったものはやはり特別な思いがある。内容云々の前にあのタートルズの新作というだけで感慨深いものがある。

だが、そんな思い出補正がなくてもこの映画の良さは変わらない。

本作はタートルズを知らないという人にもお薦めできる作品である。興味ある人や映画好きは是非読んでいって欲しい。

2023年製作/100分/G/アメリカ

原作となっている『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』とは1984年に出版されたアメコミを原作とした人気アニメシリーズだ。

「ミュータンジェン」という動物を人間のような姿に変える化学薬品の力によって変身した4匹の亀の活躍を描いており、これまでに何度も映画化されるなど世界中で根強い人気を誇っている。

今回の映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』はアメコミタッチの新たなビジュアルで映画化した長編アニメーション。

個人的に1990年の実写映画化が大好き。2014年の実写化は解釈は面白いが、あまり好きではない。2007年のCGアニメ映画は未見。

監督をつとめたのは『ミッチェル家とマシンの反乱』でアカデミー長編アニメーション賞にノミネートされたジェフ・ロウ
コメディアンで俳優のセス・ローゲンがプロデューサーを務めている(ちなみにセス・ローゲンは今作で声優もつとめている)。

今作は若きタートルズたちの青春物語であり「タートルズ」になるまでの物語。

オリジンストーリー(起源の話)でもあるのでタートルズを知らない人でも見やすい。

これまでの映画と違うのはタートルズたちの精神年齢が少年と何ら変わらないということ(年齢は15歳という設定)。そんな少年タートルズがわちゃわちゃしてる姿を見ているだけでもう楽しい。

本作と同じくセス・ローゲンが製作に関わった『グッド・ボーイズ』とかジュブナイル映画などの仲良し少年たちが活躍する話が好きな人ならこの作品も気に入るんじゃないだろうか。

『キングス・オブ・サマー』や『グッド・ボーイズ』などの少年たちが大騒ぎする映画が好きは人には特にお薦め!

自分はこうした少年同士の友情描写にまず惹かれたが、観ていく内にそうした描写だけでなく内容の素晴らしさににも心打たれた。

この作品が素晴らしいのはまさに「今の時代のタートルズ」を描いているところ。

王道ではあるけど中盤からの展開には意表を突かれたし、これまでのタートルズではなかった展開だ。
「こんな世界線のタートルズもあるんだ」と感心したしタートルズの世界の可能性の新たな拡がりさえも感じた。これまでタートルズを観てきた人なら一層感慨深いものがあるんじゃなかろうか。

タートルズたちは劇中で「マイノリティ」として扱われており、そうした社会性がさり気なく盛り込まれていたりする。製作側のこの時代だからこそ意味のあるタートルズ映画を作ろうとしてる気概が伝わってくるのも良い。

想像以上にミュータントパニックな内容。こんなに多くミュータントたちが出てくるとは。

キャラとテーマだけじゃなく映像や演出にも注目したい。
アメコミをそのまま映像化したような手書き風なタッチに目を惹かれるし、アクションシーンはキャラが縦横無尽に動きまくってて観てるだけで興奮する。

またジェフ・ロウ監督は日本アニメが大好きということで、劇中には日本アニメのネタがいくつも仕込まれている。どんなアニメネタがあるのかについては実際に自分の眼で見て確かめて欲しいが、さり気なく仕込まれたものなんかは見つけると思わず顔がほころんでしまう。

ジェフ・ロウ監督が子供時代に好きだったアニメが『機動戦士ガンダムW』と『もののけ姫』とのこと。

音楽もサントラが欲しくなるくらい格好良いのだが、個人的にエンディングでA Tribe Called Questの「Can i Kick it?」が使われているのが最高。HIPHOPだけどゴリゴリじゃなくて文科系な感じがまさにタートルズに似合っている。

ということで『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』、予想以上に楽しく大好きな作品だった。

これで終わっても良いんじゃないかというくらい綺麗な終わり方してたけど、やっぱり「タートルズといえばアイツ!」がまだ登場していないし、アイツとのバトルを見たいからこのまま続編を作って欲しい。

今回のタートルズ、グッズも凝りまくってて可愛いんだよね。


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