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「ボス恋」恐るべし!ドラマ内の本の作り込みに驚いた

「わたし、気になります!」

前にこんな投稿をしたけど、

引き続き、気になってるのだ。

ドラマとか映画とかに出てくる小道具としての本の装丁が。

で、けっこうすごいのだ。
なにが、って、
TBSの「オー!マイ・ボス!恋は別冊で(ボス恋)だ。

ファッション雑誌編集部を舞台にしたお仕事・恋愛ドラマ。
田舎から出てきたファッションに何の興味もない主人公(上白石萌音)が、ファッション誌の鬼編集長(菜々緒)のもとでアシスタントとしてこき使われることになって、仕事に恋に全力で突っ走る“胸キュン”お仕事&ラブコメディー。
プラダを来た悪魔」か!?っていうはなし。

ファッション誌の編集部が舞台なので、いわゆる出版ものだ。
作中で主人公達が作っているのは「MIYAVI」という新しく創刊するファッション誌で、創刊のためにパリから編集長を呼んできたり、桁違いの広告費とか、いつの時代だ!?って話だけど、そんなことはどうでもいい。
ドラマにリアリティなんて求めてない。

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第4話で、雑誌の創刊号は発売されるんだけど、発売日に20万部売れたり、パリでも5万部売れてたり、いろいろすごい。なかなかのドリームだ!

で、この創刊号。
表紙のモデルは富永愛。撮影はレスリー・キーが担当している。
ザ・世界!!
豪華すぎる顔ぶれ。
この2人が本人役で出演する表紙写真撮影の話は1話目で描かれる。

で、この「MIYAVI」創刊号。
雑誌の中身は主人公が自分の名前を探すってシーンで、一瞬、広告ページがみえるのと、たっぷり1ページ使って掲載されたスタッフクレジットのページが出てくるだけ。
完成した誌面はきちんとは出てこないんだけど、ただ実は意外にすごい作りこみがされている。

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第3話でそれが出てくる。
柔道家の瀬尾光希のインタビュー特集記事のゲラ。
結局このページはボツになって、他のインタビュー記事に差し替わるっていうのが3話の物語なのだけど、とにかくドラマ上ボツになるこのページの作り込みがすごいのだ。

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ファッション誌らしくグラビアもしっかり撮ってる。
オレンジっぽい背景のグラビアの撮影シーンは本編にも出てくる。
すごいのは、この見えるかどうかわからない記事がちゃんと全部書かれていることだ。
世界選手権7連覇を果たした偉大な父の背中を追って、現在6連覇中の自身の思いが語れている。「感謝を伝えるために勝ち続ける。それが今の私の目的です」という見出しのページには、ライバルであり親友でもあるという小玉優子選手とのエピソードが書かれていて、写真を見ると世界大会2連覇を果たしたのが23歳、24歳の時であることがわかる。

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試合会場の広告やら、記者会見の様子、幼少期の写真まで…。
数秒しか出てこないページにこの作り込み。
ドラマ中には試合のシーンなどは一切出てこない。
このページのためだけに撮影している。
この柔道家・瀬尾光希、本当にちょっとしか登場しないキャラクターなんですよ。
なのに超細かいキャラクターのバックグランドまでしっかりある。

この柔道家を演じたのは高山侑子という女優さん。
この記事の試合風景を撮影するために柔道の稽古をしたらしい。

誰? じゃない。
仮面ライダーウィザード」の大門凛子だ。
1話目で敵に襲われて仲間になる女性刑事、ウィザードのヒロインの一人だ。
詳しくはこちらをどうぞ↓

彼女のインスタを見たら、道場の棚に貼られた新聞記事とか、細かいところも作ってあるのがわかる。

さらに驚くのがこの記事を担当した編集者の取材ノートの作り込みだ。

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新聞記事のスクラップあり、試合の分析から父親の細かな経歴までみっちり書き込まれている。

細かい。というか、むしろ怖い。

第3話のこの作り込みもすごかったんだけど、このドラマで一番驚いたのが第2話で登場したこれだ。

人気漫画とカルティエをコラボさせるというエピソードで出てきたマンガ。

「ヨビガミ− 喚神−」 作:荒染右京(あらぞめ・うきょう)

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全39巻まで出ているというこのマンガはドラマの中の架空のマンガだ。
1巻と39巻の装丁が一瞬出てくる。
「読み始めたら一瞬」「3巻にすごい良いシーンがある」
というドラマ内の人気マンガっていう設定。
第2話は、その人気マンガのキャラクターとカルティエをコラボさせて、
話題をブチ上げようという話で、主人公はその交渉に奔走する。

このマンガ、装丁の雰囲気からしてジャンプコミックっぽい。
売れてる漫画と言えばジャンプだ。
そして雰囲気が「NARUTO-ナルト-」っぽい。

「ヨビガミ」の装丁を見ると、けん玉っぽい武器を使って戦うマンガのようだ。
作者もけん玉好きという設定で、けん玉で交渉をまとめようとする。
そのマンガ家・荒染右京を演じているのは、花江夏樹
花江夏樹、そう、炭治郎だ。
「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎の声優さん。
まさにジャンプだ。

で、このマンガ、ドラマ内でページをめくっているシーンがあって、もしかしてきちんと描いてあるの?なんて思っていたら、本当にあった。

ドラマの中では、ぱらっとめくって一瞬見えるってシーンでしか出てこないけど、そのためだけに作中のマンガが作られていた。
マンガボックスでそのマンガが読める。
3月30日までの期間限定みたいだけど。

喚神(ヨビガミ)と呼ばれる、召喚モンスターとパートナーを組んで、強い者が生き残る世界。少年アキトは、かつてライバルのトウシロウの前になすすべもなく敗れたが、ただ勝つためにパートナーのヨビガミ・キバと修行し、そしてついに二人は再び対決の時を迎えるのだった…。

物語はこういう話らしい。

で、実際マンガを読むと、これがびっくりするほどきちんと作られている。
これが39巻の中面のようなので、恐らくクライマックスだ。
かつてのライバルと戦う主人公。
負けそうなところで「ヨビガミは道具じゃない」って、主人公が召喚モンスターと合体してライバル倒す。そして修業していた3年間がフラッシュバックする──
うん、ちゃんと少年マンガしてるし、ジャンプっぽい。
そしてやっぱり画の雰囲気がナルトっぽい。

実際にこのマンガを描いているのは、岸本聖史というマンガ家さんで、他にどんなのを描いてるんだろう…と思って調べてみたら、

えーーーーーー!!
なんと、「NARUTO-ナルト-」の作者・岸本斉史の双子の弟ですとーー!!
びっくり。双子の弟さんもマンガ家さんだったんですね。

マンガのタッチを見ると最初の頃こそナルトっぽい感じがあるけど、最近は違うタッチで描いているようで、ということは今回はあえてジャンプっぽい少年マンガのタッチに寄せて「ナルト」風に描いてるようだ。
なるほど。
いや、これはすごい。

ナルトっぽいマンガをナルトの作者の双子の弟が描いていて、そのマンガを描いている作者を炭治郎の中の人が演じている。
「ジャンプっぽい売れてるマンガ」という設定を具現化するために、なんという手のこんだことをしているんだ。

「ボス恋」恐るべし!!!!

まだお話は中盤にさしかかる途中の4話目。
まだ半分来てない。

ここからどんな仕掛けが待ってるのか!!(小道具的に)

目が離せないぞ、ボス恋!!!

明日の第5話が楽しみだ!!

++

あ、第1話で主人公が就職で上京してきたときに手に持っていた本。
よくできてるなと思っていたんだけど、これは実際にある本だった。

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これ!

++

今期というか最近は、「ボス恋」以外にもけっこう気になるオリジナルの本が出てくるドラマとかアニメとか映画があって、その辺はいずれまた。


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