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2023年をnoteで振り返る

今年一年をnote記事で振り返る年末企画も、今回で3回めになりました。2023年も大変お世話になりました。月一投稿を細々と続けてきましたが、記事を通してさまざまな方とご縁がつながり、今年も充実した一年となりました。

2023年にnoteに投稿したなかで、現時点でいいね!を多くつけていただき好評だった記事のベスト3をあらためてご紹介し、年末のご挨拶にかえさせていただきます。

第3位 乳粥の味と身体の固有性: 仏教とフォーカシングの交差(2)

仏教とフォーカシングについては以前から主要な関心ごとの1つで、これまでもこのnoteで記事をたくさん投稿してきました。今年の9月に初めて鎌倉へ行き、Zen 2.0カンファレンスに参加したことは、フォーカシングと仏教、そして身体について改めて考えるための大きなターニングポイントとなりました。

この記事は、会場となった建長寺におさめられている「釈迦苦行像」から連想した、身体性と個別生の関係について書いたものです。苦行では悟れないの気づいた仏陀。そのときにスジャータから施された乳粥は、仏陀にとってどんな味がしたのだろう。今回の鎌倉への旅自体が、次年度以降も続くであろう続くさまざまな問いかけの起点になる大きな機会となりました。来年の干支は辰ですが、建長寺の雲龍図もとても力強く、これも今年になって生まれた「臨床身体学ゼミ」という別企画のこれからのうねりを予感させるような迫力に満ちていました。鎌倉には、幸運にも何度か通うことになりそうです。

第2位 ボタニカル・クロッシング: 「植物のメタファー」を用いたフォーカシングの提案

今年は自分自身でフォーカシングのセッションを提供したり、心の健康教育としての啓蒙活動、新しいワークの開発を進めていくためのプラットフォーム"focusing living labo"を始動した年でもありました。そのなかでも、新たに開発した植物をメタファーを用いたフォーカシング・ワーク「ボタクロ(botanical crossing)」は、8月の福岡での日本フォーカシング協会年次大会で出店を提供し、定例のオンライン・セッション会も好評をいただいております。

ボタクロには今のころ2つのヴァージョンがあって、状況を生きる今の自分を、自分に馴染みの植物や、何か空想上の植物に喩えて、植物学や園芸の知識を踏まえて、火(陽当たり)・水(水捌け)・風(風通しや虫)・土(土壌や根の状態)それぞれの区分から自分の生き方との交差を楽しむボタクロ・エレメンツ、そして実は植物の生長段階を言い表していた十二支(子丑寅…)に対応する一年の諸段階を今の自分と交差させてみるボタクロ・シーズンス、どちらも植物のメタファーを生かしてフォーカシングで豊かに遊ぶためのセッションです。2024年も引き続き、このボタクロのセッション会を続けていきたいと思います。

第1位 ヴィクトール・フランクルと「9月1日問題」: 子どもの自殺予防をめぐるコミュニティ実践

フランクルについては以前から関心があり、実は山登りが好きなタフな人だったり、ユーモア溢れる明る人だったりと、その意外で魅力的な横顔をこのnoteでも紹介してきました。特にこの記事は9月の子どもの自殺予防期間に合わせて投稿し、X(旧twitter)にて拡散され多くの方に読んでいただきました。

『夜と霧』という書名のイメージからか、フランクルには寡黙で思慮深く、どちらかというと物静かで気難しい人物像を連想されがちですが、実際にはいつも仲間に囲まれていた「つながりの人」でした。

そんなフランクルは、医学生のときにウィーンでいち早く青少年の自殺予防についてのコミュニティ支援を始めた張本人でもありました。また彼は世界中で講演を行ったり、ラジオ番組でも話をしたり、さまざまなかたちで人々にメッセージを伝え、「つながり」を作ろうとした人でした。

僕自身もnoteをはじめ、細々とSNSでの投稿を続けているのも、フランクルやロジャーズ、ジェンドリンも、きっと今生きていたらSNSをやってさまざまな発信を行なっているだろうな、と思ったからです。おかげさまで、今年もたくさんの方々にお読みいただき、また反響や応答をいただきました。コロナ禍も明けつつある中、ありがたいことに初めてお会いした方から「SNS見てます」と声をおかけいただくこともちらほら出てきました。なんとか月一投稿を続けていきたいと思います。

2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。

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