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進む、家のクラウド化。これから多拠点生活は当たり前になる。

2011年。僕が会社員を辞めて六本木でシェアハウスを始めたときは、世間からは変わり者として見られていた。まだコワーキングスペースもなければ、実名SNSも浸透はじめたところだった。家をシェア?年配の方ほど驚いていて、いつも同じような質問をされた。自分だけのスペースを所有してなければ、プライベートな空間や時間は一体どう確保するのかと。

そのとき僕はいつもこう答えていた。「プライベートはアウトソースするんです。カフェでも満喫でもホテルでも、行けば一人の時間は簡単につくれる。特に都会は人は沢山いるけど孤独でしょう。でも目的もなく、誰かといる時間を持つのは難しい。だからホームに帰れば誰かがいる環境を作ったほうが生きやすいんですよ。」

それから時は流れて、シェアハウスは若い人には自然な選択肢になった。僕自身、全国各地にリバ邸を作ったし、100軒近くの立ち上げのサポートをした。そこに遊びに来てくれた若い人が、自分で始めるというサイクルが生まれた。このとき、常識ってのはそれを経験した世代が増えることで変わっていくんだと実感した。

2019年。シェアの流れは加速し、服も車もシェアされるようになってきた。次は家だ。これまでのシェアハウスのように一軒の家を共有・共同生活するのではなく、カーシェアのように全国各地にある何軒もの家々をみんなでシェアできるようになる。つまりは、これまで一部の富裕層だけが別荘を持ってやっていた多拠点生活が、誰もができるようになるということ。

僕が立ち上げに関わっている「ADDress」もその一つ。いわゆる定額制で住み放題のCo-livingサービス。4月プレローンチだというのにイベントをやれば毎回満席だし、類似コンセプトのサービスもどんどん出てきていて注目の高さを感じる。さらに、不動産市場自体をソフトバンクビジョンファンドが後押しする「OYO LIFE」がぶち壊そうとしている。インド発の急成長ホテルスタートアップが、ホテル予約のようにスマホ一つで敷金礼金なし・家具家電付きの家に、一ヶ月単位で入退居できる賃貸サービスを開始する予定だ。

つまり、いま家のクラウド化が起きている。マイホームとして所有する住宅 → 2年単位で借りる半所有住宅 → クラウド化された利用住宅、という第三の波が。僕の周りでもフリーランス・複業化の流れとともにアドレスホッパーが増えているし、それほどエッジーな人でなくてもOYO LIFEのようなサービスによって家との契約はもっと軽くなるはずだ。そうすると、1人1アドレスみたいな概念は古くなる。

日本は人口減少とともに空き家大国になってしまったが、もしかしたら家のクラウド化・ホームシェアは、新しい暮らしを実現する、逆転のチャンスになるかもしれない。

※ ADDress、優先会員募集のクラウドファンディング実施中。一瞬でサクセスして枠は残りわずか