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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う494

三 近代教科書アーカイブ 發兌 大日本圖書株式會社
(M26.8.15印刷M26.8.18発行)
巻之三下
3-b20


教育勅語拝讀之歌
作曲者 未詳
作歌 阪正臣


千代田(ちよだ)の宮(みや)にちよかけて世(よ)をしろしめす大君(おほきみ)の
くだしたまへる御(み)ことばによろづの民(たみ)の萬世(よろづよ)も
よるべき道(みち)はそなはれり行(ゆ)くべき道(みち)は具(そな)はれり

ひとりの君(きみ)をいたゞきて二人(ふたり)の親(おや)をかしづきて
いもせ同胞友(はらからとも)がきも睦(むつ)みあひつゝ御教(みをしへ)に
そむかぬまこと顕(あらは)さん違(たが)はぬ誠(まこと)あらはさん

瑞穂(みづほ)の國(くに)に生(うま)れ来(き)て大御宝(おほみたから)の名(な)を得(え)つゝ
御代(みよ)を守(まも)らむ吾(わが)とものみちのしるべのみことのり
仰(あふ)ぎてよまん春(はる)の日(ひ)も俯(ふ)しておもはん秋(あき)の夜(よ)も

教育勅語
此曲も、前二曲と同じく、「ト」調なり。其旋律も、特に難き所はあらざれ〓(とも)、終始、其發相上
に注意し、第一段-第二段は、静粛に、第三段-第四段は、最も森嚴に謳はしめ、第五段-第六
段に至り、十分精神を表顕せしむるを要す。尚ほ次の歌詞解釈に就き、又は、他の修身書
等に就きて、勅語に宣はせられたる聖旨を敷衍し、尚ほ道徳と音樂との關係に説き及
ぼし、人の心意の誠を致し、敬信の實を表するは、音樂に如くものなきことを、よく乀
悟らしむるを要す。

第一歌は、明治二十三年十月三十日、内閣總理大臣-文部大臣を召させられ、親しく下
し賜はりし、教育に關する勅語のことを、歌詞に綴れるなり。其勅語に、皇祖、皇宗、國を
肇むること宏遠に、徳を樹つること深厚なり。我か臣民、克く孝に、億兆、心を
一にして」とも詔はせるごとく、恐多くも、我 天皇陛下は、天祖天照大御神より、斯國
土人民を授かり給ひて、御代々々受け継がせ給ひ、以て今日に至れるを、恰も宮城の地
名の、千代田と云ふに因みて、萬古不變の皇統を賞賛し奉りて、「千代田の千代か
けて、世をしろしめす天皇」とは列ねたるなり。さて、其勅語中に、我々億兆の臣民が、依
て以て世に處すべき、萬代の亀鑑とすべき大道は、備さに具はりてあるぞ」といへるな
り。
第二歌は、我等臣民は、上に萬世一系の皇室を戴き奉りて、さて、勅語中に、爾臣民、父母
に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し、朋友相信じ云々」詔はせる如く、父母には、孝道を盡
し、夫婦は、互に其分を盡して、家道を修め、兄を敬ひ、弟を愛し、朋友は、信義を以て相交
はり、而して、恭倹-博愛-修學等、云ひもて行けば、際限なけれど、すべて斯勅語の、廣く、厚
く、有難き 聖旨を、肝に銘して遵奉し奉らん」と誓言するの意なり。
第三歌中、「瑞穂國」とあるは、即ち我國の國號なり。大御寶は、人民を「おほみたから」と、太古
より宣はせり。されば、かゝるありがたき名を命(おほ)せ給へる大御心に負かぬやうに、此
深く厚き勅を奉載し、常住不斷、欽仰して奉讀し、かしこけれど、 聖旨の萬一にも副
へ奉らん」と云へるなり。俯仰、春秋、日夜は、句を對して、詞の文をなせるにて、常住不斷
といふに他ならず。

五 広島大学教科書ライブラリー 發兌 大日本圖書株式會社
(M.26.8.15印刷M26.8.18発行)M27.1.22訂
巻之五下
5-b21


千代田(ちよだ)の宮(みや)にちよかけて世(よ)をしろしめす大君(おほきみ)の
くだしたまへる御(み)ことばによろづの民(たみ)の萬世(よろづよ)も
よるべき道(みち)はそなはれり行(ゆ)くべき道(みち)は具(そな)はれり

ひとりの君(きみ)をいたゞきて二人(ふたり)の親(おや)をかしづきて
いもせ同胞友(はらからとも)がきも睦(むつ)みあひつゝ御教(みをしへ)に
そむかぬまこと顕(あらは)さん違(たが)はぬ誠(まこと)あらはさん

瑞穂(みづほ)の國(くに)に生(うま)れ来(き)て大御宝(おほみたから)の名(な)を得(え)つゝ
御代(みよ)を守(まも)らむ吾(わが)とものみちのしるべのみことのり
仰(あふ)ぎてよまん春(はる)の日(ひ)も俯(ふ)しておもはん秋(あき)の夜(よ)も

教育勅語
此曲も、亦「ト」調にして、其旋律も、特に難き所はあらざれ〓(とも)、終始、其發相上に注意し、第
一段-第二段は、静粛に、第三段-第四段は、最も森嚴に謳はしめ、第五段-第六段に至り、十分
精神を表顕せしむるを要す。尚ほ次の歌詞解釈に就き、又は、他の修身書等に就きて、勅
語に宣はせられたる聖旨を敷衍し、尚ほ道徳と音樂との關係に説き及ぼし、人の心意
の誠を致し、敬信の實を表するは、音樂に如くものなきことを、よく乀悟らしむる
を要す。
(略)

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