むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンの女

『むらさきのスカートの女』を読んだ。

内容(「BOOK」データベースより)
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。

主人公は「むらさきのスカートの女」ではなく、わたしこと「黄色いカーディガンの女」だ。わたしの独白形式で物語は進んでいくのだけど、この独白形式によって物語の不気味さが強調される。

「むらさきのスカートの女」自体はなんてことない普通の女性だ。そのむらさきのスカートの女とともだちになりたいわたしの執念、執着心が恐ろしい。あそこまで行くとファン(という言い方もあれかな)を通り越して、ストーカーである。

おそらく映像化されるとは思うけど、「黄色いカーディガンの女」の不気味さを見てみたい。配役は誰がいいかな。静かな狂気を感じさせてくれる女優さんは……。なんてことを考えながら読みふけっていた。

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