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スマトラの大型草食獣たちin群馬サファリパーク。



 投稿の2回目どうしようか…、と少し悩んだ結果、早速にはなりますが、今月12日に初訪問した群馬サファリパークのとある動物たちのことについて語りたいと思います。是非ご覧ください。

1.群馬サファリパークとは。

 群馬県の南西部に位置し、世界遺産にも指定されている富岡製糸場があることで有名な富岡市に、群馬サファリパークはあります。

サファリゾーンのゲート。出入口には、アフリカゾーンが広がっています。


 アフリカやアジア、アメリカ等いくつかのエリアに分かれ、マイカーやバスで回りながら動物たちを見られる他、車から降りて徒歩で動物たちを見る場所もあります。

 今回ご紹介する2種類の動物、マレーバクとスマトラゾウがいるのは、アジアゾーンという所の出口近くです。

アジアゾーンの風景。左にはマレーバクの奥にはスマトラゾウの展示場が見えています。
マレーバクの展示場。進行方向左手に見えてくる、種名が書かれた看板が目印です。
スマトラゾウ展示場。ゾウたちが物を投げてくるからなのか、金属製ネットが張り巡らされていました。


2.アジア唯一のバク!マレーバク。

 世界には4(5種類説とするもある)種類のバクがいますが、そのうち唯一中南米以外に棲み、白黒のツートンカラーが印象的なのがマレーバクです。東南アジアのマレー半島やスマトラ島の熱帯雨林に分布しています。

2頭のマレーバク。申し訳ありませんが、どちらがヒカルでどちらがワカバなのかは判別できてないです。


 現在は、オスのヒカルとメスのワカバの2頭がいて、2頭の間にはメスのコモレ(現在は名古屋の東山動植物園にいる)が生まれ育っています。

屋内で休んでいるマレーバクのメス、コモレ。2023年11月30日、東山動植物園にて。


3.日本でここだけ!スマトラゾウ。


 熱帯アジアに広く生息するアジアゾウのうち、スマトラ島固有の亜種がスマトラゾウです。肋骨の数が他の亜種よりも1対多く、20対あるのが特徴だそうですが、外見からは正直わからないです…。

オスのアスワタマ。牙が特徴的です。
メスのイダ。アジアゾウの場合、メスの牙はあっても見えないということはよくあります。

 現在、国内では群馬に行かないと見られません。今いる2頭、アスワタマとイダが群馬にやってきたのは、今から10年前の2014年。まだまだ若い2頭、いつか赤ちゃんが見られる日が来ると良いですね。


4.まとめ。

 今回ご紹介した2種類は、両者とも絶滅の危機に立たされています。その原因としては、農地(アブラヤシや紙の原料となる樹木等を採取するためのもの)の開発に伴う森林伐採や、農作物を荒らしたりする害獣としての駆除、象牙や食肉を目当てとした密猟等が挙げられています。

スマトラ島最大の陸棲生物は、強くも繊細なる存在にして、自然の豊かさの象徴。

 推定個体数は、両者ともおよそ2000頭前後(マレーバクは、マレー半島等分布域全体での推定)。IUCNこと国際自然保護連合のレッドリスト、略してRLではマレーバクは近い将来絶滅する危険性が高い絶滅危惧ⅠB類(=EN)に、スマトラゾウに至っては、ごく近い将来絶滅する危険性が極めて高い、絶滅危惧ⅠA類(=CR)に指定されています。

歯を見せて、リラックスムード。この表情、なくなってほしくない。

 このまま放置していると、いつかはこの世界から消えてしまう可能性があります。しかし、元々の生息地での彼等は糞をあちこちにばら撒くことで、種子を散布し森を育む、まさに森の庭師とも言うべき存在。もしも彼等がいなくなってしまえば、森の豊かさは保っていけないでしょう。

彼等の未来は、まさに私たちの行動次第…、なのかもしれない。

 国内で、この2種を一度に見られるのは非常に貴重なこと。もしも群馬に訪れたならば、車やバスで彼等を観察しつつ、彼等の故郷で起こっていることに思いを馳せ、自らの暮らしを見つめ直す機会にしてみるのは如何でしょうか。

 今回は以上にしたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。

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