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【言葉】「人間は意味のあることだけでは生きられない」リモートに対する百田尚樹さんのことば

ベストセラー作家の百田尚樹さんと、ジャーナリストの有本香さんがYouTubeで配信している「ニュース生放送、あさ8」という番組があります。お二人の主張に私が賛同しているからかもしれませんが、多才なゲストの方々も含めて本当に毎回勉強になっています。新聞や地上波メディアだけでは拾えないニュースの裏側、いや深層に触れることが出来たり、それこそ百田さんの膨大な蘊蓄話を突然披露して下さったり・・・。さて、今回は番組を視聴していてまさに「我が意を得たり」というエピソードがありましたので、ご紹介したいと思います。テーマは「リモートワーク」。有本さんはある程度、リモート賛同派。そこへ百田さんが番組に入ってきて自論を披露しました。


人間というのは人と人がふれあう、実はこれに意味がある

「(リモート)は効率、という意味ではいいですよ。でもね、働いているのは人間なんです。人間というのはやっぱり人と人とがふれあう。例えば仕事終わって、じゃ今日は一杯いこうか、と。そんなふうにしてね、会社の愚痴や不満・・・こんなのあんまり意味が無いようで、実は意味があるんですよ。

ニュース生放送「あさ8」より抜粋

私もコロナ禍で一部オンライン業務を余儀なくされた身ですので、これに関しては本当に賛同です。公の学校ではもっと大規模にオンライン授業が展開され、慣れないパソコン操作や各家庭によって異なるインターネット環境に苦労されたことと思います。いやー、今思い返しても、本当にしんどい2ヶ月でした(一方で、子どもさんたちは「それなりに」楽しんでいたみたいですけどね・・・笑。いつの時代も、子どもたちは逞しい!)。

日本になぜ食べ物屋が多いのか?

人間というのは人と人とがふれあう。人としゃべりあって。だからこそ、繁華街に飲み屋やレストランがあれだけあるんですよ。特に日本は欧米諸国に比べて、食べ物屋ってめちゃくちゃ多いんですよね。なぜかっていうと、日本人はだいたいホームパーティーとか、家に人を呼ぶことをしないんですよ。だからその代わりに、飯屋とか飲み屋とか喫茶店とか、そんなところで人と会話してね、これはやっぱり大きいと僕は思いますよ。」

同情

私が時々、話題に出していますが、ビフォー・コロナとアフターコロナ問題。人々のマインドも変わり、特に会社で一堂に会した飲み会などは開催しにくくなってきているように思います。それにコロナを理由に双方共に断りやすくなったということもありますよね。

ただ、ここでも百田さんが触れていますが、一緒に食事をする、酒を酌み交わす・・・実はこういうことに、大きな意味があるんですよね。なんだかんだと、たわいもないこと、さもないことを話す、食事を共にするっていうのは、大事なことなんですよね、コミュニケーションとしても。そして百田さんはコロナ渦の学生たちが強いられたリモート授業について論じます。

人間は意味のあることだけをして生きてはいけない

「学生なんかでもね、リモートで授業できるやろ、と。できるんですよ、授業だけ考えたら。でもね、(学生は)授業が終わって、ほんなら今日はちょっと公園でも遊びに行かへんか、みたいなね。しょーもないこと話してるんですよ、僕も学生の時、そうやった。まったく意味の無い話してるんです。でもね、それがね、人間ってね、意味のあることだけしていては生きていけないんですよ。無駄なこと多いんです。だいたい無駄なこと7割、8割、本当に意味のあること1割、2割、そういうもんやと僕は思ってます。

同上

そうなんですよ!単に「授業を受ける」というだけなら、オンラインで出来るんですが、それだけじゃないんですよね、ライブならではの効用というのは。例えば授業であっても、教師との対話、学生同士の会話などから、その場・そのときだから生まれる「高揚感・臨場感」がもたらされる、という副次効果もあったりするわけです。学生時代、ちょっとした誰かの「珍回答」から爆笑が起こり、急に場が和んだ、なんてこと、ありませんでしたか?やっぱり対面で、そしてライブで行う効果って、単なる「知識を黙って吸収する」だけではない、もっと大きな効果があると思うんですよね。

さらに後半は百田節が炸裂!「人間は意味のあることだけをして生きてはいけない」本当にその通りですよね。コンピュータじゃないんだから。無駄7割、8割だっていいじゃないですか。それに、相手にとっては無駄かもしれないけど、自分にとっては大事な意味のあることだったりすることもあるわけですからね。

なんでもかんでも「効率」を求める風潮には、どうにも賛同できませんね。と、同時にリモート全盛期から、ずっと、これでは人とのつながりは「維持」できても、新たには作られないから、徐々に衰退するのではないか?と思っていたので、百田さんが同じように考えていたと分かり、本当に嬉しくなりました。だって、何しろ人間の琴線に触れる達人であり、理系脳も持っているあの百田尚樹さんですよ!笑。

飯山陽さんも学校のリモート授業には否定的

「私も大学のリモート授業は反対ですね、できる限りは。もちろん大学に限らず、離れたところで住んでいる人たちが、外国なんかでね、一同に集って会議などをするときには、リモートというのは非常に効率的だと思いますけれども、学校とか会社とか、基本的には対面で仕事、あるいは勉強してしかるべきだと私は思いますね。やっぱりコロナの時にリモートで学生時代を3年なりなんなり過ごした子たちの人生における損失って、ものすごく大きいと思いますね。

同上

こちらは本日の「あさ8」スペシャルゲストのイスラム思想研究家、飯山陽さんのコメント。飯山さんは先日まで大学教授として生徒たちを教えてきたこともあり、さらには中学生のお嬢様の母としても教育に関わっていらっしゃるので、説得力があります。また、海外での暮らしも長くされていたので、世界から俯瞰したモノの考え方が出来る点も非常に素晴らしく、勉強になります。そんな飯山さんもまたリモートには否定派でした。しかも、特に後半に関しては私も当時、まさに同じように考えていたので、こちらでもまた「我が意を得たり」という気持ちになりました。

やっぱり多感な10代の貴重な3年間をコロナを理由に、いろいろなことを規制され、本当なら思いっきり喋ったり、楽しんだり、あちこち出かけて思い出を作れたんだと思います。また、これまでと変わらず、猛練習を重ねて、声を張り上げたりして、部活動の大会で結果を残す・・・なんていう「日常」を奪われ、年中マスクに私語厳禁。思い出の写真はすべてマスク姿・・・って本当に可哀想だし、失われてしまった年月の代償はきっとこれから徐々に表層化するんだろうな・・・と、同情しつつも、じゃあ、あのとき何が正解だったんだ、というとこれまた難しいですよね・・・涙。

効率だけを追いかけたら、人生しんどい

「だから、効率だけを追いかけたら人生しんどいと思いますよ。
人と人とのふれあいというのは、数字に換算できない大事なものがあるんです。

同上

本当にその通り。人生、無駄なことが7割、8割、それでもいいじゃないか!って話ですよね。それこそ百田さんが仰る「効率だけを追いかけたら、人生しんどい」は本当それ。ロボットじゃないんだから。どんどん遊びを減らして、効率化を追い求めていった結果が、今のような殺伐とした風潮にもつながっていますよね。今じゃ、会社の飲み会に誘うだけでハラスメントな時代・・・なんて記事もありましたからね。

もちろん昔のようになんでも会社中心主義なのも負の面があることは否めませんが、それでもやっぱり人と人がふれあう、実際に対面で顔を合わせることで生まれる効果もまた大事にしたいですよね。そんな私がコロナ期からずっと思っていたことを、こうして思わぬところで耳にすることとなり、嬉しくなって記事にしたという今回のネタでした。みなさんは、どうお考えでしょうか??

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