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【本】もう一度、やり直せたら・・・?~「20代にしておきたい17のこと」再読①

かつて読んだ本を読み返すシリーズ

概ね今から10年くらい前が最盛期だったと思いますので、どれもそこそこ年代物の本にはなりますが、今読み返しても学びのある内容ばかり。と、同時に当時は「乱読」という言葉がぴったりで、とにかく数多く読むということを目的としていた感が強かったな、という反省の気持ちが強いですね。もっと一つ一つの本から、多くを学べたのにな・・・と。とはいえ、そう思えるというのは、自分が歳を重ね、さらにいろいろな経験を経たからこそかもしれません。ま、とにかくこうして改めて当時を振り返りつつ、読み返すというのが自分にとって面白い取り組みだと思っています。

今回は本田健さんの「20代にしておきたい17のこと」

数々のベストセラーを書かれている本田さんですが、読み手に語りかけるような文体が非常に読みやすい。そして「確かに」とか「なるほど」と思えるものが多くて、当時も数多く読んでいたように思います。今回は実年齢としては「倍」となった今、もし20代に戻れたら、自分にこう言いたい・・・というイメージで読み進めていこうと思います。ま、もちろんそんなことはできないので、私と同じように「かつて20代だった」方は、「そうそう、わかる!」と思って頂ければ嬉しく思いますし、それこそ現在20代の方は、「なんだかオッサンの説教めんどうだなー」と思いながら、笑って読み飛ばしてください(笑)。



失敗したことのない成功者はいない

成功した人に話を聞いてみると、彼らのほとんどが10代、20代で大失敗をしています。絶対のその立場にはなりたくないというような、聞いているだけで卒倒しそうな失敗話を良く聞きました。でも、不思議なことに、本人は、それをいたって楽しそうに語るのです。失敗を後悔するというより、「よくもあんな大胆なことをしたよな、大したもんだ」という、どこか誇らしいとさえ思っているようです。

本田健著「20代にしておきたい17のこと」より

そりゃ、失敗をしないに越したことはないのですが、何か事を行うとどうしても起こってしまうもの。もし、これまで一度も失敗をしたことがない、というのはそれはそれでちょっと寂しいことかもしれません。もちろん、失敗したときにはものすごく傷つくし、心も痛むし、何より「悔しい」。しかし、そこからなんとか成功できるように頭を使うからこそ、自分の中に経験値が加えられると思うんです。よく「若いうちに失敗をしておけ」と言われますが、これは本当に正解。そして失敗した後、自分にも学びが得られますし、人間関係も整理整頓できます。変わらず支えてくれる人と、それまでは親身なフリをしていたのに、一気に距離を取ろうとする人・・・いるんですよ、いろいろと。そんなことも学べたりしますよ。

人生は自分が触れたものになる

「人生は自分が触れたものになる」と私は考えています。一流の物に囲まれて、三流の物に触れていたら、三流になる。一流の物に囲まれて、一流のものに触れていると、やっぱり一流に近づいていくようになります。自分の環境をどう作るか・・・それで、その人が変わります。20代という感性が鋭いうちに、一流の絵に触れたり、一流の場所に行ってみたり、一流の人を遠目でもいいから眺めてみるのです。

同上

衝撃だったのは20代で海外を回ったときのこと。欧米の大都市にはほぼほぼ必ず美術館や博物館があるのですが、学生や若者には非常に低価格で入場でき、しかも展示されている美術品が超一流!そして順路もなく、ちょとでも音を立てるとスッ飛んできて注意するような監視官もいない。そして地元の小学生がワイワイ話しながら、キュレーターの方の説明を聞き、そこから思い思いに絵を写生する(しかも寝っ転がったり、あぐらをくんで座り込んだり・・・)。アートが身近であり、生活に根付いているな、と思いましたね。

食べる物もこうした考えはとても大事だと思います。普段は普通にチェーン店のファミレスもいいのですが、時には少し値の張るレストランに行ってみる。こうした「ハレとケ」の考えも非常に大事。ぜひ、20代の方にはお金の工面が大変な時期であることは重々承知しておりますが、時々はこうした発想をもって生活されると、その後の人生に活かされるような気がします。

いいことも悪いことも、誰かが見ている

まわりの人、特に目上の人というのは、あなたの行いを良く見ています。どんなときでも、「こいつは絶対に手を抜かないな」という風に見えれば、その人を抜擢したくなるものです。誰かが見ているというふうに思って行動しましょう。誰も見ていなくても、最終的に、結果が誰かの目に触れた時には、その人がどれだけ努力していたかは分かるものです。

同上

椅子が引かれている状態なら、直す。自分の歩く通りにゴミが落ちていたら拾う・・・そんな小さな事でいいので、習慣にできる人はかっこいいな、と思います。ちょっとした仕草、作法が「いかにも」だと鼻につく物ですが、それが自然な振る舞いに落とし込まれている人って素敵だと思いませんか?


自分の門を開くカギを持ち、チャンスが来たら、つかむ

「来たら、飛び込むぞ」と思っていたから、つかめるチャンスがあります。普段からボーっとしていたら、ダメなのです。ましてや、「ああ、チャンスだ!」と思った時に準備を始めるようでは、もう遅いのです。チャンスの神様は前髪しかないと言われますが、来たらすぐにつかむ気合がないと、それを自分のものにできません。

同上

これは「決断の大切さ」を伝えているように思います。あれこれ考えすぎて動けなくなるよりは、「よし、やってみるか!」とポジティブにトライする。それで失敗しても、また挑戦すれば良いだけ。一方、あれこれ考えて結局やらずに終わっていたら「ああ、あの時やっていれば・・・」という後悔だけが時が経つほど増幅されていくのだと思います。これは、周りから声を掛けてもらったことも同様だと思います。いろいろ考えすぎて逡巡しているうちに、他の誰かに回ってしまった・・・では残念すぎます。いっちょやってみるか!という気持ちは、今思い返しても、大事だなと思いますね。

あとは「巻き込まれ系」。つまりは、自分で手を挙げたわけではないのに、上役などから白羽の矢が立てられ、プロジェクトのリーダーをする羽目に・・・というパターン。当初は「オレはやりたいなんて言ってないんだけどな・・・」とどこかネガティブだったりするのですが、次第にのめり込んで、いつしかやりがいを持って取り組めたりします(←実話)。その中はいいことばかりではなく、辛いこと、やめたくなることなど、大変な事の方が多いと思います。それでも時が経つと、あのときの体験が今に生きている、なんてこともあったりします。ですから、挑戦する気持ちは大事だと思いますね。


おわりに

ということで、今回はここまで。本田さんの本を読み返しながら、若かりし頃を振り返りつつ、こうして考えを改めてまとめ直す作業をとても面白く感じています。あくまでも私自身の体験・経験をもとにまとめているだけですので、すべての方に当てはまるのかは分かりませんが、何か少しでもお役に立つ内容がありましたら幸いです。


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